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「最高のレースができました。いい気持ちです」決勝記者会見
2020年10月18日
決勝1位
No.1 ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)
「最高のレースができました。いい気持ちです」
「最高のレースができました。いい気持ちです。スタートからすごく良かったのですが、もう4年このレースをしてきた中でようやくスタートがうまくできたように思います。
タイヤがまだ冷えているオープニングラップからいいペースで走れたし、クルマをうまく操れる自信もありました。まずナオキ(山本尚貴)がセルジオ(セッテ・カマラ)に近づいたときを利用し、それに続く戦略(セッテ・カマラを抜く)がうまくいきました。その後、セーフティカーが入ったあとはみんなアドバンテージがなくなり、ピットインのタイミングも同じタイミングだったので、その中でリスタートを狙うことにしました。タイヤ交換後の冷えたタイヤでいいペースを刻む自信もありました。2セット目のタイヤのウォームアップには少し時間がかかったのですが、なぜだか自信があったし、前のクルマも抜けるという気持ちになれましたね。リスクを負うことにもなりましたが、それでも負けずに前を追いかけました。結果、2台をうまく抜いて優勝することができました。
リョウ(平川亮)もナオキも同じ状況でした。ホンダエンジンは最終コーナーですごくいい感じに立ち上がるので、スムーズにミスなく走っていたら追いつかないんですが、そこで(ホンダエンジンユーザーの)ナオキがミスをしたように見えました。そこでリスキーではありましたが、フルスロットルで追いかけました。フルタンクに近いクルマでアクセルをめいっぱい開けるのはとても勇気がいるくらい怖いのですが、逆転するために勝負に出ました。結果、スリップストリームを使ってメインストレートで逆転しました。リョウも同じです。まずプレッシャーをかけることでオーバーテイクシステムを使わせました。それからタイヤの内圧のせいか、ちょっと彼が苦戦しているように見えました。結果、最終コーナーで彼が少しワイドに広がったし、白煙を上げて走っていたのでその瞬間を逃さず逆転することができました。今回は前半に様子を見ながら走り、後半はもっとプッシュしようと思って走る形となりました。それが今回の結果に繋がりました」
決勝2位
No.20 平川 亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
「ペース的にはニック選手のほうが全然速くて及ばなかった」
「いろいろあったと思いますが、今回はスタートが一番大事だと思ったので、集中していきました。(セルジオ・セッテ)カマラ選手が初めてのスタートで苦戦していたようで、ホイルスピンしているのが見えました。それで簡単にオーバーテイクすることができました。
その後、順調に差を広げてこのまま行けるかなという感じでしたが、やはりカマラ選手が遅い中、後ろの山本(尚貴)選手やニック(キャシディ)選手が速そうな感じでしたし、カマラ選手の真後ろを走っている様子が見えたので、(彼らには)余力があるのかなという風に見えました。ちょっと油断できない感じもありつつ、残念だったのは、早めに(ルーティンで)ピットに入った選手が、僕の前で青旗が(出ること)もなく何周も前にいる状態だったので、かなりそこで何秒もロスすることになりました。毎年菅生でこういうことが起きるのに、なにも対処していないのは走っていて残念に思いました。ただ結果的にこれに対して影響はなく、その後セーフティカーが出たので良かったんですが、一生懸命ドライバーが0.1秒、0.01秒を稼いでいるのに、と残念な思いをしました。
セーフティカーが出たタイミングであまりロスなく(ルーティンの)ピットに入ることができましたが、寒いこともあってタイヤのウォームアップがかなり大変で、セーフティカー明けはかなりしんどいだろうという印象もあったのでがんばってタイヤを温めました。それでも温めきれず…。普段はSUPER GTだとタイヤが冷えている状況で(コンビを組む)ニック選手の走りに助けられているのですが、今回はそれにやられたので残念です。でもペース的には彼のほうが全然速くてまだ及ばないなとしつつ、一方でもてぎ、岡山とレースで結構苦戦していたのですが今回は改善できて、戦える速さはありました。ただ、彼のペースが見えなくもなくて…。ただ何が悪いかはわかっているのでそれを直せば良くなるでしょうし、実際にはそれより速く走らなきゃいけないので、まだまだ課題はあります。何をやればいいか、方向性はわかってきました。自分の中でもチームとしても進歩があったので、ポジティブに捉えてオートポリスで優勝できるように組み立てていきたいと思います。ポイントランキングは意識していません。オートポリスも好きなサーキットなので、楽しみにしています」
決勝3位
No. 5 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
「決勝は何が何でも前に行ってやるという気持ちで臨んだ」
「久々にちゃんとレースができたという感じはありました。予選では、残念ながら自分の力を出し切る前にトラフィックに遭い、ちゃんとアタックができないまま不完全燃焼で終わってしましました。なので決勝は何が何でも前に行ってやるという気持ちで臨みました。
レースはオーバーテイクもありましたし、セーフティカーが出るまで非常にいい戦いができていました。前半にとにかく前に出ないといけないと思ったので、野尻選手、ニック選手、セッテ・カマラ選手を抜く時の3回でオーバーテイクシステムをかなり多めに使ってしまい、平川選手を抜くタイミングには(残り使用時間が)20秒を切っていました。”タラ・レバ”になるのですが、最後まで(使用時間が)残っていていたら、(平川、キャシディ両選手を逆転して)勝てたかと聞かれたら、間違いなく勝てなかったですね。クルマも僕も、彼らに届くポテンシャルがありませんでした。逆にオーバーテイクシステムを前半できちんと使い、勝負どころでちゃんと前に出ることができたからこそ3位になれたので、使い方としては間違っていなかったと思っています。セーフティカー明けはなかなかタイヤが温まらずに、ニック(キャシディ)選手にやられてしまいましたし、平川選手にも後半離されてしまいました。良かった部分もあれば、課題の残るレースでもありました。ただ去年、あまり良くなかったところが今年色々変えてみたのですが根本的に直っていませんでした。そこを逆にヒントにして、このあとチームと話し合って次のオートポリスで必ず勝てるようにみんなで努力してがんばりたいと思います。今回、3位表彰台を確保することができてチームとしてまたひとつステップを踏むことができたと思うので、感謝しています。
(今季はスケジュール等が変更されたが)レースができていることだけで幸せに思うので、思うことは色々あるでしょうしドライバーも感じることは色々あるでしょうが、レースができなくなるかも、という恐怖を感じたドライバーのひとりなので、今レースができていることが幸せです」
優勝チーム監督:VANTELIN TEAM TOM’S
舘信秀監督
「これからもいいレースを続けていけば、結果はついてくると思う」
「今季初優勝となりましたが、久しぶりに優勝したような気分です。大変うれしいです。ありがとうございます。(ニック・キャシディは)評判どおり、タイヤの使い方がとっても上手だと思います。その辺が決勝で強いひとつの要因だと思います。チームの戦略は、出たとこ勝負です(苦笑)。今日もほんとに”出たとこ勝負”でしたね。(今シーズンは)平川(亮)君が序盤から調子がいいので、なんとかそこにくっついていきたいと…。たまたま(平川とキャシディが)SUPER GTでコンビを組んでいるので、見ているとそういう意味ではちょっとハラハラしますが、1位がニックで2位が平川君というパターンが私にとっては一番良いんですけどね(笑)。今日はいいレースでしたし、これからもいいレースを続けていけば、結果はついてくると思います」