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第6戦 ヨコハマタイヤ総評
2018年9月12日
急激な天候の変化に影響を受けることとなった岡山戦。今回は、予選Q3でのオーバーテイクシステム初使用により、1994年F1 パシフィックGPでアイルトン・セナがマークしたコースレコード(1分10秒218)の記録に迫るタイム実現も、文字通り水に流れてしまった。また、終日強い雨に見舞われた決勝日は、ヘビーウエットのコースコンディションとなり、レースもセーフティカースタートに。途中、赤旗中断やセーフティカーでの再スタートなど、多くの波乱に見舞われた。だが、そんな中でも白熱のトップ争いが繰り広げられ、改めてスーパーフォーミュラレースの凄みを感じさせる一戦であったことは間違いない。ヨコハマタイヤの高口紀貴氏に総評を訊いた。
「レースは中身の濃い内容になった」
「まずは、雨でどうなるかと思っていたので、なんとかレースができて良かったです。一方、予選のタイムアタックではQ3でオーバーテイクシステム(OTS)を使いましたが、ウエットタイヤでのアタックになったのが残念でしたね。あのような状況だったので、もしかしたら使わない方が速いかも…という声も聞きました。やはりウエットなので(クルマの)パワーがありすぎる状態になるのかもしれませんね。
予選のタイムはそんなに悪くなかったと感じました。Q3では、オーバーテイクシステムを使った状況で1分24秒台が出てましたからね。もともとOTSを(1周で2回)使うと、ドライコンディションの場合はコンマ5秒ほど速くなるという話だったんです。最初それを聞いたときに、その程度であれば(OTSを使用しても)タイムはあまり変わらない(上がらない)のかなと思ってましたから。もっと助けてもらえる(タイムが上がる)と期待していたので。そもそも、今回は岡山(国際サーキット)のコースレコードを更新することを目標にしていたわけですから、なので、その話(OTS使用)を聞いたときには(コースレコードの更新は)無理だろうなと思ってたんです。そう考えていたので、今回、ウエットの中でOTSを2回使ってどこまで速くなるのかは、ちょっと微妙な感じでした。なので、結果(Q2とQ3におけるトップタイムの差は1.1秒)を見て思うのは、純粋にドライバーの力でタイムを上げてきたのではないかな、という印象です。
(予選中)タイヤの温め方がドライバーやチームによって違ったということですが、ウエットタイヤの温め方に特徴があるわけでもないし、さほど神経質になる必要もないと思っています。それよりもむしろ空気圧の選択がドライバーによって違っていたのは確かですね。
決勝でのタイムは良かったと思います。決勝日朝のフリー走行くらいのコンディションだったら、そのままレースを続けて欲しいなと思っていましたが、レースはそのときよりも明らかに良くないコンディションでスタートしているのに、トップは途中で1分29秒台に入れてきましたからね。朝(フリー走行2回目)のトップが1分30秒台でずっと走っていたんですが、そのときよりも悪いコンディションで、ウォータースクリーンもすごくひどかったのに、あのタイムを出すんですから…。超人ですよね。レース自体も確かにバトル中の接触などはありましたが、誰も大きなトラブルを起こさなかったし、追突もなかったし。1分30秒台で走行が可能となれば、もうレースは成立するので、”どうぞやってください”という思いでした。タイヤも持ちに関してはまったっく心配はしていませんでした。時間レースになって短くはなりましたが、その分、中身の濃い内容になったと感じました。
いよいよ、残るは鈴鹿の最終戦になりましたが、開幕戦と同じフォーマット(250km/1レース)での開催なので、コースレコード更新の可能性は十分にあるかと思います。ただ、例年4月のほうがタイムがいいので、どうなることか…、という感じですね」