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2019第2戦 「テクラボ流レースのシナリオ」

2019年5月16日

■レース距離: 252.396km(オートポリス インターナショナルレーシングコース:1周4.674km×54周)
中断時間を含む最大総レース時間:90分のタイムキャップ制
■予選方式: ノックアウト予選方式 (Q1:20分間 20→12台 Q2:7分間 12→8台 Q3:7分間 各セッション間のインターバルは10分間)
■タイヤ:横浜ゴム製ワンメイク
ドライ2スペック(ミディアム,ソフト), ウェット1スペック
■タイヤ使用制限:
ドライ(スリック) 競技会期間中を通して6セット
そのうち新品はミディアム2セット+ソフト2セット
前戦までに使用した中からの”持ち越し”タイヤ3セット(ミディアム,ソフトは問わず)
金曜日の占有走行は持ち越しタイヤのみ使用、土・日曜日の競技会期間における走行はマーキングされた6セットを使用する。
予選について、Q1はミディアム装着が指定される。Q2、Q3は指定なし。
ウェット 競技会期間中を通して4セット
■予選における使用タイヤ:Q1においてはミディアムタイヤを使用する。Q2、Q3は指定なし。
■決勝中のタイヤ交換義務: あり
 決勝レース中に2種別(ミディアムとソフト)のドライタイヤを使用しなければならない。スタート時に装着していた1セット(4本)から、異なる種別の1セットに交換することが義務付けとなる。車両に同時に装着する4本は全て同一種別でなくてはならない。
 決勝レース中にウェットタイヤを使用した場合、タイヤ交換義務規定は適用されない。
 先頭車両が1周回を終了した時点からレース終了までに実施すること。タイヤ交換義務を完了せずにレース終了まで走行した車両は、失格。
 レース中に発生した赤旗中断時にタイヤ交換を行っても、このタイヤ交換義務を消化したものとは認められない。ただし、赤旗提示の時点でピットにてタイヤ交換作業を行っていた場合は、交換義務を完了したものと認められる。
 先頭車両がフィニッシュ(54周完了)するまでに赤旗中断、そのまま終了となった場合、タイヤ交換義務を実施していなかったドライバーには結果に40秒加算。

◇2019年SF19用タイヤの変更点
• フロントタイヤの全幅20mm拡大。接地面積がその分(約8%)だけ大きくなり、それは摩擦力(グリップ)の増加に直結する。同時にタイヤ荷重を支える基本である空気量も増えているので、タイヤの摩耗進行などにも影響が出る。逆に、空気量・骨格容量が増えることで、冷間状態から走り始めて表面と内部両方の温度、内圧を適正領域まで上昇させるのにはより多くの入力、時間が必要になると思われる(とくにミディアム)。
• 一方、リアタイヤは、前輪側の横力と、それが生み出す「向き変え」運動(ヨー)モーメントとつり合うだけの横力を発生する。フロントタイヤが生み出す横力が大きくなったのに加えて、ホイールベースが50mm短縮された分、重心点からリアタイやまでの「つりあい腕」が3%ほど短くなったので、SF14よりもリアタイやの「仕事」が、すなわち横滑りが増えることになる。つまりSF14と比べて、同じコーナリング・プロセスでもリアタイヤのグリップ限界に入りやすくなり、摩耗の進行も早くなる可能性がある。
• ソフトタイヤに関しては、トレッド・コンパウンドのゲージ(素材厚み)を少し増加している。その分だけ、全摩耗に至る走行距離が伸びる方向。「一撃」のグリップレベルは昨年同等。

◇2種別ドライタイヤの使い方 ・プログラムの進め方<週末が晴れ、ドライ路面だった場合>
• 前戦・鈴鹿では、セーフティカーランがレース距離の1/3ほどを占めたとはいえ、ソフトタイヤで200km以上を走り切ったドライバーが複数、とくに小林可夢偉に至ってはスタートから残り1周までソフトで走り、かつ速いラップを継続してみせた。しかしレースペースで走ったのは実質25周ほどであり、SF19におけるタイヤの摩耗・グリップ変化(とくにソフトタイヤ)については、鈴鹿では十分なデータが残らず、未知数と言わざるをえない。
• オートポリスに関しては、昨年の決勝レースが降雨・霧のため中止になっているので、そもそもソフトタイヤが長い距離を走る中でどう機能するか、グリップレベルの変化などの特性についての実績はない。
• 決勝レースでは、昨年までならミディアムがレース距離を走り切っても性能低下が少ないので、ミディアムでのロングランを基本に、ソフトをどこでどこまで使うか、という戦略の組み方をすることができたが、SF19ではリアタイヤの摩耗リミットがミディアムタイヤの走行可能距離を左右する可能性が出てきたこと。

■燃料最大流量(燃料リストリクター): 90kg/h(121.3L/h)
■オーバーテイク・システム: 最大燃料流量を10kg/h 増量(90kg/h→100kg/h)。
ステアリングホイール上のボタンを押して作動開始、もう一度押して作動停止。
レース全体を通して100秒間作動。一度作動させたらその後100秒間は作動しない。
100秒間使用で燃料消費量は277.8g、374.4cc増。
(日曜日朝のフリー走行で40秒間まで使用可)
オートポリスのコースレイアウトを考えると、最も標高が低い位置にあるT(ターン)11~12の立ち上がりから作動させて、登り勾配のコーナー立ち上がり加速を強め、最終コーナーからメインストレート半ばまで使うのが、タイム短縮効果が最も大きいと思われる。短めに使うのであれば、最終コーナー手前T16後半の左120R立ち上がりで作動開始、メインストレート終端でブレーキングに移る瞬間まで、というのも競り合いの中で速度の伸び効果を期待できそうだ。
一度作動させてしまうとその後100秒間作動不可、ということは、オートポリスはレースでのラップタイムが90秒強なので、一度使った後は1周と少し、例えばストレートエンドまで使った場合は次の周回のセクター1の終わりあたり、T2を下ってT3を回り込むところまでは使えない、という計算になる。
順位争いをしている車両の一方がピットインしたところで、コース上に残った車両がOTSによる出力向上効果を使ってタイムを削り取り、そこでピットに飛び込む、という「オーバーカット」を狙った使い方もしたいところで、その場合は登り勾配になるT6立ち上がりかT8から使い始めて最終コーナーへのアプローチまで、が「使いどころ」になるだろう。

■決勝中の給油作業義務: なし
■燃料タンク容量: フルタンク(いわゆる満タン)で約95L。
満載時のガソリン重量 約70kg
燃料リストリクター90kg/hにおける燃費を、SF19はSF14よりも走行抵抗が増えている(ダウンフォースを増したことによる空気抵抗が主だが、旋回時のタイヤ摩擦力が増えたことによる抵抗増、そこから加速する時の燃料消費も増える可能性がある)と見なされることから、レース中の平均燃費を2.45km/Lと仮定すると、レース距離の252.4kmを走るのに消費する燃料量は103L。これにピットからスターティング・グリッドに向かう1周、フォーメーションラップ、ゴール後の1周の3周の低速走行分(おおよそ2Lほどか)、そしてOTSをフルに使えば0.374Lを加えた約105Lが、レースを走り切るのに必要となる基本的な燃料量、と推測される。

■ピットレーン速度制限: 60km/h
■レース中ピットレーン走行+停止発進によるロスタイム: オートポリスは入路・出路を含めたピットロードが短いこともあり、約20~21秒(2015・17年の実績から概算した目安程度の値)。さらにアウトラップでタイヤが暖まり、レースペースに戻るまでのタイム増。これにピット作業のための静止時間を加えたものが、ピットストップによる「ロスタイム」になる。

■ピットストップ
• タイヤ4輪交換を燃料補給と同時に実施するのに要する時間は11~12秒程度。
• タイヤ4輪交換だけならば静止時間5~6秒程度。
• 燃料リストリクター設定90kg/h、レース中の平均燃費2.45km/Lと仮定したとき、250kmのレースを走りきるためには満タンでスタートしてもピットストップで10L程度の補給が必要となるはず。
• この2.45km/Lの想定で、オートポリス1周で消費する燃料は1.91L、1.4kgほどかと。
• 2種別のタイヤを履き替えるためのピットストップは必ず行わないといけないので、そこで燃料も補給する。燃料補給におけるガソリン流量が毎秒2.3L(1.71kg)程度かと思われるので、満タンに対する不足量10Lを注ぎ足すのであれば、燃料補給ノズルを差し込んでガソリンが流れている時間で4.4秒ほどになる。ノズルを差す・抜く、の動きに必要な時間1.5秒ほどを加えて、燃料補給に要する時間はおよそ6秒。それよりも長く燃料補給ノズルを差し込んでいる車両は、スタート時の搭載燃料を少し削っていたとみていい。
今戦でもほぼ満タンスタートが基本になりそうだ。
• 満タンでスタートした場合の”ピット・ウィンドウ”(燃料補給のピットストップが1回で済む周回数)は5周完了~49周までの間のどこか、と見込まれる。(極端な燃料消費節約走行をしない/セーフティカーランなどがない、という前提で)

オートポリスという“舞台”
年に一度の舞台であり、各チーム・ドライバーがSF19を持ち込んで走行するのも初めて。それでなくても国内の他のサーキットとは、レイアウトも路面もかなり違い、セッティングの応用が難しいコースである。スーパーフォーミュラの予選最速レベルの平均速度が約196km/hと、日本国内のパーマネントサーキットでSFが走るコースの中では、ミドルスピードのサーキットである。同時にこのコースの特徴は、山岳地の片斜面に造成され、アップダウンがきつい。その意味ではスポーツランドSUGOに近い雰囲気、と言えなくもない。
しかしオートポリスの場合、メインストレートがコースで最も標高が高く、そこから一気に駆け下りて行き、斜面の下の方に折れ曲がりセクション、そして登り勾配面に右左のコーナーが次々に現れる。そして最終コーナーが勾配の最後で回り込んだ先で一度切り返してメインストレートに戻る、という独特のレイアウト。ピットレーンもストレート屁の立ち上がりで左に分岐し、車両の左側面にピットボックス、作業エリアが並ぶ、SFが走るサーキットでは唯一の配置である。
路面も、他のコースとは表面や骨材(路面に敷き込む砕石)の状態が異なり、モーターサイクルのテストに多用されていることもあって、4輪レーシングタイヤとの相性や、舗装表面に「ラバーが乗る」プロセスの進み具合、そこで現れるグリップの変化に、独特のものがある。

◆オートポリス インターナショナルレーシングコースのセクター平均速度

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  • 株式会社ホンダレーシング
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  • 横浜ゴム株式会社
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