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もてぎ戦と異なるレース展開に期待
2017年9月9日
土曜日、午前中のフリー走行後に行われた恒例のサタデーミーティングでは、前回のもてぎ大会と本大会に導入されている「2スペックタイヤ」制に対し、もてぎでの実績を踏まえた説明が行われた。
まず、冒頭で倉下明 株式会社日本レースプロモーション代表取締役社長が、終盤まで見どころの多い展開となったもてぎ大会について「好評だった」と振り返り、また、2スペックタイヤ導入実現を導いた白井裕 株式会社日本レースプロモーション技術顧問は、「去年から新たにヨコハマタイヤさんと組むにあたり、ミーティングを重ねてきたが、その中で2スペックタイヤの供給ができないかと話をしてきました」とした上で、「(ソフトタイヤの)テストの機会が少なく、まだまだ仕様を詰めていくことになっているが、温かく見守って頂きたい」とコメントした。
渡辺晋 横浜ゴム株式会社開発本部 プランニングジェネラルマネージャーは、テストよりもうまく機能したもてぎ大会では「ミディアムとソフトでうまく(タイム)差が出た」と語り、「決勝では52周のレースのど真ん中で(ミディアムタイヤ・ソフトタイヤの)タイムが交差する結果となった。お客さん的に盛り上がるレースになり、我々もうれしかった」と振り返る一方で、7月にテストを実施したオートポリスでの状況を説明。当初持ち込んだタイヤは「ほぼ全滅だった。ちょっと硬めを持ってきたがタイムの落ちが激しく、もたなかった。グリップせず、ただ滑っていた」と状況を説明。6周でタイムが2秒くらい落ちてしまったという。なお、今大会では「もてぎのような(レース距離の)半分以上を走行することはまず不可能」であるため、「前半もしくは後半、どちらのタイミングでソフトタイヤを装着するか」が見どころになるだろうと予測しつつ、「タイヤが持たない場合はピットインが2回になるかもしれない。その場合は給油とタイヤ交換のタイミングをずらすこともありえる」という見解を示した。なお、サーキットでは金曜からF3等の走行セッションが行われており、「路面上は(タイヤの)ゴムが溶けてきている」ことから、コンディション向上には期待ができるという話だった。
なお、今大会はQ1でミディアムタイヤ使用が義務付けられたが、倉下社長はその理由について、「路面コンディションの厳しいサーキットで導入される2セットのソフトタイヤを有効に使うことができるよう、また、戦略の幅を確保できるように」と、装着義務を決定したと説明。また今年2戦になったことを踏まえつつ、「JRPとしては今後2スペックタイヤの使用を定常化したいという思いや、3スペックという理想もあるが、まだ弊害もあるのでまず2スペックタイヤをキチンとやってからの話になる。将来、このレースをどうやっていくかを含め、ヨコハマタイヤさんとも話を続けていく必要がある」とした。