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「一発逆転を狙うならトップと違うことをやらないといけないと考えた」
2019年9月29日
決勝1位
No.3 山下健太(KONDO RACING)
「一発逆転を狙うならトップと違うことをやらないといけないと考えた」
「これまで3年参戦してきて今年勝たないと、ずっと迷宮入りするような気がしていたので勝ててホッとしています。今年からクルマが新しくなって、僕らはQ1を通るのにすごく苦労していたのですが、チームがすごくがんばって色々解析もしてくれて、今回の大会で一段階クルマが良くなり、普通に走っていても上位争いができるクルマにしてもらえたので、あとは自分がうまく走るということ、また、今のスーパーフォーミュラでは戦略がすごく重要ということもあって、今回はスタート時のタイヤ選択をすごく迷いましたが、ミディアムを選択して正解だったし、運が良かったと思いました。
スタートでミディアムタイヤを装着することはもう早い時点から決めていました。この時点ではチャンピオンの可能性もなかったので、守りに入る立場でもなかったし、一発逆転を狙いに行くのであればトップと違うことをやらないといけないと考えていました。(ポールポジションの)平川選手はソフトタイヤでスタートするだろうと思ったので、それと同じソフトでスタートしてもその時点で抜かないと、ほぼ可能性(逆転、優勝する)は少ないと考えました。だとしたら、ミディアムしかないなと。すごく考えたのですが、ミディアムでうまく行けたらラッキーだし、そのラッキーを使えたレースでもありました。逆にソフトを選択していたら、(ポジションが)沈んでいたと思うので正解だったのかなと思います。セーフティカーが入ったときは”来たな”と。正直、”スーパーいいタイミング”で入ったので、”今日は持ってる(ツキがある)”と思いました。
レース中はソフトで長く走らなければならなかったので、無理はしないように走っていましたが、ペースを落とすという感じではなかったです。クルマを滑らせてしまうとそれがタイヤの劣化に繋がると思ったので、それだけは気をつけました。(後ろから中嶋選手が来ていたが)岡山のコースは抜きにくいことがわかっていたし、同じタイヤの場合、抜くポイントはヘアピンかバックストレートしかないので、もし自分が多少ミスしたとしてもたぶん着いて来れないような感じになってしまうと思ったので、仮に自分が遅くても抜かれるようなことはないのかなと思っていました。
チームには感謝しかないですね。スーパーフォーミュラでは初年度にポール(ポジション)を獲れたので、すぐに勝てるだろうなんて思っていました。でもそんなに甘くなく、どんどん時が経ってしまいました。でも本当にここで勝ててようやく次のステップに行けるような気がします」
決勝2位
No.36 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)
「ずっと苦労してきたので、ある程度の結果が出せてホッとしている」
「僕も”ヤマケン”(山下健太)と同じような感じで、なかなかQ1を通るのに苦労していました。今回は、金曜日の走り出しがあまり良くなかったんですが、金曜日から土曜日にかけて(セットを)変えたことがいい方向に行ったのか、ミディアム(タイヤ)でも戦える速さになって、予選で前に行くことができました。
ただ、結果的には予選のポジションがレースの結果に直結したような感じなので少し悔しくもありますが、ここまでずっと苦労してきたので、まずはある程度の結果が出せてホッとしています。でも、なんとなーくいつも”ヤマケン”が前にいつような気がしていました(苦笑)。
セーフティカーが明けてからは、少しこちらのほうが(前の山下より)ペースに余裕がありましたが、その先が長い(周回数がある)こともあって、そんなに無理はしないでいいやと思っていました。ただトップとの差が割とドンドンドン、と開いていったので、”このままではマズい、もうちょっと速く走ってくれないかな”とも思って、(山下との)差を詰めに行こうと思ったんです。が、結果的にそこでタイヤを使ってしまったのかなとも思います。なので、ペース的には厳しくなりました。ただ、トップもペースが落ちてきてその開きもなくなったのですが、最後まで気が抜けなくて、結構疲れるレースになりました。まぁ、最終戦では負けないようにがんばりたいと思います」
決勝3位
No.51 ハリソン・ニューウェイ(B-Max Racing team with motopark)
「表彰台に立てたのは、チームが懸命に仕事をしてくれたからこそ」
「まず最初に、今回一緒に表彰台に上がったケンタ(山下ケンタ)とカズキ(中嶋一貴)におめでとうと言わせてください。同じ表彰台に立てて僕も光栄です。今シーズン、とにかくレースでの運が良くなくて、ポイントを獲ることもできずに苦戦していました。
表彰台に立てたのは、問題を抱えつつもどんどん改善を目指して、チームスタッフが懸命に仕事をしてくれたからこそ。夜を徹して、また朝早くからずっとクルマを仕上げるために全力でがんばってくれたことに大変感謝しています。だからこそ、今日こうやって表彰台に立てるクルマを用意できたのだと思います。僕を受け入れてくれたチームやスポンサー、そして温かく迎え入れてくれた日本のファンにもお礼を言いたいと思います。
(レッドブルF1 チーフテクニカルオフィサーであり、父であるエイドリアン・ニューウェイが岡山に来ていたが)レース後に表彰台から父親の笑顔が見えたのですが、うれしそうにしてくれていましたね。あとからハグしてくれて”良くやった”と言ってもらいました」
優勝チーム監督:KONDO RACING
近藤真彦
「日本を代表するドライバーになってもらえるように努力していきたい」
「おかげ様で一勝を挙げることができました。(山下)健太を預かって3年目ですが、本当にいつでも勝てる速さはあるので、勝たせてあげたいと思っていました。ただなかなかいいクルマに仕上げられず、苦労させてしまいました。やっとトップに立って、優勝させてあげられてホッとしています。(優勝できて)”やったー!、うれしい!”というよりも、ホッとした気持ちのほうが大きいかなという感じです。彼とはずいぶんと歳も離れているので、若干親の気持ちみたいなものもありました。やっと一流のドライバーにしてあげられたかなと思います。
彼が速さのあるドライバーであるということはご承知かと思いますが、ますますもっと速さを磨いて、次のレースはもちろんですが、来年も一緒にレースができるなら、来年に向けてもどんどん速くなって、日本を代表するドライバーになってもらえるように努力していきたいと思います。
今のスーパーフォーミュラでは、Q1を突破するというのがどのチームでもテーマだと思うんです。今回はそこに照準を置いて準備をしてきました。そこを改善すれば、あとはソフトタイヤでの速さはあるので、まずQ1突破を果たさなければ、このレースはどうにもならないと考えていました。最終戦の鈴鹿も苦手ではないので、次もQ1を突破し、いい成績でゴールさせてあげたいと思います」