エンジニアたちの作戦計画
第1戦 鈴鹿サーキット
REAL RACING
3田坂 泰啓
ドライバー:トリスタン・シャルパンティエ
1.2019年シーズンに向けて
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新たにトラック・エンジニアとして活動される方、移籍された方、担当するドライバーに変更があった方、それぞれ自己紹介、担当車両・ドライバーの紹介をお願いします。
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今年も#17を担当します。 今年のドライバーは、フランス人の18歳、トリスタン・シャルパンティエ選手です。彼はこれまで、こんなハイダウンフォース、ハイグリップ、ハイパワーのクルマに乗った経験は乏しいのですが、テストでは、ステップ・バイ・ステップで、彼なりに練習を重ねてきました。次はレースですが、それもひとつの経験として、成長できればと思います。
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3月・2回のテストを通して、SF19との「対話」は進みましたか? どんなキャラクターのマシンだと受け取られていますか? セットアップの「鍵」はどのあたりにありそうですか?
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クルマのキャラクター自体はそんなに変わっておらず、SF14に対して、すべてにおいて効率アップされている感じです。あと、見た目が変わりました。 それよりも重要なのは、タイヤが変わった(フロントの幅拡大)ことです。
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担当されるドライバーは、競技運転者としてどんな個性、ドライビングのリズムの持ち主でしょうか? ずっとコンビを組んでいて、ファンの皆さんに良く知られているドライバーでも、この際、ぜひ一言(以上)お願いします。
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最初の質問のところに書いたように、今年はルーキーの年として一歩ずつ進歩できればと思います。
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ドライバーはSF19についてどんな印象を語っていますか?
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SF19に、というより、スーパーフォーミュラというカテゴリーの、ハイダウンフォース、ハイグリップ、ハイパワーに慣れていっている段階です。
2.開幕戦・鈴鹿サーキットに向けて
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2回のテストの状況、成果を踏まえつつ、鈴鹿における緒戦に向けて、SF19のセットアップは空力、足回りなど、それぞれどのあたりがポイントになると考えていますか?
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クルマはそんなに変わってないので、今年のヨコハマタイヤをいかに使いこなすか、そのセッティングを見つけるか、ということです。
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「持ち込み」セットアップからまず予選、そして決勝に向けてセッティングを煮詰めてゆく中では、どんなことに着目して進めてゆきますか? 例えばコースを走る状態の着眼点、タイムや速度、タイヤ、ドライバーのコメントなど、現時点で想定している範囲でお答えいただければと思います。
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ドライバーが攻めやすいクルマをめざすだけです。
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レース戦略、タイヤ選択と履き替え(ピットストップ)のタイミングなど、どんなパターンが想定されているでしょうか? 現状、何パターンほど考えていますか?
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色々考えていますが、レースウィークにおけるミディアムタイヤとソフトタイヤの状態を把握した上で、レースでの戦略を考えたいと思います。
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今シーズンは、オーバーテイクシステム(OTS)がレース中の総使用時間100秒、一度作動させた後は100秒の間隔が設定されている、と作動条件が大きく変わりましたが、どんな使い方が考えられるでしょうか?
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前の人を抜きたい時に使うはずです。
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鈴鹿での開幕戦での目標(成績だけでなく、エンジニアとして“見つけたい”“仕上げたい”ことなどについても)はどのあたりに置いていますか?
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QF(予選)も決勝ロングランも、ラップタイムが向上するセッティングを探すだけです。
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今シーズン全体をどう戦ってゆこうと考えているか、最終的なターゲットをどこに置いているか、について教えてください。
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今年は少しでも前の方でフィニッシュすることが目標です。
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最後に、スーパーフォーミュラを観戦し、楽しまれているファンの皆様に一言お願いします。
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スーパーフォーミュラのレースは「ガチ」ですし、常に全力で戦わなければ上には行けません。少しでも気を抜くとまったくダメになってしまうカテゴリーです。だからこそやりがいもあるし、成績が良かった時の喜びもひとしおです。私たちのそんな真剣な勝負を感じつつ、レースを観て楽しんでもらえたらと思います。