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2018年 全日本スーパーフォーミュラ選手権 第5戦もてぎ大会 専有走行レポート
2018年8月17日
7月初頭に行われた第4戦から約1ヶ月半。全日本スーパーフォーミュラ選手権は、栃木県ツインリンクもてぎに舞台を移して、8月18日(土)~19日(日)に予選・決勝が行われる。その公式日程に先立つ17日(金)。爽やかな好天に恵まれたツインリンクもてぎでは、午後3時から1時間の専有走行が行われた。途中、赤旗によって13分ほどの中断はあったが、各チーム、ドライバーは精力的に走行。最後は唯一ソフトタイヤを装着したNo.8 大嶋和也(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)が1分33秒772というトップタイムをマークした。ミディアムタイヤでこれに続いたのは、1分34秒075をマークしたNo.4 山下健太(KONDO RACING)。以下、No.65 伊沢拓也(TCS NAKAJIMA RACING)、No.1 石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)、久々のシリーズ復帰となるNo.15 福住仁嶺(TEAM MUGEN)、No.20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)と続いている。
移動性高気圧の影響で、夏の好天というよりは、“秋晴れ”といった方がふさわしいような天候となった17日(金)のもてぎ。気温31℃、路面温度42℃ながら、心地よい風が吹くコンディションの下、午後3時から1時間の専有走行が行われた。セッションが始まるとすぐに、大嶋、平川、No.7 トム・ディルマン(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)、No.17 塚越広大(REAL RACING)、No.50 千代勝正(B-Max Racing team)、No.16 山本尚貴(TEAM MUGEN)、No.6 松下信治(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.64 ナレイン・カーティケヤン(TCS NAKAJIMA RACING)、福住、No.3 ニック・キャシディ(KONDO RACING)らがコースイン。このうち、半分ほどのドライバーはアウトラップでクルマの状態を確認すると、ピットに戻った。一方、序盤から大嶋やディルマン、今回スポット参戦となるNo.36 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(VANTELIN TEAM TOM’S)、No.37 ジェームス・ロシター(VANTELIN TEAM TOM’S)、平川、キャシディらは本格的に周回。セッション開始から約15分というところで、昨年P.Pを獲得している山下が1分34秒972をマーク。現在ランキング2位のキャシディが、それを上回る1分34秒654をマークするなど、KONDO RACINGが好調ぶりを見せる。また、前回の富士で復調を印象付けた石浦も1分34秒993、平川も1分34秒707とタイムを刻んできた。それから間もなく、セッション開始から約23分というところで、セッションは赤旗によって中断される。これは、大嶋がS字でコースアウトし、グラベルストップしたため。この大嶋のマシン回収が終わり、セッションが再開されたのは、午後3時35分。再開後は、各ドライバーが次々にタイムアップ。石浦が1分34秒182でトップタイムを書き換えただけでなく、山下、平川、国本、福住らが次々に自己ベストタイムを更新し、上位に名前を連ねる。さらに、セッションの残り時間が10分となったところで、塚越やキャシディも自己ベストを書き換えてきた。さらに、山下が1分34秒075と、石浦を上回ってトップに立った。セッションの残り時間が2分となったところでは、伊沢が山下に次ぐ1分34秒132をマークしている。しかし、最後にトップタイムをマークしたのは、大嶋。コースアウトした後、マシンのクリーンアップを終えた大嶋は、セットアップの状態を確認するためにここでソフトタイヤを投入。チェッカー目前に1分33秒772を叩き出し、初日のトップを奪った。
専有走行トップタイム
No.8 大嶋和也(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)
「あのまま走れずに終わってしまうよりは良かったです」
「早い段階で、コースアウトしてしまって、最後ギリギリでアタックできるかどうかという状況でした。そこでミディアムで出て行って、クルマの状況を見られないまま終わっても仕方がないので、ソフトで行こうかなと。ソフトだったら、時間がなくても一発で行けますから。コースアウトした時は、S字でちょっとオーバーステアが出て、止められなくてコースアウトしたんですが、思いのほか回収には時間がかかってしまって(苦笑)。クルマには、走り始めからちょっとオーバーステアで、違和感は感じていました。そこから少しずつ直して行こうかなと思っていたんですけど、ちょっと攻め過ぎてしまいました。コースアウトした後は、クルマを掃除する時間しかなかったので、セットアップは変えず、タイヤだけ換えて行きましたね。ソフトでも、オーバーステアは直っていなかったので、明日に向けては少し変更しないと。今日のコンディションとタイヤで、自分の中で攻め切れずにロスしているなっていうのが多分コンマ6~7秒あると思うので、当然それぐらいは出さないとダメでしょうね。でも、あのまま走れずに終わってしまうよりは良かったです。タイヤはちょっと使ってしまいましたけど。明日もう少しクルマを良くして、頑張ります。」
第2位
No.4 山下健太(KONDO RACING)
「久しぶりに調子が良いので、このチャンスを逃したくない」
「タイム的には悪くないんですが、まだ直したいところは結構いっぱいありますね。そこが直ればもっといいタイムが出ると思うんです。なので、そこを改善できるよう明日の朝の走行で準備をしていきたいですね。久しぶりに調子が良いので、このチャンスを逃したくないです。ピットインのたびに作業を加え、少しずつ良くなっていってますが、あともうちょっとかな。それが大きな差になるのでしっかり用意したいです。今年もう残り3戦しかないのに、まだ1ポイントしか獲れてないじゃないですか。なので、そろそろそれなりに行かないとまずいし…。いいところを見せないといけないですね。とにかくまずは変なミスをしないことだと思っています。今年、一度もQ3に行けてないんです。それをまずクリアしないと。なので今回ちゃんとQ3まで行って、実力を出せるようにしたいですね。」
第3位
No.65 伊沢拓也(TCS NAKAJIMA RACING)
「もうちょっと伸び代はあると思う」
「SUGOと富士は、正直いい流れではなかったですよ。今日も最後にポン、といいタイムが出たのはなんでだろう? って感じなんです(苦笑)。このサーキットは、ちょっとしたタイム差で順位的に大きく変わるので、今うまくいったとしても、明日もそれをしっかりとキープするのが難しいんですよね。もうちょっと伸び代はあると思うので、それを引き出していきたいと思います。
もう残り3戦ですが、うまく全体的にいいところを見せられたらいいと思っているので、あまり気負うことなくできる範囲でベストを尽くしていきたいですね。装着したタイヤは持ち越し分だけです。風が強くて、コーナーによって状況が違ってました。ブレーキが全然止まらなかったコーナーが結構ありましたね。その辺はつねに気をつけながら周回していました。今日やった内容が比較的良かったので大きく(セットを)変える必要もないし、その確認作業を明日もやれればいいかなと思います。」
5位
No.15 福住仁嶺(TEAM MUGEN)
「今日のクルマは僕のドライビングスタイルに合っていたと思います」
「鈴鹿以来、久々というか約4ヶ月ぶりのスーパーフォーミュラだったので、すごく不安だったんですけど、開幕戦の鈴鹿がいい週末だったので、その分今日は最初から自信を持って攻められたと思います。クルマのバランス的にも、最初からそんなにハズしていませんでした。去年のピエール(・ガスリー)だったり山下くんのオンボードを見て、色々イメージしていたんですけど、そのイメージ通りではなくて、今日のクルマは僕のドライビングスタイルに合っていたと思います。今日は、ほとんど自分がクルマに慣れることに集中して、セットアップどうのこうのというのは、余り考えてなかったです。そういう感じで行って、割と最初の方から上位にいれば、何かやろうということになっていて、実際に走りはじめたら調子が悪くなかったので、ちょっとだけテストして。今日はそういう感じで終わりました。ベストタイムが出た時は、単純に詰められるところを詰めて行って、あのタイムが出たっていう感じです。前回の富士で予選が雨だった分、タイヤが残ったりしていると思うので、明日の朝、予選前にもし可能ならニュータイヤを履いて確認できればいいなと思います。状況によっては使わない方がいいかも知れないので、その辺はチームと相談して、決めて行きたいと思っています。」
第14位
No.36 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(VANTELIN TEAM TOM’S)
「トムスのような素晴らしいチームが僕を信用して起用してくれて、とても誇らしく思っている」
「この週末、僕はまず楽しもうと思っている。僕のような日産系のドライバーにとって、この選手権でサポートを得るのは難しいから、戻ってくるのは難しいだろうけど、今回トムスのような素晴らしいチームが、僕を信用して起用してくれて、とても誇らしく思っているよ。F3の時、トムスで走ってから長い時間が経っているけど、僕のことをよく分かってくれている人がいてくれたし、他にも多くのいいドライバーがいる中で、僕の経験を選んでくれたなんて、とても名誉なことだと思う。だから、チームの助けになりたいし、ポイントを獲れれば、素晴らしいよね。
スーパーフォーミュラはF1と並んで、最も速いクルマだし、すごく技術が必要だし、クルマの限界を理解する必要がある。特にブレーキングとトラクションに関してね。ドライビング面で、ほんの少ししかマージンがないクルマなんだ。それに、選手権のレベルがものすごく高い。だから、戻ってきていきなりトップに行けるっていうものではないし、最初は慎重に行った。走り始めのクルマはOKという感じだったし、そこから明日に向けて少しだけセットアップを進めて行った。それから、一歩一歩だけど、できるだけ早く、できるだけたくさんドライビングを進歩させようと思って今日は走ったよ。1年半も離れていたら、それだけでドライバーは簡単にコンマ2~3秒失ってしまうからね。また、タイヤやクルマのバランスに関しても、できるだけ理解を深めようと思って走っていた。以前はトムスやインパルがもっと常にトップにいるっていう感じだったけど、今日走った感じでは、もっと混沌としているし、多くのドライバーにチャンスがある。だから、何とかいい結果を出したいよね。」