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エンジニアたちの作戦計画
第1戦 鈴鹿サーキット

TEAM MUGEN

16一瀬 俊浩

ドライバー:野尻 智紀

1.2019年シーズンに向けて

新たにトラック・エンジニアとして活動される方、移籍された方、担当するドライバーに変更があった方、それぞれ自己紹介、担当車両・ドライバーの紹介をお願いします。

チームは変わりませんが、車両は16号車、野尻選手を担当することになりました。

3月・2回のテストを通して、SF19との「対話」は進みましたか? どんなキャラクターのマシンだと受け取られていますか? セットアップの「鍵」はどのあたりにありそうですか?

2回のテストでエアロ(空力)、メカニカル、タイヤの理解は深まったと思います。基本的には昨年度車両の正常進化版だと感じておりますが、スウィートスポットは狭くなったような気がしています。鍵は秘密です。

*メカニカル:この場合は、車両の作動機構要素、とりわけサスペンションの様々な要素のそれぞれをどうセッティングすると、どんな特性変化が現れるか、その組み合わせによってタイヤの摩擦力(グリップ)を引き出すにはどうしたら良いか、といったあたりを指している。*スウィートスポット:言うまでもなく、車両運動・挙動変化そのものと、同時にセッティングにおける最適領域のこと。

担当されるドライバーは、競技運転者としてどんな個性、ドライビングのリズムの持ち主でしょうか? ずっとコンビを組んでいて、ファンの皆さんに良く知られているドライバーでも、この際、ぜひ一言(以上)お願いします。

           

ドライビングは丁寧なタイプで、コメントも的確です。とくに動きの「質」を重要視します。

ドライバーはSF19についてどんな印象を語っていますか?

エアロとメカニカルグリップのバランスが重要になります。週末は温度が上がる可能性があり、そこにどれだけ合わせ込めるかだと思います。

2.開幕戦・鈴鹿サーキットに向けて

2回のテストの状況、成果を踏まえつつ、鈴鹿における緒戦に向けて、SF19のセットアップは空力、足回りなど、それぞれどのあたりがポイントになると考えていますか?

エアロとメカニカルグリップのバランスが重要になります。週末は温度が上がる可能性があり、そこにどれだけ合わせ込めるかだと思います。

*エアロとメカニカル・グリップのバランス:車両運動の基本はタイヤの摩擦力。ダウンフォースを増やせばタイヤを路面に押し付ける荷重が増え、摩擦力を高められるが、それは速度の二乗に比例して変化=効くのは中高速コーナー。車両姿勢変化にも影響されるので、今日のフォーミュラカーのサスペンション・セッティングは常にそこから考える。一方、タイヤの接地状態、そこで発生する摩擦力を安定させ、車体との間でいかにうまく運動につなげるか、がメカニカル・グリップで、これはサスペンション・セッティング次第だが、車体とタイヤ、サスペンションアームの位置関係とその変動も影響する。したがって空力とサスペンションのセッティングは常に相関し、その中でバランスするところを探すことが求められる。

「持ち込み」セットアップからまず予選、そして決勝に向けてセッティングを煮詰めてゆく中では、どんなことに着目して進めてゆきますか? 例えばコースを走る状態の着眼点、タイムや速度、タイヤ、ドライバーのコメントなど、現時点で想定している範囲でお答えいただければと思います。

まずは予選に向けたパフォーマンス・レベルの確認と改善を行い、その上でコンディション(気象、路面)とタイヤ2種類への対応でしょうか。

レース戦略、タイヤ選択と履き替え(ピットストップ)のタイミングなど、どんなパターンが想定されているでしょうか? 現状、何パターンほど考えていますか?

まずは予選に向けたパフォーマンス・レベルの確認と改善を行い、その上でコンディション(気象、路面)とタイヤ2種類への対応でしょうか。

今シーズンは、オーバーテイクシステム(OTS)がレース中の総使用時間100秒、一度作動させた後は100秒の間隔が設定されている、と作動条件が大きく変わりましたが、どんな使い方が考えられるでしょうか?

使い方自体は同様かと思いますが、今まで以上に使いどころが難しくなっていると思います。

鈴鹿での開幕戦での目標(成績だけでなく、エンジニアとして“見つけたい”“仕上げたい”ことなどについても)はどのあたりに置いていますか?

目標は優勝で、ドライバーの意のままに動く車両に仕上げられるよう進めています。

今シーズン全体をどう戦ってゆこうと考えているか、最終的なターゲットをどこに置いているか、について教えてください。

シーズンを通して上位争いに加わりたいと考えています。

最後に、スーパーフォーミュラを観戦し、楽しまれているファンの皆様に一言お願いします。

SF14も速い車両でしたが、今年のSF19はそれ以上に速い車両です。とくにハイスピードコーナーは見所が増えていると思いますので、楽しんでいただければと思います。

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