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松下信治渾身のアタック 第7戦JAF鈴鹿グランプリ予選ポール・ポジション獲得!
2021年10月30日
穏やかな秋晴れに恵まれた10月30日(土)の三重県・鈴鹿サーキット。日なたでは汗ばむようなコンディションとなる中、午後1時50分からは全日本スーパーフォーミュラ選手権 最終戦JAF鈴鹿グランプリのノックアウト予選が行われた。この予選で、自身初のPPを獲得したのは、松下信治(B-Max Racing Team)。Q1、Q2と自グループトップタイムをマークしていたものの、Q3でタイムを伸ばせなかった大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)が2番手、福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が3番手で続いた。以下、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、野尻智紀(TEAM MUGEN)とトップ5はホンダエンジン勢が独占。トヨタエンジン勢のトップは6番手に入った宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)だった。
朝のフリー走行から約4時間。気温が21℃、路面温度が30℃まで上昇する中、午後1時50分から AグループのQ1が始まる。10分間で行われるこのセッションでは、上位7台がQ2に進出。8位以降はノックアウトされることになっている。
セッションが始まると間もなく、宮田を先頭に阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)、牧野、関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)、サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)、国本雄資(KCMG)、大嶋和也(NTT Communications ROOKIE)がユーズドタイヤでコースイン。アウトラップでマシンの状態を確認すると、すぐにピットに戻り、ニュータイヤに履き替えた。これに対して、最初からニュータイヤを装着して、コースインのタイミングを待っていたのは、前回初のポール・トゥ・ウィンを果たした大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)。大津はセッションの残り時間が6分半となったあたりで、ニュータイヤ装着車としては真っ先にコースイン。これに宮田が続く。そこから1分ほど経ったところで、山本、国本、牧野、フェネストラズ、阪口、大嶋がコースへ。そして、残り時間が4分半となったところで、関口が最後にニュータイヤでコースに入っていった。
アウトラップ、ウォームアップラップを終え、大津がアタックラップに入ったのは、残り時間2分というあたり。大津はここで1分37秒735というタイムをマークする。続いてアタックに入っていた宮田は、チェッカーと同時に1分37秒654で大津を上回ってきた。その後、この宮田のタイムを上回ったドライバーはおらず、宮田はAグループのQ1をトップ通過。大津、フェネストラズ、牧野、国本、阪口、関口がそれに続き、Q1突破を果たしている。これに対して、Q1敗退となったのは、山本と大嶋だった。
5分間のインターバルを経て、BグループのQ1が始まったのは午後2時05分。このセッションでも、開始早々、ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELN TEAM TOM’S)、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)、福住、山下健太(KONDO RACING)、野尻、小高一斗(KCMG)、大湯、松下がユーズドタイヤでコースイン。野尻以外のドライバーは、アウトラップでマシンの確認を終えるとすぐにピットに戻り、ニュータイヤに履き替えた。これに対して、野尻はアウトラップ、インラップとほぼ2周を走ってからピットに戻り、タイヤをニューに交換している。一方、タチアナ・カルデロン(ThreeBond Drago CORSE)と平川亮(carenex TEAM IMPUL)は最初からニュータイヤを装着。コースインのタイミングを計っていた。
そして、セッションの残り時間が5分半となったあたりから、ピットロードで動きが出始める。ここで最初にコースに入ったのは、福住。坪井、アレジ、カルデロン、小高、平川、大湯、山下、松下がそれに続き、残り時間が4分半となったところで野尻が最後にコースイン。このセッションでも、各ドライバーがアウトラップとウォームアップを行なった後、タイムアタックへと入った。セッションの残り時間が1分半となったところで、まず最初にアタックに入ったのは福住。福住は、チェッカーと同時に1分37秒723とまずは37秒台に飛び込んでくる。これを上回ってきたのが、平川。さらに、大湯が平川のタイムを上回る1分37秒513を叩き出し、トップに躍り出た。最後にアタックした野尻は、思うようにタイムを伸ばせなかった。結果、BグループのQ1は大湯がトップ通過。これに平川、福住、松下、山下、野尻、アレジが続き、Q1突破を果たしている。これに対して、Q1敗退となったのは、坪井、小高、カルデロンの3人だった。
10分間のインターバルを経て、Aグループの Q2が始まったのは、午後2時25分。このセッションは7分間で争われ、各グループ上位4台がQ3に駒を進めることになる。ユーズドタイヤでの確認をする時間的な余裕はないため、ニュータイヤでの一発勝負だ。セッションが始まると、各ドライバーはニュータイヤを装着したまま、コースインのタイミングを待つ。ここで真っ先に動いたのは宮田。宮田は残り時間が5分20秒となったところでコースイン。国本、牧野、フェネストラズ、大津、阪口がこれに続く。さらに残り時間が4分15秒ほどとなったところで、関口が最後にコースへと入って行った。
Q1と同様、アウトラップ、ウォームアップラップを走ると、各ドライバーはアタックラップに突入。まずは宮田が1分37秒335というトップタイムをマークしてくる。これに続いてアタックしていたドライバーたちは、Q1と同様、宮田のタイムを上回ることができなかった。その結果、宮田はQ2もトップ通過。牧野、大津、フェネストラズがこれに続いた。一方、わずかなタイム差でQ2敗退となったのは、国本、阪口、関口。ルーキー・オブ・ザ・イヤーの争いでここまでトップに立っている阪口にとっては痛い結果となった。
そこから5分間のインターバルを経て、BグループのQ2が始まったのは午後2時37分。このセッションでも、各ドライバーはニュータイヤを装着し、コースインのタイミングを計る。
セッション残り時間が5分半となったところで真っ先に動いたのは福住。これに野尻、松下、平川、アレジ、大湯と続き、最後にコースインしたのは山下だった。この頃になると雲に日差しが遮られる形となり、路面温度も若干低下した。
その中で、最初にアタックに入った福住は、1分37秒269をマーク。しかし、間もなく松下が福住のタイムを上回ってくる。さらに、「飛び出してもいいっていうほど思い切り攻めました」という大湯が1分36秒752と、今回の予選で初めて36秒台に飛び込んできた。このタイムを上回るドライバーはおらず、大湯はQ2もトップ通過。松下、福住、野尻がこれに続いた。これに対し、わずかなタイム差でQ3進出を逃したのは平川、山下、アレジの3人だった。
そこから10分間のインターバルを経て、いよいよPPを決定づけるQ3が始まったのは、午後2時54分。緊迫感高まる中、各ドライバーがニュータイヤを着けて、コースインのタイミングを待つ。
そんな中、残り時間が5分20秒となったところで、最初に動き出したのは野尻。松下がそれに続いてコースに入る。さらに、宮田、フェネストラズ、大津、福住、大湯、牧野の順でピットを後にした。この中で、フェネストラズだけはユーズドタイヤを装着。復帰2戦目となるフェネストラズの今回の目標はQ3進出。そのため、フェネストラズは、朝のフリー走行で、持ち越しと今回供給分から合わせて4セットのニュータイヤを使用。Q1、Q2でもニュータイヤを使用しており、Q3ではもうニュータイヤが残っていなかった。
さて、アウトラップでは、タイヤの温め方の違いやアタックのポジションどりのため、各ドライバーが動きを見せる。まず松下が野尻をかわして前に出る。また、牧野がアウトラップで大湯をパス。そこから各車ウォームアップを終えると、セッションの残り時間が1分となったところからタイムアタックに入る。
ここで真っ先にアタックに入ったのが松下。各セクターで全体ベストをマークして行った松下は1分36秒717と、Q2の自己ベストを約コンマ5秒上回るタイムを叩き出した。続いてアタックしていた野尻は1分37秒094、宮田は1分37秒177と、いずれも松下に届かず。ユーズドタイヤのフェネストラズも1分38秒279に留まった。さらに、大津もコンディションにクルマを合わせ切れず、1分37秒631。福住は1分36秒933と36秒台には飛び込んできたが、松下には及ばなかった。牧野も1分37秒091。そして、最後にアタックに入っていたのが大湯。大湯は各セクターで松下に迫るタイムをマークしていたが、「思うようなグリップが得られなかった」ということで、コントロールラインを切った時のタイムはQ2の自己ベストよりも約コンマ1.5秒ほど遅い1分36秒901。福住をわずかに上回ったが、松下には約コンマ2秒ほど届かなかった。
その結果、松下が嬉しい自身初のPPを獲得。2番手に大湯と、この2人がフロントロウを獲得している。3番手には福住、4番手には牧野。チームタイトル争いを演じているDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの2台がセカンドロウと好位置につけた。以下、野尻、宮田、大津、フェネストラズと続いている。
明日の決勝では、PPの松下が得意のスタートダッシュを決めて、そのまま逃げ切るのか。あるいは昨年鈴鹿で初優勝している大湯が巻き返すのか。はたまた福住が今季2勝目に向けて何か秘策を繰り出すのか。チームタイトルやルーキー・オブ・ザ・イヤーの決定も含めて、最終戦は目が離せない展開となりそうだ。
予選 P.1 松下信治(B-Max Racing Team)