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第2回公式合同テスト 総合トップはサッシャ・フェネストラズ
2022年3月23日
総合トップ サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)
季節が逆戻りし、雪が降る天候となった初日から一転、3月23日(火)の静岡県富士スピードウェイは、朝から好天に恵まれた。完全なドライコンディションのもと、全日本スーパーフォーミュラ選手権の第2回公式合同テスト2日目のセッションが行われ、各チーム、各ドライバーは開幕戦に向けて最後の準備を行った。
午前、午後のセッションを通じてサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)が総合トップタイムをマークしている。
箱根、丹沢までうっすらと雪化粧を施した23日の朝。それでも、前日とは違って早春の陽射しが戻り、再び裾野の方まで雪が積もった富士山も雄大な姿をクッキリと表した。この日、最初のセッションは午前9時50分から。陽射しが強かったこともあり、この時点で路面も完全に乾いていた。また、セッション開始時点で、気温は8℃、路面温度は13℃まで上昇。初日ほとんど走れていないため、ピットロード出口がオープンされると、大嶋和也(docomo business ROOKIE)、大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)、松下信治(B-Max Racing Team)、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)を先頭に、多くのドライバーたちが続々とコースに入っていった。今回のテストでは、本番を想定して全チームがタイヤ交換用のブームなども持ち込んでおり、ドライバーによっては、セッション序盤からピット作業練習を行う姿も見られている。また、ピットロード出口でスタート練習を行うドライバーたちも多かった。その後、各ドライバーはピットイン、アウトを繰り返しながらテストメニューを消化していくが、路面コンディションが良くなるにつれて、タイムも次第に上がっていった。
そんな中、まず1分22秒台のタイムを刻んだのは、坪井。セッション開始から21分という時点で、坪井は1分22秒968をマークする。しかし、そのすぐ後に、大きくトップタイムを書き換えたのは、関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)。関口は、セッション開始から約10分というところでようやくコースインしたが、計測6周目に1分22秒496、計測7周目には1分22秒261と2周続けて自己ベストをマークしてくる。同じ頃には、大津弘樹(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)や阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)も1分22秒台に突入。セッション折り返しを迎える頃には、平川亮(carenex TEAM IMPUL)、フェネストラズ、山下健太(KONDO RACING)らも22秒台のタイムを刻んできた。
その後、セッションの残り時間が35分となったあたりでトップタイムを書き換えたのは、牧野。牧野はここで1分22秒223と、関口のタイムを100分の4秒ほど更新。ほぼ同じタイミングで関口も自己ベストを更新し、1分22秒234までタイムを伸ばしたが、牧野からは100分の1秒余り遅れた。それでも、このあたりからは富士らしく、各ドライバーたちのタイム差が100分の1秒台、1000分の1秒台と接近していくこととなった。
そんな中、セッションの残り時間が30分を切ったところで、ニュータイヤを投入して、真っ先に1分21秒台に飛び込んできたのは、平川。平川はここで1分21秒884までタイムを伸ばして一歩リード。これに続いて、ルーキーの笹原右京(TEAM MUGEN)が1分22秒198、同じくルーキーの佐藤蓮(TEAM GOH)がニュータイヤで1分22秒153までタイムアップしてくるが、ここでは平川のタイムには届かなかった。またスーパーフォーミュラで富士を走るのがほぼ2年ぶりとなるフェネストラズも、残り時間13分というところで1分22秒051までタイムアップ。その時点での2番手に浮上してきた。
しかし、セッションの残り時間が10分を切ると、多くのドライバーたちがニュータイヤを投入して予選シミュレーションを敢行。自己ベストを更新してくる。その中で、セッションの残り時間1分となったところで平川のタイムを100分の7秒ほど書き換えてきたのが、関口。関口はここで1分21秒815を叩き出す。これでcarenex TEAM IMPULが1-2体制となり、セッションはそのまま終了するかと思われた。ところが、チェッカーと同時に、この間に割り込んできたのが、このセッション2セット目のニュータイヤを投入した佐藤。佐藤は関口と1000分の1秒台まで同じ、1分21秒815をマークする。しかし、タイミング的に関口の方が先にタイムを刻んだため、佐藤は2番手となった。それでも、今回が富士でのSF初走行という佐藤にとっては上々の滑り出しとなった。関口、佐藤、平川に続いたのは、最後のアタックで21秒台に入ってきた牧野、晴南。これにフェネストラズ、坪井、笹原、野尻智紀(TEAM MUGEN)、ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELN TEAM TOM’S)と続いている。
総合3番手 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
3時間余りのインターバルを経て、2回目のセッションが始まったのは、午後2時45分。初日が悪天候になると予想されていたため、このセッションは当初の予定より15分早く始まり、15分遅く終わることが一昨日の段階で決定している。結果、2時間半と今回最も長いセッションとなったが、その中で各チームは足回りのセットアップメニューなどを消化。時間帯として本番のレースと近くなるため、中にはロングランを行うチームもあった。
この最終セッションを前に、富士スピードウェイの空には雲が広がったが、開始時点で気温は10℃、路面温度は15℃まで上昇。午前中のセッション、またインターバルに行われたスーパーフォーミュラ・ライツのセッションによって、路面コンディションも良くなったのか、序盤から多くのドライバーが1分21秒台に突入してくる。午前中も好タイムをマークしていた牧野、笹原、フェネストラズに加え、宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)もこのセッションではいきなり上位に顔を出してきた。また開始40分を過ぎたあたりからは、平川が1分21秒487、宮田が1分21秒485、山下が1分21秒441、そしてアレジが1分21秒418と、次々にトップタイムが書き換えられていった。
総合4番手 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)
その後、開始から約1時間というところで、セッションは赤旗によって中断される。これは佐藤がホイールナットの脱落から3コーナーでストップしたため。このマシンの回収が終わると、セッションは午後3時57分に再開された。再開されると、各チーム&ドライバーは再びテストメニューに取り掛かったが、その中でトップタイムを書き換えたのが、フェネストラズ。フェネストラズは1分21秒335と、宮田のタイムを100分の8秒ほど上回ってくる。
このトップタイム更新からしばらくすると、午後4時16分には2度目の赤旗が提示される。これは、小林可夢偉(KCMG)がGRスープラコーナーでスピン、ストップしたため。このマシンの回収が終わると、セッションは午後4時25分に再開された。その約10分後に自己ベストを更新したのは、宮田。宮田は計測37周目に1分21秒418、38周目に1分21秒342と2周続けて猛プッシュ。しかし、フェネストラズのタイムにはわずか1000分の7秒及ばなかった。
総合2番手 坪井 翔(P.MU/CERUMO・INGING)
セッションの残り時間が30分を切ると、ニュータイヤを投入するドライバーも現れ始め、その中で松下や佐藤が自己ベストを更新。さらに、残り時間が15分となったところでは、坪井がトップタイムを書き換える。坪井はここで1分21秒147を叩き出し、非公式ながら昨年の開幕戦のQ3で野尻が記録したPPタイムを上回ってきた。さらに、残り時間が10分を切ったあたりからは、ほとんどのドライバーがニュータイヤを投入。コース上には、あちらこちらにトラフィックが発生する状況となった。その中で、最後の最後にトップタイムを書き換えてきたのがフェネストラズ。フェネストラズは唯一の1分20秒台となる、1分20秒953を叩き出し、テストを締めくくった。これに続いたのが坪井、宮田、関口のトヨタエンジン勢。以下、昨年の開幕戦を制している野尻、アレジ、大津、山下、平川、松下となっている。
シーズン前の2回のテストも終了し、約2週間後の4月9日(土)〜10日(日)、ここ富士スピードウェイでいよいよ開幕戦&第2戦が開催される。注目されるシーズンの開幕を迎える21名のドライバーたち、それぞれの奮闘に期待だ。