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富士合同テスト 2日目総合トップは福住仁嶺
2021年3月24日
放射冷却の影響で、クルマが凍るほど冷え込んだ朝を迎えた3月24日(水)の静岡県富士スピードウェイ。そこからは日本列島を覆った高気圧によって、温かな陽光が降り注ぎ、日中は上着いらずとなった。そのコンディションのもと、全日本スーパーフォーミュラの第2回公式テストが行われ、各チーム、各ドライバーが開幕に向けての最終準備を行っている。
風もなく、朝から顔を出した太陽によって、初日よりも温かなコンディションとなった富士スピードウェイ。全日本スーパーフォーミュラ選手権の第2回公式合同テストは、この日も午前9時からセッションが開始された。開始時刻こそ気温10℃、路面温度は14℃と、日陰ではひんやりするような状況だったが、セッションが進むにつれて、気温、路面温度は上昇していった。
セッションが始まると間もなく、ほとんどのクルマがコースイン。今日予定されているテストメニューに取り掛かる。そこでセッション序盤から平川亮(carenex TEAM IMPUL)や福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、昨日総合トップタイムをマークしている大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)、野尻智紀(TEAM MUGEN)らが1分22秒前半のタイムを刻んでいく。その後、セッションが中盤に差し掛かろうかという所では、大湯がニュータイヤでのアタックを敢行。1分22秒109までタイムを伸ばしてきた。
その後、セッションが折り返そうかという午前9時55分には、赤旗が提示される。これは、ダンロップコーナーでタチアナ・カルデロン(ThreeBond Drago CORSE)の車両がストップしたため。この車両の回収が終わると、セッションは午前10時ちょうどに再開された。
この再開後には、ニュータイヤを投入したドライバーが複数おり、その中でトップタイムを書き換えたのが福住。福住は1分21秒687と、今日のセッションでは初めて21秒台に突入してくる。今回欠席の小林可夢偉(KCMG)に代わり、鈴鹿テストに続いてステアリングを握っている小高一斗(KCMG)が、1分22秒437と、その時点での4番手までポンとタイムを上げてきた。また、昨年の富士のレースを制している坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)もこの後、1分22秒390と自己ベストを更新。小高のタイムを上回ってきた。
そして、セッションの残り時間も20分を切り、これからさらにニュータイヤでのアタックを予定していたドライバーもいる中、セッションは午前10時37分、2回目の赤旗によって中断される。これは関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)がピットロードの入り口手前でマシンを止めたため。関口もニュータイヤでのアタックのためピットを後にし、アウトラップを走行していたのだが、まさかのアクシデントが発生。前方から飛来してきたデブリが、関口のマシンのキルスイッチにぶつかりエンジンがストップしてしまった。
残り時間やSFライツの走行予定の関係から、この赤旗によって午前中のセッションは終了。少し早めのアタックを敢行した福住がトップとなっている。2番手には大湯、3番手には野尻。ニュータイヤでのアタックを行えなかった平川が4番手。以下、坪井、小高と続いている。
3時間あまりのインターバルを経て、今回のテストの締めくくりとなる午後のセッションが始まったのは、午後2時10分。このセッションは、当初の予定よりも10分延長され、午後4時20分にチェッカー予定ということでスタートしている。昼頃から風が出て来た富士スピードウェイだが、この第4セッション途中からは、メインストレートに強い追い風が発生。それでも陽射しは暖かく、気温16℃、路面温度26℃というコンディションのもとでセッションは始まった。開始直後から、本番さながらのピットストップ練習をするチーム、またピットロード出口でスタート練習をするドライバーの姿もあり、テストの仕上げにふさわしいシーンが随所に見られた。
その中で、序盤1分22秒484というタイムでトップに立ったのは、今季チームを移籍した山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)。宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、中嶋一貴(Kuo VANTELN TEAM TOM’S)も序盤から1分22秒台のタイムを出してくる。また、今回のテストで度々不運に見舞われている関口も開始から10分というところで1分22秒803、平川も1分22秒810とcarenex TEAM IMPUL勢も上位に顔を出してきた。開始から20分を過ぎると、野尻が1分22秒578とその時点での2番手、初日は下位に沈んでいた山下健太(KONDO RACING)が1分22秒604でその時点での3番手と、やはり上位に食い込んでくる。さらに、セッション開始から30分というところでは、一貴が1分22秒269とトップタイムを書き換えた。
これに対して、レースを想定したロングランに取り組んでいたのは、午前中にトップタイムをマークした福住。福住はセッション序盤から連続周回を重ね、レースシミュレーションを行っている。また、時折ピットには戻ってきたものの、大湯もレースセットアップ中心。その他にも、初日と2日目の午前中にタイムを追った後、このセッションではレースを見据えたテストを行っているドライバーが何人か見られた。
その後、セッションが折り返す頃になると、再び上位にも動きが出始める。まず宮田が1分22秒164を叩き出して、その時点でのトップに浮上。平川が1分22秒267をマークして、その時点での2番手に浮上してきた。さらに、残り時間が30分というところでは、坪井が自己ベストを更新。1分22秒430をマークして、その時点での4番手に浮上してきている。
そして、セッションの残り時間が10分を切ると、いよいよ多くのドライバーたちが仕上げのタイムアタックへ。もちろん、実際のレースウィークに入れば、このタイミングでアタックをすることはないが、最後の確認という意味もあり、各チームがニュータイヤを装着してドライバーたちをコースに送り出す。メインストレートでタイヤを温める姿が見られた。ここでまず自己ベストを更新してきたのが、平川。平川は1分22秒148をマークし、トップに立つ。だが、その後はどのドライバーも風や路面温度低下の影響からか、大きく自己ベストを伸ばすことはできなかった。その結果、最後のセッションをトップで締めくくったのは平川。これに宮田、一貴とKuo VANTELIN TEAM TOM’S勢が続いている。さらに坪井が4番手。以下、山本、関口、野尻、山下と続いた。
ただし、午後のセッションでは誰も21秒台に入らなかったため、2日目の総合トップは福住という結果になっている。
約10日後の4月4日には、いよいよ同じ富士スピードウェイで、今年の全日本スーパーフォーミュラ選手権が開幕するが、そこでスタートダッシュを見せるのは誰なのか。その展開が気になるところだ。
2日目総合トップ
福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
2日間総合トップ
大湯 都史樹(TCS MAKAJIMA RACING)