Headline News
「SUPER FORMULA NEXT50」 第1回CN開発テストを実施
2022年4月7日
株式会社日本レースプロモーション(以下JRP)は、4月9日(土)・10日(日)に富士スピードウェイで開催される全日本スーパーフォーミュラ選手権(以下SUPER FORMULA)の開幕戦に先立ち、4月6日(水)・7日(木)の2日間、第1回目の開発テストを行いました。
3月5日(土)に発表した通り、JRPは『SUPER FORMULA NEXT50〈ゴー〉(以下SF NEXT50)』を通じ、今後のSUPER FORMULAの舞台を「モビリティとエンターテインメントの技術開発の実験場」と位置づけ、特にモビリティについては、以下の3つのテーマで技術開発を進めてまいります。
①カーボンニュートラルの実現に向けた「素材」「タイヤ」「燃料」の実験
②ドライバーの力が最大限引き出せるエアロダイナミクスの改善
③エンターテインメントの魅力向上に繋がる車両開発
開発テストの評価を行う石浦宏明、塚越広大の両ドライバー、ならびにSF NEXT50テクニカルアドバイザーである永井洋治を中心に、HRC(ホンダレーシング)、TOYOTA GAZOO Racing、横浜ゴムが一丸となり、2日間で全4セッション、計7時間の走行を実施いたしました。
2日間のテストは、当初の想定以上に順調に進む一方、一層明確になった課題点もあり、次のテストにつなげるデータ収集が有意義に行われました。実際にはじめてカーボンニュートラルフューエルを使用した走行では、ドライバビリティの変化、燃費の変化、出力の変化などを細かくチェック。開発タイヤでは構造とコンパウンドが違う開発タイヤが8種類も持ち込まれ、それぞれデータ収集を行いました。それらの中からベストと思われる組み合わせが今後のテストで投入される予定となっています。
JRPでは「SF NEXT50」プロジェクトを通して、市販車も含めたカーボンニュートラルの実現に向けた開発テストを、今後も大会ごとに実施してまいります。
開発ドライバー 石浦宏明のコメント
これまでフォーミュラカーを使った開発テスト、タイヤテストをやる機会はあまりありませんでしたが、初めてダウンフォース量を変えたり、カーボンニュートラルフューエルを使ったりと、色々と試す機会を頂きました。個人的にも非常に興味がある分野でもあり、“乗り味”がどう変わるのかを色々想像してきましたが、乗ってみたらそこまで違和感なく最初から乗ることができました。塚越選手との追走などもしながら、最初のテストから順調にデータ収集ができており、良い面もあれば、課題も多く見つかったので、今後に向けて良い材料集めができたのではと思っています。
今回のこのテストを通じて、フォーミュラだけではなく、自動車業界全体に貢献することがありそうなので、夢のある、壮大なテストになっていると感じています。
開発ドライバー 塚越広大のコメント
最初のテストで、順調にメニューをこなせるのか、今使用しているSF19から性能が落ちるのではないかと不安でしたが、その心配をよそに、とてもポジティブに、楽しくテストすることができましたし、様々な課題も抽出できたので、非常に良いスタートだったと思います。次回以降、目標よりもさらに上に行けるのではないかという期待が持てるテストになりました。
開発タイヤについては、従来のコントロールタイヤに引けを取らないパフォーマンスで走ることができ、想像以上の出来だったと思いますし、カーボンニュートラルフューエルも従来のガソリンに比べて乗りにくさやパワーが劣るところはありますが、しっかりレーシングスピードで走ることができ、最高速も遜色ありませんでした。
これまでクルマを速くする開発は多くやってきましたが、このようにカーボンニュートラルの実現に繋げる開発は初めてです。現役のドライバーはもちろん、将来この世界を目指す子どもたちに向けて、自分が培ってきた経験を、未来に役立てていくことを使命だと思って取り組んでいます。
テクニカルアドバイザー 永井洋治のコメント
「SF NEXT50」の大きな目標である、カーボンニュートラルの実現とドライバーズファースト実現へ向けた第1回開発テストが関係者の努力でスタート出来た事にまずは感謝申し上げたいです。
ドライバーズファーストに向けた空力見直しテストは、空力レベルを数段階に分けて調整した追従テストも行い、最適解へのヒントも出てきたので、コース特性の違う次回の鈴鹿テストでも実施して空力コンセプトを決めていきたいと考えています。またカーボンニュートラルタイヤに関しては、構造、コンパウンドで数種類のスクリーニングテストを実施して非常に良い感触を得られました。カーボンニュートラルフューエルの最初のテスト品で実走行が出来たことで、課題の洗い出しも出来ました。総じて第1回目のテストは収穫の多いテストとなりました。次回の鈴鹿では、ボディの一部にバイオコンポジット素材も加えるなど、様々なテストを継続していきます。