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「すごくうれしいのひと言。残り2大会3レースを全力で戦いたい」
2020年11月15日
決勝1位
No.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)
「すごくうれしいのひと言。残り2大会3レースを全力で戦いたい」
「すごくうれしい、そのひと言です。TEAM MUGENに移籍して今週初めてポールポジションを獲得できました。そこまでちょっと時間がかかり過ぎたかなと思いますが、決勝でその流れを維持して最後優勝できたので、これまでずっとチームの皆さんががんばってくれる中、特に今週もかなり大幅なセットアップ変更などの作業をたくさんしてもらったので、本当にいい形でこのオートポリス大会を終えることができたので非常にホッとしてますし、うれしいです。これで全員のモチベーションといい流れを作れたと思います。スーパーフォーミュラのほう(タイトル争い)もまだまだこれからだと思うので、残り2大会3レースを全力で戦いたいと思います。
レース中のタイヤは、コース上のポジションでは4番手で走っていた影響があったかなかったかはかわかりませんが、やはりペースが上げられないなというところで、どんどん前の集団が見えなくなりました。このままじゃ逆転される可能性があることは自覚していましたし、なんとかペースを上げなきゃと思っていました。ただタイヤも労らないといけないのである程度ガマンしつつ、プッシュもしつつ…という状態で走っていました。途中から燃料が減ってきたところで少しクルマのバランスが良くなったので、そのときにちょっとだけペースを上げることができました。そこでなんとか山本選手に最後逆転されずにレースを終えられたのかなと思います。ただ、まだまだペースを改善しなければならないのは明白なレースになっていたので、優勝はすごくうれしいですが、しっかりと直すところ、改善すべきところはしていかないとまた次にここ(優勝会見)へ戻ってくることができないので、その辺を見極めてみんなで歩んでいきたいと思います。
途中で一瀬(俊浩)エンジニアから『もうちょっとペースを上げて、(1分)29秒台後半くらいで』とお願いされたのですが、そのとき僕は(1分)30秒台で走っていて、『プッシュしてるから、無理。ごめん』と言いました。ただその数周後から少しバランスが良くなってきて、一瀬エンジニアが言うターゲットの29秒後半くらいで走ることができました。自分の力を出し切ったレースになったのですが、疲れました。
(今回の結果によって)シリーズランキング3位になりましたが、今回は平川(亮)選手が予選で失敗するなど、まだまだ本当の力を出し切れていない選手がいっぱいいます。次の鈴鹿、最終戦の富士に向けてもっともっと僕たちもがんばっていかないと、まだまだ上はいますし、このレースは勝つことができないと思うのでもっともっとがんばりたいなと思います」
決勝2位
No. 5 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
「引き続き表彰台を得られたので、いい流れには乗りつつあるのかなと思う」
「スタートで大きくポジションを落としてしまいました。そこからの挽回を考えると2位という成績を残せたことはチーム戦略含め、いいクルマを作ってくれたことやピットストップもいいタイミングだったので、非常に良かったと思います。ただ、やっぱりドライバーとして勝てなかった、勝ちきれなかったというのは非常に悔しい思いでいっぱいです。でも週末を通していい組み立てができて、前回のSUGOに引き続き表彰台を得られたので、いい流れには乗りつつあるのかなと思います。この流れをうまくもう少し自分に引き寄せられるようにもう一度チームと手綱を締めてがんばっていきたいと思います。
スタートはいつもどおりの手順を踏んだつもりではありました。ただひとつだけちょっと今までと違うことが起こって、それが直接の原因かどうかはわかりません。ワーニングが出てうまくスタート発進ができませんでした。その後の加速も悪くて…。ここ2年、スタートを失敗したことがなかったので、ちょっと考えられなかったです。レースでの敵は野尻(智紀)選手だけだと思っていました。野尻選手とのタイムギャップをタイムボードに出してもらいながら、1周1周走っていました。ただそのギャップを見ながら自分のペースをコントロールできるほど余裕があったわけでなく、予選のつもりで毎周プッシュして1周も気を抜かないで死にものぐるいで走っていました。(レース中)2周ほど(1分)29秒後半のタイムがあったんですが、それは3コーナーで飛び込みすぎて(コース外側の)マーブル(タイヤカス)を拾ってしまったから。1秒ほどペースを落としてしまいました。立て続けにやったので、唯一それが反省点だと思います。それでもいいレースができたと思いますし、最後、燃料が軽くなってできるだけコールドタイヤで走る周回数を減らしたいと思ったのですが、(タイヤ交換後)あそこまでウォームアップが良くて、なおかつ野尻選手をあんなに追い詰められるとは思っていなかったので、”タラ・レバ”は言っちゃいけないですが、もう1周だけ早く入っていたら野尻選手をキャッチアップできたのかなぁと思うと、より悔しさはありますね。戦略的には(チームメイトの)福住(仁嶺)選手が2番手を走っていたので、彼に優先権がありました。そこで彼が先にピットに入り、僕は1周遅れて入ろうと思ったのですが、前のクルマがみんな(ピットに)入ってコース上がクリアになったので…。クリアな状態だと絶対に速いという自信があったのですが、そしたら思いのほかみんなが入ってくれて、『これなら入らないでギャップを稼げる』という自信もあり、チームにステイアウトすることをお願いしました。前に出るには28秒必要だということだったので、残りの周回数を考えても1周1秒以上離さないといけないと思い、28秒を目標にがんばりましたが、野尻選手もペースがなかなか落ちなかったし、僕も終盤はタイヤが厳しくなってからは(1分)29秒前半〜真ん中くらいしか出なかったので、そこが痛手になりました。
野尻選手は週末を通していい組み立てをしていて、速さと強さを発揮して今のポジションがあるので、ここは素直に(負けを)認めざるを得ないし彼の速さがより本物だということを改めて認識できたので、彼の速さ、強さに勝てるようにもう一度自分の身と気を引き締めてなんとしても彼に勝ちたいと思います。(残り2大会3レースは)開催時期含め、みんなにとって初めての経験になると思いますが、タイヤのウォームアップ含め、またルールも一部改正される方向だし、いち早く自分のものにしたチーム、ドライバーが勝つと思うので、そこは抜かりなくやっていきたいです。残り2大会3戦、すごく楽しみです」
決勝3位
No.64 牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)
「初表彰台は良かったが、展開次第では勝てるチャンスはあった」
「純粋に初表彰台は良かったと思いますが、展開次第では勝てるチャンスはあったと思います。そういう意味では悔しい部分もあります。予選ではQ2で僕が失敗してうまくいかなかったところから、決勝戦略含めていいリカバリーができたと思います。ただ、決勝のペースに関しては、まったく一緒の条件の野尻(智紀)さんに対してもかなり離されたので、そういう意味ではまだ課題が多いですね。ただ去年(スーパーフォーミュラに)デビューしてからうまく行きそうで行けなかったので、表彰台という形は良かったかなと思います。次の鈴鹿はチームとしても一番得意だと思うし、2戦あるのでしっかりとがんばりたいです。
(10周終わりのピットインは)もとからピットインしようと思っていましたが、正直悩んでいる部分もありました。レース終わってから無線で(チーム監督の中嶋)悟さんから言われたんですが、『これからも俺を信じなさい』と言われました(笑)。最近、SUPER GT含め、これまで以上に増して特に冴えておられるようで…。これからも監督の指示に従いたいと思います」
優勝チーム監督:TEAM MUGEN
中野信治監督
「いいチームと一緒に仕事ができて監督としてうれしい」
「うれしいです。ホッとしたのもありますが、今シーズンはなかなかうまくいかない時間が続いていまして、チームもドライバーもそうですが、すっきりとしない時間でした。今回はドライバーの野尻(智紀)もそうですが、チーム全体がひとつになって今日のレースで勝つためにがんばっていいセットアップを見つけてくれたし、レース中のピットストップなど戦略含めて完璧でした。これほどいいチームと一緒に仕事ができて監督としてうれしいですね。
今日は(トップを走る山本)尚貴との差がどれくらいかということと、(トップ争いが)”見えない”レースをしていたので、ドライバーにとってはこのペースでいいのか、足りないのかが不安だったと思います。その点はエンジニアから(無線で)伝えてもらいました。途中、タイヤ交換したあとはペースが上げられず、正直ピットではこのままいくとマズい(逆転される)かなというのもあったのですが、燃料が軽くなるにつれて、またコースにもラバーが乗るなど路面変化が我々にいい方に転んでくれたのか、ペースを取り戻してくれたので、このままであればトップのままで最後ゴールできるのかなと思いました。でも尚貴がピットストップした後もすごいアウトラップを見せ、ペースを上げてきたので危なかったなという感じもありましたね。あとは運も含め、チームががんばって流れを手繰り寄せてくれたのかなと改めて感じています。
このチームは色んなことが結構あるので監督初年度の去年は戸惑うこともありましたが、ちょっと慣れました(苦笑)。今はうまく対応もできて、チームをまとめるという意味でも私自身も少し経験を積ませてもらってコツをつかめてきたなという感じはあります。ただレースは難しく、ほんのひとつ良くなっただけでは(全体は)良くならないので、今回のような結果を出せたのはチームみんなのがんばりのおかげだと思っています。(監督初年度は最終戦での勝利で、2年目は第4戦目での優勝となったが)それはチームとしての進化があったからと思います。エンジニアのみんなががんばってくれて、今まで作り上げてきたものをブラッシュアップしてさらに良くしようと。それは野尻や笹原(右京)のドライバーも同じで、みんなでアイデアを出し合って少しでもマシンを良くしようという貪欲な気持ちが感じられました。私自身は監督として後押しするのが役割だと思っていたので、それを実行に移せて良かったと思います。(結果的に今季最終戦まで参戦が確定した笹原に関して)本来の持ち味は安定感もそうですが、アグレッシブなドライバーだと思ってます。ただチームとしては彼が望むマシンをまだ与えてあげられていないので、そういう意味では彼の実力はこんなものではないと思っています。今回、レースではいい走りを見せてはくれていましたが、まだまだ伸び代はあると思いますし、さらに上を目指せるドライバーだと思っていますので、チーム全員で後押ししてあげて、彼の本来の実力を引き出してあげられるようにがんばっていきたいですね。
(今回の勝利で)流れが出来てきたと思うし、(次の鈴鹿は)野尻が得意とするサーキットだし、こういう流れを作ってくれたので、チームもマシンのセットアップに関してはいいものを持ってますので、さらにブラッシュアップしていいクルマを作り上げて、ピットストップやマシンメンテ含めてミスなく引き続きがんばっていきたいし、できればあとひとつ、ふたつ勝ちたいと思っているのでチーム一丸となって戦っていきます」