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2018年 全日本スーパーフォーミュラ選手権 第2戦 予選 レポート

2018年5月12日

「No.20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がQ3トップタイムをマークするも、3グリッド降格のペナルティーで4番手からの逆転を目指す」


 前日に引き続き、初夏のさわやかな陽気に恵まれた大分県 オートポリス。午前中のフリー走行から約5時間という長いインターバルを経て、午後3時50分から全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦のノックアウト予選が行われた。


 Q1、Q2、Q3と3セッションに渡って行われたこの予選で、最終的にコースレコードをマークしてトップを奪ったのは、No.20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)。これにNo.5 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、ルーキーのNo.6 松下信治(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.3 ニック・キャシディ(KONDO RACING)、No.65 伊沢拓也(TCS NAKAJIMA RACING)と続いた。また、今回1戦のみのスポット参戦となったNo.15 阪口晴南(TEAM MUGEN)は、初の予選でQ1を突破して存在感をアピール。今回と次戦 菅生にスポット参戦するNo.7 トム・ディルマン(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)は、予選で初めて履いたミディアムタイヤにクルマのセットアップが合わず、残念ながら最後尾に終わった。

 メインストレートに軽い追い風が吹く中、気温24℃、路面温度38℃というコンディションのもとで、午後3時50分に始まった20分間のQ1。実際にはミディアムタイヤで走り、19台から14台に絞り込まれるこのQ1が最も激戦ということで、セッションが始まると、多くのドライバーが最初からニュータイヤを装着してコースに入る。これに対して、ユーズドタイヤでコースに入ったのは、No.1 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)、No.2 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)、No.4 山下健太(KONDO RACING)、ディルマン、No.8 大嶋和也(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)、No.37 ジェームス・ロシター(VANTELIN TEAM TOM’S)の6人のみ。一方、ニュータイヤで走り始めたドライバーたちは、セッション前半からフルアタックに入った。この最初のアタックでいきなりトップタイムを叩き出して、周囲の度胆を抜いたのが阪口。阪口は1分27秒677をマークして、タイミングモニターの一番上に躍り出た。前半のアタックでこれに続いたのは、No.16 山本尚貴(TEAM MUGEN)。さらに、No.18 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)、キャシディ、No.36 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)、平川、No.50 千代勝正(B-Max Racing team)、伊沢と続いている。


 その後、各ドライバーは一旦ピットイン。中には、ここでクルマのセットアップを微調整する選手の姿も見られた。また、セッション前半にユーズドタイヤを装着していたドライバーも含め、全員が後半でのアタックに向けて、ニュータイヤを装着し、ピットで待機。セッションの残り時間が6分となったあたりから、先を争うようにピット出口へ。石浦を先頭に、国本、山本、阪口、ロシター、キャシディ、山下、No.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、ディルマン、一貴、伊沢といった順でコースに入って行った。一方、他のドライバーからは少しタイミングを遅らせ、最後のコースインしたのは千代。千代がアウトラップの第2ヘアピンに差し掛かったところでは、すでにウォームアップラップに入っていた石浦が後方から迫り、千代を抜いて行くシーンも見られた。

 さて、その石浦は真っ先にタイムアタック。1分27秒408というタイムをマーク。続いてアタックに入った国本は、千代に少し引っ掛かることになってしまったため、1分27秒570に留まった。その後に、アタックしたドライバーたちは続々タイムアップ。山本が1分27秒123、阪口が1分27秒393、キャシディが1分27秒379と上位のタイムとポジションは次々に入れ代わっていく。その中で、トップタイムを叩き出したのは、伊沢だった。
これに続いたのは、山本。以下、平川、松下、野尻、キャシディ、阪口、石浦らが続いたが、10番手の関口とノックアウトゾーンに入ってしまった15番手の国本とのタイム差はわずかに100分の6秒という混戦となっている。その15番手の国本以下、Q1から先に駒を進められなかったのは、ロシター、No.64 ナレイン・カーティケヤン(TCS NAKAJIMA RACING)、大嶋、ディルマンの5人だった。

 10分間のインターバルを経て、ソフトタイヤで争われる7分間のQ2が始まったのは、午後4時20分。セッションが開始されると各ドライバーはコースインのタイミングをお互いに計っていた。そして、開始から約1分半、真っ先に動き出したのは伊沢だったが、ピット位置がより1コーナーに近い平川がその前に入る。コースに入ったのは平川、伊沢、可夢偉、関口、山下、松下、一貴、阪口、千代、塚越、野尻の順。ただし、千代はスペースを取るためにピットアウト時のペースが余りにもゆっくりだったため、塚越がピットロード出口から出てすぐに千代を追い抜いて行った。さらに、そこから2分ほど待ち、残り時間が3分30秒となったところでコースに入ったのは、山本、石浦、キャシディだった。


 ここで最初にアタックに入ろうとしていたのは平川だったが、平川は途中でペースを緩め、計測2周目のアタックへと仕切り直し。一方、これに続いてアタックしていた伊沢が、1分26秒324を叩き出す。関口は、これにはわずかに届かず。だが、続いてアタックしていた松下が1分26秒292で伊沢を上回ってきた。これに続いた山下、阪口、野尻、さらに山本、石浦は松下のタイムを上回れない。だが、キャシディが1分26秒110とトップタイムを書き換える。アタックを2周目に切り替えた平川は、ここで自己ベストを更新。1分26秒113で、この時点での2番手に浮上する。だが、チェッカーと同時に圧巻のタイムをマークしたのは、可夢偉。可夢偉は、ここで唯一25秒台に突入。キャシディに対してコンマ3秒以上の差をつける1分25秒799を叩き出した。これに対して、アタックのセクター3でスピンしてしまったのは、一貴。ブリッジ下からの左コーナーひとつ目でアンダーステアが出てしまった一貴は、続くターン15で縁石に乗ってしまった。

 その結果、Q3進出を決めたのは、可夢偉、キャシディ、平川、松下、山本、伊沢、関口、野尻。アタックに入ったタイミングが遅かった石浦は、野尻と1000分の1秒まで同タイムだったが、タイムを出したのが野尻の後だったということで9番手。ここで涙を飲むことになった。以下、山下、阪口、塚越、一貴と、一貴のスピンによる黄旗中にマークした自己ベストタイムを抹消されることになった千代勝正は、Q3に駒を進めることができなかった。


 さらに10分間のインターバルを経て、いよいよ決勝のトップ8グリッドを決める7分間のQ3が始まったのは、午後4時37分。このセッションでも、各ドライバーはコースに入るタイミングを待つ。その中で、開始から2分半という時点で動き始めたのが、可夢偉、平川、松下、関口。ここから30秒遅れて野尻がコースに入る。さらに、開始から4分というところで伊沢、4分20秒というところで山本、4分40秒というところでキャシディが最後にコースへと入って行った。このセッションでは、ほとんどのドライバーが計測1周目にアタックを予定。可夢偉と関口、平川だけは、計測2周目にアタックを行った。ここでまずトップタイムを刻んだのは、松下。これと同様、1周目からアタックした野尻が、1分26秒038と、松下のタイムを上回ってくる。続いてアタックに入っていた伊沢は、この2人のタイムを上回れず。しかし、チェッカーと同時に、計測2周目のアタックを行った平川が大きくタイムアップ。1分25秒937を叩き出して、トップに立った。続いてアタックしていた可夢偉は、Q2からほとんどセットアップを変えていないというものの、なぞのグリップ不足に見舞われ、タイムが伸びない。結局Q2でマークした最速タイムから約1秒遅い1分26秒732に留まった。また、関口も1分26秒625、山本も1分26秒714と、平川のタイムには届かず。最後にアタックしたキャシディも1分26秒296となっている。

 その結果、Q3でトップタイムをマークしたのは、平川。自身にとって、スーパーフォーミュラでは初めての予選トップとなった。これに野尻、松下、キャシディ、伊沢、関口、山本、可夢偉が続く。ただし、開幕戦のアクシデントにより、平川にはすでに3グリッド降格のペナルティーが科せられることが決定していた。そのため、明日の決勝では、野尻と松下がフロントロウ、キャシディと平川がセカンドロウからスタートすることになっている。

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