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ニック・キャシディが波乱の開幕戦を制す 2019年 全日本スーパーフォーミュラ選手権 第1戦 決勝レポート

2019年4月21日

朝のフリー走行が終わった後、再び陽射しが戻ってきた4月21日(日)の三重県鈴鹿サーキット。午後からは全日本スーパーフォーミュラ選手権 開幕戦が行われた。ついにニューシャシーSF19を使っての初の決勝、また平成最後のレースとなった1戦は、4回ものセーフティーカーが導入される荒れた展開に。完走12台というその中で、見事優勝を果たしたのは、今季チームを移籍したNo.37 ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)。2位にはNo.1 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、3位にはNo.3 山下健太(KONDO RACING)が入り、表彰台を獲得。以下、No.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)、ルーキーのNo.39 坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)、No.4 国本雄資(KONDO RACING)、No.50 ルーカス・アウアー(B-Max Racing with motopark)、No.15 ダニエル・ティクトゥム(TEAM MUGEN)までがポイントを獲得している。

 曇り空の朝を迎えた鈴鹿だったが、昼前からは次第に強い陽が指し、汗ばむようなコンディションとなった鈴鹿。全日本スーパーフォーミュラ選手権・開幕戦決勝のフォーメーションラップは、気温25℃、路面温度37℃というコンディションとなった午後2時にスタートした。この時、ソフトタイヤを装着していたのはフロントロウに並んだNo.65 牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)とNo.64 アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)、5番グリッドのNo.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、8番グリッドのNo.18 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)、10番グリッドの野尻、14番グリッドのNo.38 石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)、16番グリッドのティクトゥムという7人。その他のドライバーはミディアムタイヤを装着してスタートした。
 そして、1周の隊列走行を終え、全車がグリッドに着くと、シグナルオールレッドからブラックアウト。20台のマシンが43周先のゴールに向けて、一斉に加速していく。ここでホールショットを奪ったのは牧野。パロウは若干出遅れ、山本の先行を許した。また関口がNo.5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)をかわして4番手に浮上。オープニングラップには、No.20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、山下も福住をかわしてポジションを上げてくる。それぞれ装着しているタイヤが違うため、序盤はその後も各所でバトルが発生。まず2周目の1コーナーでパロウがオーバーテイクシステムを使いながら、アウト側から山本をオーバーテイク。また130Rで関口がオーバーテイクシステムを使いながら山本にアウトから並びかけるが、ここは山本がポジションを守る。その翌周、3周目に入ったストレートでは山本がオーバーテイクシステムを使って、関口を引き離しにかかるが、同じ周の130Rでは再び関口がオーバーテイクシステムを使って、山本の前に出ることに成功した。ここまでは、ソフトタイヤのパロウと関口が、ミディアムの山本を攻略した形。また、その後方でも、野尻が福住をオーバーテイク、石浦が国本をオーバーテイク。やはりソフト勢がミディアム勢をかわしてくる。さらに、4周目のストレートでは、同じミディアムタイヤ同士のバトルも勃発。平川がオーバーテイクシステムを使いながら、山本の前に出る。また、同じ周のスプーンコーナーでは、ソフトタイヤの可夢偉が福住の前に出て、石浦がティクトゥムをかわしている。石浦は、その翌周にも福住をかわし、やはりソフトのメリットを生かした。

これでトップは牧野、2番手はパロウ、3番手は関口、4番手は平川、5番手は山本、6番手は山下というオーダー。中でも、トップ争いは、パロウが少しずつ牧野とのギャップを詰め始め、ここから白熱するかと思われた。ところが、6周目に入ったところで、パロウにドライブスルーペナンルティーが課せられる。フォーメーションスタートまで1分を切った時点で、メカニックがパロウの車両の右フロントタイヤ前に置いた輪止めを回収に行ったことが、スタート手順違反と裁定された。パロウは8周を終えたところでペナルティー消化のためにピットインしている。
 さて、この頃、ピットでは早くも動きが出始める。燃費のウィンドウが開いた6周終了時、予選12番手からスタートし、13位を走行中だったキャシディが真っ先にピットイン。11秒7という素早いピット作業でソフトタイヤに交換してコースに戻る。ここからのアウトラップでキャシディは猛プッシュを見せたが、それがまもなくまた、その翌周にはNo.8 大嶋和也(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)もピットイン。やはりソフトタイヤへの交換を終えて、コースに戻る。
 その後、8周目の130Rではハプニングが発生。4番手を走行していた平川が右リヤタイヤのパンクで、130R立ち上がりのエスケープにマシンをストップ。また、後方を走行していたNo.17 トリスタン・シャルパンティエ(REAL RACING)が同じく130Rで単独スピンし、スポンジバリアにクラッシュした。この影響で、コース上にはセーフティーカーが導入される。これを見て、多くのクルマがピットへとなだれ込む。トップの牧野を先頭に、関口、山本、野尻、石浦、山下、ティクトゥム、福住、No.51 ハリソン・ニューウェイ(B-Max Racing with motopark)、アウアー、坪井、No.7 アーテム・マルケロフ(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)、No.36 中嶋一貴(VANTELN TEAM TOM’S)までがピットイン。逆に、可夢偉と国本、パロウだけはステイアウトを選んだ。ここでハプニングに見舞われたのは、関口。素早い作業を終えた関口だったが、ピットレーンに戻っても全く加速しない。ギヤに問題を抱えて発進に手間取った関口は、大きくポジションを落とすことに。何とかコースに戻ったものの、翌周には再びピットに戻り、そのままレースを終えた。ここでITOCHU ENEX TEAM IMPULは早くも2台揃ってリタイヤとなっている。また一貴には、レース後にピットアウト時の安全確認を怠ったとして5万円の罰金が課されている。

さて、平川とシャルパンティエのマシン回収が終わり、レースがリスタートしたのは11周を終えた時点。この時のオーダーは、可夢偉、国本、パロウのステイアウト組に続いて、牧野、キャシディ、山本、野尻、石浦となっていた。そして、リスタート直後に動きがある。12周目の1コーナーで、パロウが国本を、またソフトを装着したキャシディがオーバーテイクシステムを使いながら、ミディアムに交換した牧野をオーバーテイクし、それぞれポジションアップ。キャシディはさらにミディアムを履いた国本の攻略にも成功。また同じ周のシケインでは、ソフトに交換した山本が牧野をオーバーテイク。続いて山本は、13周目の1コーナーで国本も攻略している。続いて野尻も国本をオーバーテイク。これでオーダーは、可夢偉、パロウ、キャシディ、山本、牧野、野尻、国本、山下となっていた。
 その2周後、15周目のデグナーコーナーでは、再びハプニングが発生。ニューウェイと一貴の2台が接触し、クラッシュ。2台揃って、デグナー2つ目のグラベルにストップした。これはニューウェイが一貴をかわそうと、かなり強引にインに飛び込んだため。このアクシデントにより、レース後、ニューウェイには危険なドライブ行為によるペナルティーとして、ペナルティーポイント1点が課された。そして、この事故処理のため、コース上には2回目のセーフティーカーが導入される。
ここでも可夢偉とパロウ、国本はステイアウト。逆に1回ピットに入った石浦とティクトゥムがもう一度ピットに入り、ミディアムタイヤからソフトタイヤに交換する。ところが、石浦は関口の時と同様、作業が終わっても発進できない。やはりギヤにトラブルを抱え、石浦はそのままガレージに戻されるとリタイヤとなった。

一貴とニューウェイのマシン回収が終わり、レースがリスタートしたのは17周終了時点。このリスタート時に可夢偉の攻略を狙ったのが、パロウ。オーバーテイクシステムを作動させながら、1コーナーでアウトから可夢偉に並びかけたパロウだったが、可夢偉が2コーナーで前に出てポジションを死守する。一方のパロウは、その先のS字に入ったところで突如スローダウン。これは前触れなく左フロントタイヤが脱落したためで、パロウはダンロップコーナーまでゆっくり走って、エスケープにマシンを止めた。最初はイエローフラッグ下で、パロウのマシン回収が行われていたが、19周目に入ったところでやはりコースには3回目のセーフティーカーが導入される。そして、21周を終えたところでリスタート。リスタート直後の1コーナーでは山下が野尻をオーバーテイクして、5位に浮上してくる。山下はそこから勢いをあげ、27周目には前を行く牧野の背後に迫った。27周目の1コーナーでは、オーバーテイクシステムを使いながら、アウトから牧野に並びかける山下。2コーナーでラインを死守する牧野。この攻防はコース後半に入っても続いた。ところがその周のスプーンコーナー2つ目の立ち上がりで、牧野が突如挙動を乱してコースアウト。スポンジバリアにクラッシュする。これは右リヤタイヤが脱落したためだ。

予選で会場を沸かせたTCS NAKAJIMA RACINGも、2台が揃ってリタイヤという結果に終わってしまった。また、これにより、コース上には4回目のセーフティーカーが導入される。ここでまだピットに入っていなかったのは、可夢偉と国本だが、国本はセーフティーカーラン中の28周終了時にピットインしてソフトタイヤに交換。だが、可夢偉はここでもステイアウトした。
牧野のマシン回収が終わり、レースがリスタートしたのは、31周終了時。可夢偉は、この段階になっても全くピットインする動きを見せないまま、キャシディ以下をジワジワと引き離していった。だが、残り周回数と後続とのタイム差を考えれば、ピットインした後は、ポイント圏外まで後退すると見られていた。その頃、後方から順位をあげてきていたのは国本。国本は、誰よりもフレッシュなソフトタイヤが猛然と追い上げを開始し、35周目にはティクトゥム、38周目にはアウアーをオーバーテイクしている。また、事実上のトップ争いとなったキャシディと山本だが、ラップタイムはキャシディの方がわずかに上回っており、山本との差を少しずつ広げていった。これに対して、山本の後方に迫っていったのは、山下。だが、なかなかオーバーテイクするまでには至らない。41周目には両者同時にオーバーテイクシステムを作動させての攻防もあったが、順位の逆転はなかった。
 そして、可夢偉がピットに滑り込んだのは、42周終了時。ようやく全車がピットに入り、見た目上もキャシディがトップに立つ。キャシディは、そのまま危なげなく走り切り、開幕戦を制した。キャシディにとっては、昨年の富士ラウンドに続き、全日本スーパーフォーミュラでは2勝目。鈴鹿では初優勝となった。2位には山本、3位には山下が入り、昨年最終戦と同じ顔ぶれが表彰台に上がった。予選とは大きく順位が変わる波乱のレースは、完走12台というサバイバルレースとなり、見所も多いものとなった。

 次戦が開催されるのは、5月18日(土)〜19日(日)。舞台は大分県オートポリスとなる。まだSF19が走ったことのないサーキットで、レースはどのような展開となるのか。今から待ち遠しく感じられる。

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