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サタデーミーティング、今年も開催
2017年4月22日
第1戦鈴鹿大会のサタデーミーティングには、SF14の足下を支えるタイヤメーカー、ヨコハマ・モータースポーツ・インターナショナル開発本部長の秋山一郎氏が登場。今季に装着するタイヤについてコメントした。
・今季装着するタイヤについて
スリックタイヤは、コンパウンドはそのままに前後とも構造変更を実施している。レインタイヤも前後の構造変更を行い、コンパウドは昨季のSUGO戦から投入したものに一本化を図った。昨年、低温時の発動制に課題があったミディアムコンパウンドに変わり、昨季ソフトコンパウンドと呼ばれていたタイヤに統一した。
・スリックタイヤ開発の狙い
スリップアングル(操舵角)がついたときのコーナリングフォースの打ち込みをなくし、フロントのグリップ、リニアリティ向上を狙った。特に昨季はリアタイヤの課題として、限界付近でいきなりグリップが途切れるという唐突さがあるという指摘を受けており、それを解消。ベンチテストの結果、狙い通りのタイヤになったと考える。
・ウェットタイヤ開発の狙い
グリップレベルの向上。構造面では接地性の向上、フロントはリニアリティ、いわゆるアンダーをなくすこと、また、リアはトラクションの向上をイメージした。ソフトコンパウンドの採用により、構造の感度も上がり、ウェットグリップが向上。
・新しいスリックタイヤの評価
クルマや路面の状態によるため、一概には言えないが、チームからは先述の「唐突さ」は解消されて、概ねコントロールしやすくなったという声を聞く。高荷重域でのパフォーマンスが向上したと考えられる。
・フリー走行でコースレコード更新タイムが出たのは想定内か?
コースレコードは破りたいという気持ちがある。テストで、すでに1分35秒台(アンドレ・ロッテラーが1分35秒163をマーク)が出ているし、フリー走行で出るだろうという感触は持っていた。公式タイムとして更新することを願っている。
開幕戦では、恒例のサタデー・ミーティングにスペシャルゲストが登場した。シリーズにシャシーを供給している伊・ダラーラ社のCEO、アンドレア・ポントレモッリ氏が初来日・初来場したのだ。
この席上、記者とも初体面を果たしたポントレモッリ氏は、「スーパーフォーミュラは、世界的に見ても非常にレベルが高い選手権だし、その選手権に我々がシャシーを提供できていることを誇りに思っている。ライブでスーパーフォーミュラのレースを見るのは、今回が初めてだし、とても楽しみにしているよ」とコメント。
その後、将来のシャシーに関する質問がなされると、「それに関しては、今まさにJRPと話を進めている所だ。我々の会社には、3つの大きな要素があって、1つはカーボンの製作とクルマのデザイン。これに関しては、シャシー自体を作っているということもあるが、GTカーに関するアドバイザー業務のようなこともしていて、フェラーリやアウディ、ランボルギーニなどとも仕事をしている。2つ目は空力部門で、自社の風洞設備を使っているほか、スーパーコンピュータを導入し、CFDでの開発も行っている。3つ目はシミュレーター。このシミュレーターは独自の物で、クルマのデザインを開始する前に、実際にドライバーにシミュレーターでの走行からリクエストを聞くというものだ。現在スーパーフォーミュラで使用されているSF14に関しても、トヨタから1人、ホンダから1人、両メーカーのドライバーにイタリアまで来てもらい、その意見を聞いてからクルマのデザインに取りかかったんだが、次のシャシーに関しても、JRPの要望を聞きながら同じプロセスで作って行くことになると思う」と答えていた。