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「チームのみんなが本当に頑張ってくれて、この場に来ることができた」
2019年7月14日
決勝1位
No.64 アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)
「チームのみんなが本当に頑張ってくれて、この場に来ることができた」
「チームのみんなが本当に頑張ってくれて、この場に来ることができました。本当に今日はタフな一戦でした。レースではピットインしない戦略を採るドライバーが多くいて、僕はスタッフから”燃料をセーブするように”と何度も何度も言われました。それでもまた途中で”もっともっと(燃料を)セーブして。(後ろから)坪井選手が来ている”と言われていました。なんとか後ろを押さえなければいけない状況でしたが、後続の選手たちの差が詰まって接戦になったことによって、僕としては後ろを引き離すことができたのだと思います。
今日のレースで何度か行き過ぎて大回りに走ったりしたのですが、その中でも一番ヒヤッとしたのは周回遅れのクルマを抜くときでした。当然気をつけて走ってはいたのですが、彼らの背後につくと水煙で何も見えなくなるし、ダウンフォースも抜けてしまうので、とにかくなにもかもが大変な状況でした。(トップを走っていたので)他のドライバーに比べると楽な展開ではありましたが、ブレーキングポイントを少し早めにしたりするなどしていました。
参戦4戦目での初優勝になりましたが、正直なところ僕自身としては思ったよりも遅いタイミングでの勝利でした。開幕戦の鈴鹿で(チームメイトの)牧野(任祐)さんもそうですが、クルマはすごく良い状態だったのにピットでのトラブルがあって…。鈴鹿は僕らのレースだったのに勝利を逃しました。その後もルーキーミステイクみたいなこともありましたが、やっと今回すべてが揃って勝てました。この勢いをこのまま続けて勝っていきたいですね」
決勝2位
No.39 坪井 翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
「予選から決勝にかけてすごくいいレースができた」
「優勝できなかったのは悔しいですが、まずは表彰台に上がることができました。開幕から3戦目まではとっ散らかっていいレースができませんでした。今回は予選から決勝にかけてすごくいいレースができたので、そういう意味でも内容には満足しています。アレックス(パロウ)選手が言っていたように、今回はかなり燃費を意識しないといけなかったので、(パロウに)追いつける気配はなく、逆に最後はニック(キャシディ)選手がものすごく追いついてきたので、ちょっと厳しい状態でしたが、なんとか燃料をセーブしながら走り切ることができたので、3位に落ちずに良かったと思います。とりあえずいいレースができました。
燃料をセーブすることに関してはずっと意識していました。最初の2〜3周は頑張ろう(攻めよう)かなと思ったのですが、水しぶきで前が何も見えなかったので、もう抜けないなと思ってセーブしました。途中までは控えめにセーブしていたのですが、チームからは”もっともっと(セーブして)”と言われたので、『えっ!? もっと?』という感じでした。そこで結構セーブしていたのですが、後ろからニック選手が追いついて来たので、『もう限界』と言いました。最後は(チームから)”もうギリギリ足りる”と言われたので、50周目くらいから普通に走ることができました」
決勝3位
No.37 ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)
「クルマのパフォーマンスのことを考えたらそれ以上の結果だと思う」
「今回はとにかく難しい状況でした。でも僕たちはしっかりといいレースができたと思います。3位という結果にはとても満足しているし、クルマのパフォーマンスのことを考えたらそれ以上の結果だと思います。今日は前のクルマに追い付くだけの力はなかったので、クルマをしっかりと分析する必要があると思っています。
燃料セーブについてですが、ちょっと計算上の問題がありました。ただ、今回のレースに関して言えば、チームエンジニアそしてチームマネージャーとのコミュニケーションはこれまでの中で最高のものでした。ここまでうまく行ったのは初めてです。ほとんど毎周のように無線で話をしていたし、状況に合わせてレースを組み立てながら走っていました。ただ走りながらわかったのは、前の関口(雄飛)選手のペースが全然速かったということです。『彼はピットストップが必要なんじゃないか』と聞いたところ、”確認する”ということだったんです。そうこうする中で30周を迎える頃には、今日はフルディスタンスの55周のレースでなく時間レースになることがわかり、結果的に2周減算となり距離が短くなったので、マネージャーから”行ってもいいよ”と言われました。なのでその時点から100%の走りでプッシュすることにしたんです。それで2秒くらいずつ差を詰めていけました」
優勝チーム監督:TCS NAKAJIMA RACING
中嶋 悟監督
「4レース目でこういうプレゼント(優勝)をしてくれて本当にうれしい」
「(2010年開幕戦以来となる勝利で、通算43勝目となったが)久しぶりにこういう場(記者会見)に来ることができてうれしく思います。今年になってドライバーのふたりが速く、これまでとは異なる緊張感の中でレースができて、4レース目でこういうプレゼントをしてくれたというのは本当にうれしいし、もう一回くらいはいい(勝ちたい)なと思います。
(トップ走行中にコースをはみ出していたパロウ選手について)大事に至らずに良かったなと思っていました。ただペースが悪くなかったのでそのまま行けたら…という感じでした。うちのチームはタイムレースになったことをパロウには伝えていませんでした。伝えることで変になるといけないと思ったからです。なので最終ラップになってから『これで(レースは)終わりだよ』と伝えました。それでないとがんばって走り過ぎてしまうと危ないので…。
(チームとして今回9年ぶりの勝利になったが)今日はドライバー、そして我々にとって本当に計算どおりのレースができました。スーパーフォーミュラでの優勝というものが初めてだというスタッフが多いので、チェッカーを受けたときは若いエンジニアやメカニックらが喜ぶ顔を見ていました。それが一番うれしかったですね。彼らには、これまでピット作業など今までにない緊張感もあったでしょうが、それがまず報われたと思います。これからは”この喜びをもう一度”という感じで仕事に励んでくれれば、と思います」