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2021年開幕!フリー走行1回目は野尻智紀がトップタイム
2021年4月3日
3月下旬に行われた第2回公式合同テストからわずか10日。2021年の全日本スーパーフォーミュラ選手権は、4月3日(土)〜4日(日)、静岡県富士スピードウェイで開幕の時を迎えた。昨年は、世界を覆ったコロナ禍の影響で晩夏の開幕となり、ほとんどの大会が1デー開催となったが、今年は各チームや関係者が感染防止対策を徹底する中で、通常通り春の開幕。土曜日に予選、日曜日に決勝という2デイ開催に戻っている。
今回の開幕戦。最初のトラックアクションとなったのは、3日(土)の午前9時から10時半、1時間半にわたって行われたフリー走行。午後から行われる予選に向けて、各チームはクルマのセットアップを煮詰めていった。この日、朝から暖かな陽射しに恵まれた静岡県富士スピードウェイには、開幕を心待ちにしていた観客が朝から続々とスタンドに足を運んでいる。客席とパドックは完全に遮断される形で、観客は間近でドライバーたちに接することはできない。客席でも密を避けるようにと呼びかけがされ、各人が気を付けながらも、ドライバーたちの熱い走りを見守った。
このフリー走行では、セッション前半は曇りながら、暖かなコンディション。ほとんど全てのドライバーが、先日のテストから持ち越した2セットのニュータイヤのうちの1セットを装着して走り始めた。そのため、セッション序盤からトップ集団は1分21秒台のタイムをマーク。中嶋一貴(Kuo VANTELN TEAM TOM’S)が1分21秒936をマークしたのを皮切りに、野尻智紀(TEAM MUGEN)、大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)、平川亮(carenex TEAM IMPUL)、福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)らが21秒台をマーク。中でも、野尻は走るたびにタイムを短縮。セッション中盤には、1分21秒517までタイムを縮めてきた。
その後、雲が切れ、晴れ間に恵まれる中、セッション終盤には持ち越したニュータイヤの2セット目を装着して、タイムアタックシミュレーションをするドライバーが次々に現れた。セッション残り時間が20分を切ったところで、まずニュータイヤでのアタックに向かったのは、先日のテストで総合トップタイムを刻んだ大湯。だが、テストの時と比べて、またセッション序盤と比べても路面温度が高いため、ウォームアップの感触などにも違いが出る。その影響からか、大湯はアタックラップのセクター3でタイムを伸ばせず、序盤に出した自己ベストを上回ることができなかった。これに続いてアタックに向かったのは、平川。平川は各セクターで自己ベストを更新し、1分21秒839をマーク。この時点での2番手に浮上してくる。平川は、その翌周もプッシュを続け、セクター1で全体ベストをマークするが、コカ・コーラコーナーでコースオフ。それ以上のタイムアップはならなかった。
そして、セッションの残り時間が10分を切ると、野尻、中嶋、宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)、国本雄資(KCMG)、中山雄一(KONDO RACING)もニュータイヤでアタックシミュレーションへ。この中で、まずは阪口が1分21秒903で、その時点での5番手に浮上。阪口は翌周もセクター1、セクター2で自己ベストを更新していたが、セクター3ではニュータイヤの初期グリップが落ち、さらなるラップタイム更新はならなかった。それに続いてアタックに入り、一気にトップタイムを書き換えたのは、宮田。宮田は1分21秒467を叩き出してくる。だが、間もなくそれを書き換えたのが、野尻。野尻は1分21秒091と、それまでの自己ベストをコンマ5秒近く縮めてきた。これに続いて、宮田のタイムを上回ったのは、テストから好調さを見せていた福住。福住も、1分21秒208と、セッション序盤にマークしていたタイムを大きく上回ってきた。その後も、多くのドライバーが自己ベストは出したものの、野尻には及ばす。野尻がトップで最初のセッションを終えている。これに続いたのが、福住、宮田、平川。以下、笹原、大湯、阪口、中嶋と続いている。ディフェンディング・チャンピオンの山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)は思ったようにタイムを伸ばせず、1分22秒244が自己ベスト。11番手でセッションを終えることとなった。
午後の予選でも、このフリー走行の結果が反映されることになるのか。あるいは、午後までに立て直しを図り、一気にポジションを上げてくるドライバーが出現するのか。注目のセッションは、午後2時40分にスタートする。
2番手
福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)