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全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦 予選

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No.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が、自身2度目のPPを獲得。
全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦 予選

2017年9月9日

午前中に行われたフリー走行に続いて、午後1時45分から行われた全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦のノックアウト予選。気温、路面温度が真夏のように上昇したコンディションの下、白熱のタイムアタック合戦が繰り広げられたが、その中でNo.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が、昨年の第5戦・岡山大会のレース2以来、自身2度目のPPを獲得。オートポリスの新コースレコードを刻んだ。これに続いたのは、No.1 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)、前戦ツインリンクもてぎで目前の初優勝を逃したNo.18 小林可夢偉(KCMG)。以下、No.36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)、No.15 ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)、No.中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)、No.16 山本尚貴(TEAM MUGEN)、No.2 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)と続いた。

朝、真っ青な空が広がっていた大分県・オートポリス。だが、午前中のフリー走行が終わると雲が湧き、空を覆い始めた。それでも、余り風がなかったことから暑さは増し、ミディアムタイヤのみで争われる20分間の予選Q1が始まる午後1時45分には、気温30℃、路面温度44℃まで上昇。このセッションでは19台から14台に絞り込まれることになるが、開始5分前からは、各チームがマシンをピット前に出し、いつでもピット出口に並べるよう準備を始める。そして、セッション開始3分前になると、ユーズドタイヤを装着した国本、石浦、一貴、ニュータイヤを装着したロッテラー、No.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、No.20 ヤン・マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、野尻、No.41 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。さらにユーズドタイヤを装着したNo.64 中嶋大祐(TCS NAKAJIMA RACING)、ニュータイヤを装着したNo.16 山本尚貴(TEAM MUGEN)とNo.15 ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)、ユーズドタイヤを装着したNo.10 塚越広大(REAL RACING)の順にピットロードに並び、出口オープンの時を待った。いよいよセッションが開始になると、次々にコースイン。さらに、セッション開始から約1分半というところで、ユーズドを装着したNo.7 フェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS)とNo.3 ニック・キャシディ(KONDO RACING)、ニュータイヤを装着したNo.8 大嶋和也(SUNOCO TEAM LEMANS)、ユーズドタイヤを装着したNo.18 小林可夢偉(KCMG)、ニュータイヤを装着したNo.4 山下健太(KONDO RACING)らもコースイン。午前中のフリー走行でミディアムのニュータイヤを使用せず、2セット持っていた選手たちは、最初からアタックへと向かった。ここでまず1分28秒727というトップタイムを刻んだのは、ロッテラー。野尻が1分29秒004、関口が1分28秒994、マーデンボローが1分28秒836、山本が1分28秒820、ガスリーが1分29秒190と次々に自己ベストタイムを刻むが、ロッテラーのタイムを上回ることはできない。この最初のアタックを終えると、全車が一旦ピットイン。セッション後半のアタックに向けて、セットアップの微調整などを行った。この中で、塚越は再度ユーズドでコースイン。アウトラップを走ってクルマの状況を確認すると、もう一度ピットに戻る。

そして、セッションの残り時間が7分半となったところで、ニュータイヤを装着してコースに出たのがローゼンクヴィスト。他のドライバーたちは、そこから1分ほど後、残り時間が6分半となったところで、石浦、国本、大祐、可夢偉、一貴、山本、伊沢、塚越、ロッテラーといった順番でコースに出て行き、Q1を締めくくるアタックに向かった。ここでロッテラーが前半マークしたトップタイムを最初に上回ってきたのは、可夢偉。可夢偉は1分28秒366というタイムを刻んでくる。さらに、これを上回ったのが国本。国本は、1分27秒968と、遂にミディアムタイヤで27秒台に入ってくる。さらに、一貴が1分28秒359と可夢偉を上回ってきた。ところが、この頃、ジェットコースターストレート先で塚越がコースアウト、タイヤバリアに激しくクラッシュ。ストレート先の右コーナーに向かってブレーキングをし、ステアリングを切り始めた塚越のマシンはボトミングして、そのままコントロールを失ってしまった。そのため、チェッカーまで残り1分というところでセッションは赤旗中断。赤旗提示と同時にロッテラーは自己ベストを更新し、1分28秒305をマークしていたが、このタイムは抹消されている。また、それ以降に走っていたドライバーたちもアタックに入っていたものの、自己ベストを更新できないままピットへと戻った。

さて、塚越のマシン回収が一段落すると、セッションは午後2時10分に、残り時間3分間ということで再開。国本、石浦、一貴、山本以外のドライバーたちは、再開前からピットロードに並び、ピット出口がオープンされると次々にコースに入って行く。残り時間はほとんどなく、アタックできるのは1周のみとなる。だが全員、赤旗前に途中まではアタックをしていたため、自己ベストを更新できないドライバーも。その中で、チェッカーと同時に自己ベストタイムを更新してきたのは、マーデンボロー、関口、キャシディ、山下、野尻、No.65 ナレイン・カーティケヤン(TCS NAKAJIMA RACING)、ローゼンクヴィストら。その結果、トップの国本に続いたのは、野尻。以下、マーデンボロー、一貴、可夢偉、関口、ガスリー、ローゼンクヴィスト、山本、ロッテラー、山下、伊沢、石浦、カーティケヤンまでがQ1を通過。大嶋、キャシディ、大祐、No.50 小暮卓史(B-Max Racing team)、そしてクラッシュを喫した塚越は、ここで敗退となった。

塚越のマシン回収が最終的に完了するのを待って、Q2が開始されたのは午後2時28分。Q1終了後から15分を経て、14台から8台に絞り込まれる7分間のセッションが始まる。ここからは、もてぎに続いて今回も使用されるソフトタイヤでのアタックとなるが、初期グリップを使ってアタックできるのは1周のみ。そのため、セッションが始まっても、誰も動かず。コースインのタイミングを待った。そして、開始から1分、真っ先に動き出したのは、可夢偉。これに続いて、国本、関口、一貴、山本、野尻、伊沢、ロッテラー、マーデンボロー、ガスリー、カーティケヤン、山下がコースイン。そして、セッション残り時間が約4分半となったところで石浦、その10秒後にはローゼンクヴィストもコースへ。そこに最初のコースインしていた可夢偉が差し掛かった。可夢偉は1コーナーから2コーナーの間でローゼンクヴィストをかわすと、もう1周タイヤを温めてからアタックへ。一方、他のドライバーの多くは、アウトラップを終えるとすぐにアタックに入っている。そこで、まずタイムを刻んだのは国本。国本は1分26秒924までタイムを伸ばしてくる。続いてアタックしていた一貴は1分27秒172、山本は1分27秒265と国本のタイムを上回れない。しかし、続く野尻が1分26秒852と国本を上回ってきた。さらに、ロッテラーは1分27秒119、ガスリーは1分27秒003と27秒を切れずにアタックを終える。そこにアタックを1周遅らせた可夢偉が戻ってくると、1分26秒317というトップタイムをマーク。それまでオートポリスのコースレコードだった一昨年のPPタイム1分26秒469を上回ってきた。この可夢偉同様、計測2周目にアタックを行った関口とマーデンボローはタイムを伸ばせず。山下も最後に自己ベストは出したものの9番手に留まった。その結果、Q2では可夢偉がトップ。野尻、国本、ガスリー、ロッテラー、一貴、石浦、山本がこれに続き、Q2をパス。山下、ローゼンクヴィスト、関口、伊沢、カーティケヤン、マーデンボローはここで敗退となった。
そこから10分間のインターバルを経て、いよいよPPを決定する7分間のQ3が始まったのは午後2時45分。このセッションでも、開始からしばらくは誰も動き出さない。その中で、開始から約1分半というところでピットを後にしたのは可夢偉。Q2同様、真っ先にコースに入った可夢偉は、ここでもアウトラップ。ウォームアップを経て計測2周目にアタックへ。計測1周目のアタックを予定していた他のドライバーは、セッション開始から2分40秒というあたりで、ロッテラー、野尻、一貴、国本、山本の順にコースへ。さらに、開始から3分半というところでガスリー、最後に石浦がコースに入った。計測1周目からのアタックを行った中では、まずロッテラーが1分26秒637をマーク。だが、続く野尻が1分26秒196という驚異的なタイムを叩き出してくる。続く一貴は1分26秒810に留まった。次にアタックしていた国本は、1分26秒387。野尻には及ばなかったが、ここで2番手に浮上。アタックを1周遅らせた可夢偉は、Q2から大きくタイムを伸ばせず、1分26秒414。野尻、国本には及ばなかった。さらに、ガスリーが1分26秒738、山本は1分27秒138と27秒を切れないまま。最後にアタックしていた石浦も1分27秒200に留まった。

 その結果、嬉しいPPを獲得したのは野尻。これに国本、可夢偉というトップ3。以下、ロッテラー、ガスリー、一貴、山本、石浦というオーダーとなっている。野尻にとっては、昨年第5戦・岡山のレース2以来、2度目のPP。前回も予選トップ3には入っていたものの、決勝では表彰台を逃しているだけに、今回こその気持ちは強い。また、第3戦・富士でトップを快走しながらトラブルに泣いた国本も、ここが正念場。さらには前回、目の前にぶら下がっていた優勝をピット作業のミスから失った可夢偉にとっても、大事な1戦。その後方には、ランキングで1位、2位を争う石浦やロッテラーも控えていることから、明日のレースも激しい展開となりそうだ。

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