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「全部の運が自分のほうに向いてくれて優勝することができた」2021年第4戦決勝記者会見

2021年6月20日

決勝1位
No. 5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
「全部の運が自分のほうに向いてくれて優勝することができた」

「今シーズン、初戦から調子はあまり悪くはなかったのですが、開幕戦で表彰台に乗って、第2戦も調子よく来ていたんですがそこからトラブルだったり、SUPER GTでもうまくいかなくて。タイミングが悪いことが続いたりして……。それも自分の実力だと思っていろいろ考えてしまうときもありましたけど、少し時間が空いたときにいろいろリフレッシュして、今回SUGO戦に挑みました。昨日の予選では、少しうまくいかなくて悔しい結果となってしまいました。今日はドライになって状況が変わって、クルマの方の調子もすごく良くて。レースに関しても展開も良く、うまく運ぶことができて後ろとのマージンもありましたし、楽に優勝できたとは言わないですけど、今日に関しては全部の運が自分のほうに向いてくれて優勝することができたので、応援してくださっている皆さんに感謝の気持ちでいっぱいですし、いいクルマに仕上げてくださったチームの皆さんにも感謝の気持ちでいっぱいです。(チェッカーを受けたときは)『やっと勝てた!』という素直な気持ちですかね。ここ何戦かスーパーフォーミュラだけじゃなくて、他のカテゴリーでも落とすレースが続いていたので、その分苦しい時間はありましたが、ほんとに諦めないで良かったなと。そういう気持ちでいっぱいでした。ウィニングラップ中にちょっとウルっときましたが、ちょっとだけです。(今回、カート時代にお世話になった方のレプリカヘルメットを装着して優勝を果たしたが、今後は?)そうなっちゃいますよね、1回勝っちゃうと(苦笑)。でも感謝の気持ちを込めてヘルメットのデザインを替えて、僕自身も初心に戻ってとは言わないですが、ちゃんとそういうときに結果を残せて本当に良かったと思います。

(3周目の1コーナーにおける阪口晴南選手のバトルについて)あの瞬間、向こうのペースが序盤ちょっと上がっていないのがわかったので、早めにセクター3へ入った段階でOTS(オーバーテイクシステム)を押して追い抜きを仕掛けたのですが、ふたりで結構オーバーシュート気味で1コーナーに入って行って『これは抜けないな』と思っていたら、阪口選手がリアを滑らせて僕に当たって……という。そのあとをうまくライン取りが良かったので2位に上がることができて、そこからより展開が楽になったと思います。(タイヤ交換後、ピットアウトでトップだった関口選手の前に出たが)関口さんの前に出るには、先に関口さんが(ピットに)入って、そのあとクリーンエアでいいラップを刻んで次の周に入るしかないなと思っていました。なのでその瞬間を狙ってチームにもいろいろ状況を教えてもらって、OTSも使いました。その後ピットに入りましたが、今日はチームの皆さんがいい仕事をしてくれて完璧なピット作業だったので、ほんとにすべてがうまく噛み合って前に出ることができたと思います。

(タイヤ交換前のインラップでオーバーテイクシステムを使っていたが、どのくらい関口選手を警戒していたか?)どのサーキットでもそうかと思うんですけど、ピットアウトしてもピットを出てすぐは後ろの状況を把握できないのですが、実際は思ったよりも距離があって、落ち着いていけばタイヤのウォームアップも早かったので、気持ち的にも安心して行ける状態でした。トップに立ってからは、大湯(都史樹)選手と野尻(智紀)さんのタイムやペース、ギャップを聞いたりしながら走っていて。でも一番に警戒しないといけないのは大湯選手だとチームに言われていたので、ずっと大湯選手のギャップを見ながらレースを運んでいました。トップに立ってからは、わりと安パイな場所にいるというか、余裕でトップとは言わないですが、トップをキープできる状態になってから最後までが結構長かったんですが、1周1周、なにもトラブルが出ないことを祈ってましたし、タイヤも使い過ぎないように、自分でそういう不運を除けるような気持ちで走っていました。

ここ何戦かちょっと流れが悪くてポイントを獲れないレースが続いて、有効ポイント考えたらもう落とせないという状況で今回初優勝することができました。これでポイントもまたすごく変わってくると思うので、次戦も僕自身得意だと思っているもてぎが続くのでそこでしっかりと結果を残してチャンピオンを目指してがんばりたいと思います」

決勝2位
No.64 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)
「つねに気を張りながらレースをしていた」

「まず福住(仁嶺)選手は、この道のり(初優勝)まで長かったと思いますし、レース運び含めてすばらしかったかなと。その中で僕もがんばってましたけど、レースの距離を見ながらペースをコントロールしているところでも、本当にうまいなと思いました。僕は正直トップに行けるほどペース含めてかなり苦しい中で走っていたので、前を追いかけるというよりかは、後半は関口(雄飛)選手がすごく速かったのでそこを押さえるのに必死でした。ずっとレース始まって終わるまで気が抜けないというか……。ピットの段階でチームのミスもちょっとあって、かなり遅れてしまったのをなんとか挽回しなきゃいけないと思って、プッシュするのにすごく気を張っていました。ピットロスはありましたが、結局走っているのは僕なので、チームのミスを取り返さないといけないととにかくプッシュして……。そしたらチャンスが巡ってきました。それをモノにできて良かったですね。つねに気を張りながらレースをしていたので、今週は疲れたなと思います。

(11周目に関口選手をかわしたが)タイヤの温まりだったり内圧含めて、ピットアウトして序盤に抜かなくちゃいけないと思ってて。ほんとはアウトラップで抜きたかったんですけど、そこまでに至らず……。そうなるともう次の周しかないなと僕の中で思っていたので、あのタイミングで抜けたというのは良かったなと思います。イン側にスペースが少しあったので、そこを逃したらその先では必ず抜けるペースはないなというか、逆にタイヤが温まってからだと関口さんのほうが速いと予想がついていたので、そこで抜くしかなかったです。ちょっと距離はありましたが、しっかりと飛び込んでなんとか抜けて良かったです。

(SNSで『今週は”謎の自信”があります』と書いていたが)今回のSUGOは、理由は全くないのですが行ける自信がなぜかあって。ただ、土曜日に入ってみると雨のコンディションのパフォーマンスでかなり苦戦していて。どうにもならなくて。ただその中でもQ3に通れたのでこの順位にこれたと思います。なんとか踏ん張ってもぎ取れた2位なので僕自身も本当にうれしいです」

決勝3位
No.19 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)
「レースでも優勝争いできるように引き続きがんばっていく」

「スタートと1、2周目のタイヤが冷えていたときは自分の思うとおり冷静に走りができて、その瞬間に『今日は勝てるんじゃないか』と思いました。ですが(ルーティン作業の)ピットで逆転されてしまって、あとは大湯(都史樹)選手にもコース上で抜かれてしまい、ちょっと残念な結果になりました。(レース中のペースは?)う〜ん。でも最後は大湯選手に追いついていたので。ダウンフォースの関係で抜けませんでしたけど。最低でも2番手のペースはあったのかなという感じです。福住(仁嶺)選手がトップでどのくらい全開で走っていたかわからないですけど……。(大湯選手に)抜かれたときは、結構最終コーナーでかなり距離があったので正直油断していて、もうちょっと後ろを気にしていれば良かったんですけど、あそこは完全に自分のミスです。あそこで押さえていればいけたと思うのでちょっとそこは反省ですね。

(朝のフリー走行からドライコンディションとなり、その中での作業で決勝に向けての自信もあったと思うが?)それなりに最初のウォームアップ(フリー走行)と次の8分間で改善できていて、フィーリングもタイムも良かったです。一番速いクルマを作れたかどうかは自信なかったですが、前に出たら普通に全然押さえられるくらいの最低限のクルマはできていたという自信はありました。次のもてぎ以降も予選Q3に残ってポールポジション争いをして、またレースでも優勝争いできるように引き続きがんばっていきます」

優勝チーム監督
DOCOMO TEAM DANDELION RACING
吉田則光監督
「一勝することができたので、今後はこの勢いでこのままシリーズチャンピオンに向かって行きたい」

「大変ありがとうございます。(福住)仁嶺は初優勝までが長かったので。今までも数回(優勝できる)チャンスがあったのに、それがうまく結果に結びつかなかったので、本当にうれしいです。(チームとしては前大会から牧野任祐選手がレースに復帰、一方で福住仁嶺選手が山本尚貴選手に代わりチームを引っ張ることになったが、この間の今季のパフォーマンスについては?)山本選手には去年、一昨年とうちのチームに在籍していただいたおかげでチームの実力も上がっています。半分は山本選手の置き土産みたいなところがありますね。今回、雨、晴でも速かったのは、そういう蓄積が大きいと思います。これでやっと一勝することができたので、今後はこの勢いでこのままシリーズチャンピオンに向かって行きたいと思います。(予選3位だった牧野選手については)今回、雨の中の予選でいいパフォーマンスが見れました。ただ彼はドライは今朝初めてだったので、うちのクルマに慣れていない部分もあってまだこれからだと思います。でもレースペースは悪くなかったので、パフォーマンスは十分に感じられました。

(エンジニアとして担当する牧野選手には)任祐の前のクルマである松下(信治)君、その前のクルマ(関口雄飛)との距離があまり離れていなかったので、例えばあそこでペースを上げろと言っても上げられないのが実情だったので、なんとかあのまま前について行くという状況でした。一方、(勝利が近づく福住選手へ)直接タイヤ(の状況を伝える)ということではなくて、最後は後ろとの間隔も十分にありましたので、無理にプッシュせずに後ろのラップタイム差だけを彼に教えて、『あとはクルージングで行け』と伝えました。

(次戦、もてぎに向けて)昨年のもてぎはチーム側も含めて予選こそ少し失敗した部分があって結果に結びつかなかったんですが、レースペースに関しては良かったし、予選の割にはレースもそれなりにちゃんとまとまっていたので、クルマとしてのベースはあると思っています。今の仁嶺君と任祐君がいいパフォーマンスを見せてくれると思います」

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