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野尻智紀 3戦連続ポール獲得! 2022年第4戦予選
2022年5月21日
朝は曇り空だった大分県オートポリス。しかし、昼過ぎからは次第に青空が広がり、爽やかな初夏の陽気に恵まれている。そんな中、午後2時50分からは、全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦のノックアウト予選が行われた。2グループに分けて行われたQ1、さらにQ1を突破した12台によって行われたQ2を経て、今回もPPを獲得したのは、野尻智紀(TEAM MUGEN)。野尻は第2戦から3戦連続でのPP獲得となった。2番手にはQ1とQ2でアタックの方法を変えた宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)。3番手にはQ1で抜群の走りを見せながらQ2でマシンバランスが変わってしまった牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)と続いている。
予選P.P 野尻智紀(TEAM MUGEN)
朝のフリー走行終了から3時間半余りのインターバルを経て、10分間で争われるAグループのノックアウト予選Q1が始まったのは、午後2時50分。昼過ぎからは青空が顔を覗かせ、セッション開始時には気温が21℃、路面温度が33℃まで上昇した。
今回Aグループに振り分けられたのは、サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)、牧野、福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE)、大嶋和也(docomo business ROOKIE)、笹原右京(TEAM MUGEN)、国本雄資(KCMG)、平川亮(carenex TEAM IMPUL)、ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELN TEAM TOM’S)、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)、三宅淳詞(TEAM GOH)、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)。セッションが始まると、まずはユーズドタイヤを装着して、平川、牧野、笹原、山本、坪井、三宅、フェネストラズ、国本、福住の順ですぐにコースイン。一方、大嶋はピットに留まった。コースに出たドライバーたちの中では、アウトラップを終えて、平川、牧野、坪井、山本、アレジがピットイン。これに対して、笹原、フェネストラズ、国本、福住、三宅はもう1周走ってからピットに戻っている。
そして、セッション開始から4分半というところで、ニュータイヤを着けて真っ先にコースに入ったのは牧野。これに山本が続く。さらに、残り時間が5分を切ったところで、平川、アレジ、三宅、国本がコースイン。残り時間が4分半となったところで、笹原、福住、フェネストラズもコースに向かった。この段階でも、ピットにいたのは大嶋と坪井。この2人は、アウトラップを終えてすぐにアタックに向かうプランだった。そこで残り時間が3分を切ったところでようやくコースに入っていった。
一方、先にコースに出ていたドライバーの中では、牧野が真っ先にアタックを開始。牧野は早めにコースに入っていたが、やはりアウトラップを終えるとアタックを開始。各セクターで最速タイムをマークすると、1分24秒418というタイムをいきなり叩き出す。結局最後までこのタイムを破るドライバーはおらず、牧野はトップでQ1を通過。牧野に続いてアタックしていたドライバーの中では、笹原が1分24秒691、フェネストラズが1分24秒886と、24秒台のタイムをマークして、2番手、3番手でQ1を通過した。これに続いたのは、1分25秒159をマークした平川、1分25秒195をマークした三宅、そして1分25秒260をマークした国本。アウトラップからアタックに向かうプランだった坪井は、タイミング的にトラフィックの中に入ってしまう形となり、不本意な7番手。フリー走行では2番手タイムをマークしていたものの、Q2に駒を進めることができなかった。以下、大嶋、アレジ、福住、山本までがここで敗退となっている。
予選3位 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
5分間のインターバルを経て、BグループのQ1が始まったのは、午後3時05分。この頃になると、さらに青空の面積が広がり、気温、路面温度も上昇。Aグループの時とはまたコンディションが変わってくる。そんな中、今回、Bグループに振り分けられた野尻、山下健太(KONDO RACING)、大津弘樹(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、小林可夢偉(KCMG)、関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)、宮田、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)、松下信治(B-Max Racing Team)、佐藤蓮(TEAM GOH)、大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)がセッションに臨んだ。
セッションが始まると、ユーズドタイヤを装着した関口、大津、野尻、朝のクラッシュからマシンの修復を終えた大湯、阪口、佐藤、山下、可夢偉、宮田の順ですぐにコースに入っていく。松下はしばらくピットに待機していたが、開始から2分というところで、フロントにだけニュータイヤを装着してコースに入り、スクラブを行なった。コースに出たドライバーの中で、アウトラップを終えてすぐピットに戻ったのは、大津、阪口、宮田。もう1周走行を続けたのは、関口、野尻、大湯、佐藤、山下、可夢偉。松下もスクラブを終えるとピットに戻った。
その後、セッションの残り時間が5分30秒となったところで、ニュータイヤを装着し、真っ先にコースに入ったのは大津。これに続いて大湯、可夢偉がコースに入る。さらに、野尻、関口、阪口、宮田がコースイン。残り時間が4分30秒となったところで佐藤もコースに向かった。これに対して、アウトラップからすぐアタックに入るプランだった松下は残り3分となったところで、山下は残り時間が2分20秒となったところでコースインしていった。
この中で最初にアタックに入ったのは、大津。大津はチームメイトの牧野と同様、早めのコースインだったが、アウトラップを終えてすぐアタックに入るプランだった。しかし、セクター3では限界を超えるほどのプッシュをして、マシンが暴れる場面も。最終コーナー立ち上がりでは、右側のタイヤを縁石外側のダートに落とし、タイムロスしてしまう。1周のアタックを終えて大津のタイムは1分25秒106と24秒台突入はならなかった。これに続いてアタックしていた可夢偉も、アタック中にトラフィックに引っかかり、1分25秒404とタイムを伸ばせず。大津のタイムには及ばない。ここで、可夢偉に続いてアタックしていた野尻が、一気にタイムを伸ばしてくる。野尻はここで1分24秒724を叩き出し、トップに浮上。その後、このタイムを破るドライバーがいなかったため、野尻はQ1をトップで通過している。これに続いたのは、開幕から不調に陥っていた阪口。フリー走行から予選に向けて施したセットアップ変更が功を奏した阪口は、1分25秒038をマーク。Q1を2番手で通過した。さらに、アウトラップからすぐアタックに入った山下、大津が3番手、4番手。アウトラップの後、1周ウォームアップを行なってからアタックに入った宮田、佐藤までがQ1を通過。一方、可夢偉、関口、最初のアタックラップに入ったところでブレーキロックし、仕切り直さなければならなかった大湯、朝のフリー走行から苦しんでいた松下は、ここで敗退となった。
予選2位 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
10分間のインターバルを経て、7分間で争われるQ2が始まったのは、午後3時25分。この頃になると、太陽が完全に顔を出し、陽射しが燦々と降り注ぐ。周囲の山々の新緑が輝く中、いよいよPP決定の時が迫ってきた。
セッションが始まると、まず牧野、大津、山下がユーズドタイヤでコースイン。開始から1分というところでは、宮田もコースに入る。この4人は、アウトラップを終えると一旦ピットインしてタイヤ交換。その他のドライバーは、最初からニュータイヤを装着し、アタックに向かう準備を整えていた。
その中から、セッションの残り時間が5分となったところで、真っ先にコースに入ったのは阪口。これに平川、野尻、佐藤、三宅、国本、笹原、フェネストラズと続いた。その後、セッションの残り時間が3分というところで、宮田がコースイン。それに続いて牧野と大津もコースに入った。そして、残り時間が2分15秒となったところで、山下が最後にコースに入っている。宮田はQ1とは違い、アウトラップからすぐにアタックに入るプランに変更。牧野、大津、山下もQ1と同様、アウトラップからすぐにアタックに入るプランだったため、他のドライバーよりコースに向かうタイミングを遅らせた。
そして、各ドライバーがタイヤを温め、アタックに入ったのは、セッションの残り時間が1分半となったあたりから。ここでまず最初にアタックラップに入った宮田が、1分24秒798と、Q1の自己ベストタイムをコンマ4秒余り上回ってくる。これに続いたのは、牧野。牧野はQ1とQ2で大きくバランスが変わってオーバーステアとなり、最終区間の上り坂の立体交差下ではハーフスピンする場面もあったが、1分24秒803と24秒台に飛び込んできた。しかし、最後にこの2人を上回ってきたのは、野尻。野尻はアウトラップ、ウォームアップラップ、アタックというプランで走行したが、ここで1分24秒529を叩き出し、3戦連続のPPを決定づけた。2番手には宮田、3番手には牧野。4番手争いは超接近戦となったが、1分24秒901の笹原が4番手、1分24秒964の三宅が5番手、1分24秒966のフェネストラズが6番手、1分24秒987の山下が7番手。以下、平川、国本、大津、阪口、佐藤という結果になった。
明日は晴れの予報が出されているオートポリス。気温も今日以上に上るものと予想されており、タイヤには非常に厳しいコンディションとなりそうだ。今年、スペック変更されたリヤタイヤでは、まだ誰もオートポリスでロングランを行なっていないが、明日朝のフリー走行で最適なレースセットアップを見つけ出し、勝利の美酒を味わうのは誰なのか。オーバーテイクが容易ではないと言われているオートポリスではあるが、タイヤの状況次第では順位の入れ替わるシーンも演出されるはず。スタート直後の位置どりや攻防、各ドライバーが計200秒使えるオーバーテイクシステムでの攻防など、見どころの多いレースになることだろう。