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ありがとう一貴! 新たなステージへエール

2021年12月10日

12月6日(月)、東京都江東区で行われた「TOYOTA GAZOO Racing 2022体制発表会」。その席上で、突然発表されたのは、中嶋一貴氏の現役ドライバーからの引退。それと同時に、一貴氏はTGR-E(トヨタ・ガズー・レーシング・ヨーロッパ)の副会長職に就くことが明らかにされた。

この発表会の翌日、一貴氏の姿があったのは、三重県鈴鹿サーキット。現役引退発表直後ながら、大嶋和也(ROOKIE Racing)のSFマシンの状況を確認するため、午前中のセッションで一貴氏はテストドライブを行った。そのテストドライブは2日目の午前中にも行われ、一貴氏は最後にニュータイヤでのアタックも行っている。そして、このセッションが終わった直後、ジュリアーノ・アレジ(VANTELN TEAM TOM’S)がメインストレートに36号車をストップ。そこに全チームのドライバー、関係者が集まってくる。これは一貴氏には内緒で用意されたサプライズ・セレモニー。最後の走行を終えコクピットを降りた一貴氏は、多くの人々が36号車の周辺に集合している中に現れた。そして、トムスの後輩、宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)とアレジが花束を贈呈。その瞬間、一貴氏の目からは感激の涙がぽろぽろと溢れた。その後は、宮田、アレジ、さらにこのサプライズの発起人でもあり、早朝から各チームや関係者へのお願いに奔走したフォーミュラ・ドライバーズ・アソシエーションの山本尚貴会長から、一貴氏を送る挨拶。一貴氏も関係者や、平日にも関わらず一貴の大段幕を持ってラストランを見届けた多くのファンに挨拶を行っている。写真撮影などが行われた後、最後はドライバーやドライバー出身のチーム監督、アドバイザーらが一貴氏を胴上げ。和やかな雰囲気の中で、サプライズ・セレモニーは幕を閉じた。

そんな一貴氏は、今後どんな活躍を見せるのだろう。また、一貴氏にとって、2011年から2021年まで戦ったスーパーフォーミュラとはどんなものだったのだろう。年明けにドイツに引っ越すため、慌ただしく過ごしているという一貴氏をテストの合間にキャッチ。インタビューで詳しく話を伺った。

Q.今回、現役ドライバーを引退するという発表がありましたが、それはいつ頃、どんな形で決まったのでしょうか?

A.来年、WECに乗りませんよっていうことが最初に決まっていて、そこから色々な話をさせてもらう中で、結論としてはこういう役職を用意していただいて、「こういうことをして欲しい」という話をトヨタの佐藤(恒治)プレジデントから直接的にしていただきました。もちろん、乗りながらできることをやるっていう選択肢も同時に提示はしていただきましたが、僕自身、バックボーンがWECなので、ドライバーとしてWECをやっていく環境をもっともっと良くしたいというのもあったんですよね。逆に言うと、今のそのままの状態で、いい形でこれからWECを続けていけるのか、もうちょっと僕が向こうにちゃんと行って、色々とお手伝いをさせてもらった方が、より良い形で色々なことをやっていけるんじゃないかと。そうなると、国内でドライバーを続けながらやっていく、どちらもやるっていうことは現実的に難しいだろうなということで、こういう風に決めました。

Q.まだ36歳ですし、WECの最終戦でも優勝しています。ドライバーとしてまだまだ活躍できると思うんですけど、引退するにあたり葛藤はなかったのでしょうか?

A.もともと、自分の頭の中に、走ること以外の何をするかっていうイメージはあまりなかったんですよ。だから、来年WECに乗らないとなっても、日本で走ることが自分にとっては一番自然なことだろうなって、最初はもちろんそう思っていたんですけど。ただ、そこから話をさせてもらう中で、「こういうことをやってもらえないか」っていう話をいただいて。そこからもちろん考えはしましたし、話をできる人には多少なりとも相談のようなこともしましたけど。葛藤というのはそれほどなかったかも知れないです。結局は、目の前にある選択肢の中で、自分が何をしたいのかっていうことだったので。葛藤が唯一あるとすれば、国内レースに対してでした。特にここ2年、コロナの影響もあって、すごく言い方は悪いですけど、中途半端な感じになってしまっていて。だから、来年、WECがあるにしろ、ないにしろ、やっぱり腰をしっかり落ち着けて、もう1回ちゃんとした形で、スーパーフォーミュラのシーズンを戦いたいなって。それは、そもそもWEC関係なくあった部分でしたし、ファンの皆さんの中にも、それを期待してくださっている方々がたくさんいたと思うので、そこに関しては、ちょっと心苦しいというか、申し訳ないなっていうところはありました。ただ、本当にどの選択肢を選ぶかっていうのは、自分の中での「結局自分が一番どれをやりたいか」っていう所の決断だったので。そこに対する葛藤っていうのは、最終的には余りなかったかなと思います。

Q.6日の発表会で現役引退が発表されましたが、その前にWECからの引退を発表されています。実際は、その時点で現役引退も決まっていたのでしょうか?

A.バーレーンの最終戦の時には、あれが自分の最後のレースになるっていうことは自分の中では決まっていました。僕自身も、これまでは乗れるだけ乗るっていうことしか考えて来ていなかったので、こうなったことに対して、自分でビックリしている部分が無きにしもあらずなんですけど。でも、結局のところ、どれを選ぶかは人それぞれだと思うんですよ。乗れるところまで乗り続けるのが自分の選択という人もいるでしょうし。僕自身、それもあり得たかも知れない。でも、それと同時に今回こういう形になって。発表会の際、佐藤プレジデントが「今回、可夢偉のことも含めて、どうしてこういう形になったんですか?」と聞かれたことに対して、「機が熟した」っていう言い方をされていましたけど、本当にそういうタイミングだと思います。僕自身、これから現役を続けていたとしても、何年やっていたかっていうのもありますしね。本当に、あと1年、2年かも知れないし、もっと続いていたかも知れないですけど。でも現役を続けた場合、その先に来年から自分がやる仕事の選択肢が残っているかどうかはまた別の問題ですし、残っていない可能性の方が高いので。来年から平川がWECに乗りますし、これから平川よりも若い世代も世界を目指したいっていう子はいると思うんですけど、そういう子たちを応援したいという気持ちもあるし、自分自身が世界を目指せる環境でずっと育てて来てもらった部分もあるので、それを若い子達につなげていきたいっていう気持ちは、結構持っているつもり。それに対しても、僕はいい影響を与えられる立場だと思いますし、それも決断する一つ大きな理由にはなったかなと思います。

Q.副会長職というのは、具体的にどんなお仕事をされるんでしょうか?

A.(向こうでの仕事は)多岐に渡ります。WECのチームの強化っていうとザックリしてますけど、ドライバーとしてやってくる中で、色々と「もうちょっとこういう課題があるよな」って思う所もありますし、発表会で(豊田)章男社長が「ドライバーズファーストでもっといいクルマを作っていくんだ」っていう話をされていましたけど、ドライバーズファーストっていう目線に立って言えば、色々と足りていない部分もたくさんあるでしょうし。もちろんドライバーの立場とエンジニアの立場と、事務方の立場と、色々な立場があれば、それぞれ見方も変わるんですけれど。そういう所のコミュニケーションをもっともっと良くできるところもあると思いますし、細かい所を言えば、そういう所にもうちょっと首を突っ込んでいくことも仕事の一つになると思います。TGR-Eの会社の立場になるので、例えばラリーなんかももちろん守備範囲になって来ますしね。まあ、ラリーに関しては、もちろん素人ですけど。基本的には、現地にいる人たちの話を聞いて、より良い環境でレースしていくことを手助けするのがまず一つ。そのためには、やっぱり日本とのコミュニケーションも大事になってくると思うので、そういう所が一つ大きな仕事にはなってくると思います。それから、さっき言った若手ドライバーの育成っていうところで、今、現状はっきりした形がないですよね。日本ではもちろんありますけど、そこからヨーロッパへとなった時に、はっきりした形が現状あるわけではない。向こうにドライバーを連れて行くにしても、色々物事を決めるのがやっぱりどうしても向こうの人間になっていたりもしますし。それが全部悪いわけじゃないんですけど、そう言った所も含めて、もうちょっといい方法を作り上げていくっていうことも仕事の一つになるのかなと思います。向こうに行くドライバーということで言えば、平川が来年から乗りますけど、やっぱり経験が他のドライバーに比べて浅い所がありますよね。一方、可夢偉は可夢偉で自分で乗っていたりするので。そういう意味では、僕が手助けできることもたくさんあるでしょうし、本当に目の前のできることを色々見つけてやるっていうのが、できることかなと思います。

Q.今、ドライバーズファーストというお話がありましたが、ヨーロッパのレースはどちらかと言うとエンジニアファーストですよね。その辺りも改革していきたいと言うことでしょうか?

A. 確かに、(ヨーロッパは)エンジニアファーストな所がありますね、日本と違って。だから、本当に大きな所で言えば、その辺の意識改革っていうところからのスタートだと思います。現場の人たちとは、まずそういう所から。まあいきなり考え方を全部変えろって言って変わるほど、フレッシュな人たちではないんですけど(苦笑)、ただこういう(ドライバーズファーストいう)考えもあるし、トヨタの一員としてやっている以上、それも理解しながらやっていかないと。トヨタ自体がそういう所を目指しているわけですから、そういう所を置いては考えられないですし、プロジェクトも進まないと思います。まずは本当にそういう所からのスタートだと思いますね。

Q.WEC、特にル・マンということで言えば、トヨタは今年まで4連覇しています。ただ、失礼ながら、もしライバルがいたら負けてしまっていたかも知れないというトラブルやミスもあったと思います。そういう部分でも、チームを強化していかなければならないと思っていますか?

A.そうですね。今年も燃料ポンプの問題がありました。去年、僕らはブレーキに何かあって、7号車はターボ。まあ色々ありましたよね。本当にライバルがいたら負けていたと思います。「僕らは4連覇したからOK」と、誰かそう思っているとしたらそれは大間違い。まず行ってみて、本当にそう思っている人がいたら「それ違うよ」っていう所からのスタートになっちゃうと思うんですけど。平川が来年から乗るっていう所も含めて、全ては2023年以降に向けての準備が大事だと思っていますし、僕らももっともっとシャープになっていかなきゃならない。今年までは、どうしても本当の意味でのコンペティターがいないっていう所でしたからね。どうしても、コンペティターがいるといないとでは(テンションが)違うと思うんですよ。そこらへんはやっぱり23年に向けて、より一層引き締めていかないといけない所だと思いますし、クルマもドライバーも含めて、しっかり準備ができていないといけないと思います。まあ余計なお世話であるといいんですけどね(苦笑)。でも、「余計なお世話だけど言う」っていうことも、ある意味仕事の一つだとは思うんです。

Q.これまで色々なカテゴリーを体験されていますが、WECに関して理想としているチームとはどういうものですか?

A.僕自身がチームを率いる立場とはまたちょっと違うかも知れませんけど。でも、まあF1のメルセデスにしろ、WECの時のポルシェ…。ポルシェも全部が全部上手く行っていた訳ではないでしょうけど。やっぱり、しっかり現場をコントロールできるリーダーがいて、その下にチームが動いていくっていう形が理想的ではあると思います。そのためには、やっぱりそういう人がいないとなかなかね起こりえないことではあるでしょうね。でも、逆に言うとトヨタのやり方とはそれがまたちょっと違う気もするので。トヨタにはトヨタのやり方があって、どちらかと言うとみんなで作り上げていく形。それがトヨタ的なやり方なのかなと。「そういうやり方でもできるんだよ」って言う所を見せるのも、ひとつのチャレンジかなとは思います。そこは、もちろん可夢偉とも協力しながらですね。僕が勝手に思うことをやっているだけではダメでしょうし、お互いコミュニケーション取りながらやらないといけないと思います。

Q.チーム代表も兼務する可夢偉選手とのコミュニケーションは、今までより密になりそうですか?

A.そうですね。今まで、特に僕はドライバーとしての振る舞いしかしていなかったので、そんなに余計なことを色々話すことはあんまりなかったですからね。だから、そう言う意味では、もっともっと色々なことを話していくって言うことは必要になってくると思いますよ。

Q.話は変わりますが、先ほど、この2年ほどスーパーフォーミュラに関しては中途半端になってしまったと仰っていました。そのスーパーフォーミュラには10年余り参戦して来られましたが、ご自身にとってどんなカテゴリーでしたか?

A.そうですね。WECにしても、スーパーGTにしても、ある程度シェアするカテゴリー。その点、スーパーフォーミュラって練習走行から予選、スタートからレースフィニッシュまで、全部が自分ひとりに掛かってきます。その重みはやっぱりフォーミュラのレースにしかないことですし、そこで結果を残すって言うのが一番ドライバーにとってプライオリティーが高いことだと思います。僕にとっても、本当にそう言う位置付けでしたし、もちろんWECが優先になってしまったレースがあったとしても、やっぱり出る以上は結果を出したいと言う気持ちでやっていました。

Q.F1で戦った後、ある意味カテゴリーとしてはステップダウンだったんじゃないかと思いますが、スーパーフォーミュラでも自分が成長できたと感じることはありましたか?

A.あったと思います。もちろん、F1時代も、世界の中で揉まれて。その当時は、環境に対して自分の実力的には背伸びをしているような感じで、それで実力を引っ張り上げられた所もあったとは思いますけど。ただ、日本に帰ってきて、日本のレースのレベルの高さも理解しているつもりでした。もちろんF1で走ってきた以上、期待されるものもあるし、そう言う意味でも簡単なことじゃないぞっていうことはすごく理解したつもりで日本に帰ってきました。やっぱりプレッシャーもありました、チャンピオンを獲るっていうことに対して。獲ってるのと獲っていないのでは、やっぱり大きな違いがあると思いますし、ましてや日本で一番のタイトルだと思っているので。そこに対してチャレンジするって言うことは、自分自身の成長にもつながったと思いますね。

Q.ドライバーとしてのスキルという面で、スーパーフォーミュラでさらに成長したというもありましたか?

A.まあ、帰ってきてずっとしばらくの間、アンドレ(・ロッテラー)と一緒に走っていて。いくら僕がF1を走っていたとは言え、色んな意味でキャリア的にはアンドレの方がある状況だし、アンドレも速いドライバーなので、彼から学ぶことっていうのは、すごく大きかったと思います。特に最初の年なんかは、とりあえず頑張ってアンドレに追いつこうっていう所からのスタートだったので。そうやってやっていく中で、クルマも3年経って(スウィフトからダラーラに)変わったりしましたが、毎年2人でそうやって競り合いながらやっていくっていう所では、自分が成長できた部分って大きいんじゃないですかね。

2011年からの同僚アンドレ・ロッテラーと
2012年シリーズチャンピオン獲得

Q.チームメイトとして見ていて、ロッテラー選手の何がすごかったんでしょう?

A.やっぱりレースで速いですよね。予選も別に遅い訳じゃないんですけど、レースは強かった。僕が予選で前にいてもレースで逆転されちゃう時もありましたし。そこで自分には何が足りないんだろうなって考えて、色々試してっていうこともやっていましたし、まあ予選もずっと僕が前にいた訳でもなくて、行ったり行かれたり。最初の年なんかは、アンドレの方が全然速かったので。そういった色々な所で、幸いチームメイトとしてデータを比べられるので、それで追いつけ追い越せでやってきたことは、やっぱり大きかったんじゃないですかね。

Q.ロッテラー選手とは、WECでも参戦時期が重なっていましたが、WECをやる上でもSFをやっていることが役立った部分はありますか?

A.やっぱり純粋にドライバーとして、シャープであるっていうことに関しては、スーパーフォーミュラのクルマっていうのは、F1の次にスピード域、色んな意味でレベルが高いクルマだし、レベルの高いカテゴリーだと思うので、その部分は大きかったと思います。加速感で言ったら、(ハイブリッドカー時代の)WECの方が速かったですけど、コーナリングスピードとか色々な所でやっぱりスーパーフォーミュラにしかないものも色々あったと思います。

Q.スーパーフォーミュラで印象に残っているレースは?

A.色々あるんですけど、本当にこのレースが会心のレースだなという意味では、2015年のAP。予選では石浦くんが速くて。コンマ5秒ぐらい速かったんですよ。だから、スピードで言えば、石浦くんがぶっちぎりで速かったんですけど、スタートで何とか前に出れて。そのスタートの時、可夢偉もアウト側にいて、3ワイドで1コーナーに入って行って。そこで可夢偉が2番手に上がってきて、ちょっと石浦くんを抑えてくれたので前半は楽だったんですけど、後半石浦くんが上がってきて。最後ピットに入る時にタイヤを替えるだ替えないだってずっとやり取りしていました。そこで石浦くんがフロントだけ替えて、僕は替えずに行って、そのまま何とかトップでゴールできたんです。多分、パフォーマンス的には石浦くんの方があっただろうなと思いつつ、何かスタートから戦略まで含めて、全てパーフェクトにできたレースっていうことでオートポリスが印象には残っていますね。逆に一番残念だったレースは、2016年(第5戦)の岡山(の第1レース)ですかね。PPを獲っていたのに、グリッド位置を間違えたヤツ。あれでひとつ勝ちを落としてしまったのは悔やまれますね。

2015年AP大会 2位は石浦 3位は可夢偉

Q.日本ではずっとトムスのドライバーとしてやってきましたが、トムスにいたからこそ成長できたという部分はありますか?

A.そうですね。トムスしか知らないに近い状況で、他を経験していない分、度合いは少ないのかも知れないですけど、やっぱり当たり前のようにクルマがちゃんと走れる状態であって、当たり前のようにちゃんとセットアップがされていて、自分がコメントしたことに対して当たり前のように聞いてくれて、クルマを良くしてくれる。まあトムスでは、それが当たり前のことなのかも知れないですけど、やっぱりその環境でずっと乗れたっていうことは、すごく有難いことだったと思います。いいチームメイトにも恵まれて、自分自身もそれで成長させてもらえたと思いますし、本当にいい環境でレースをさせてもらいました。最後にひとつ申し訳ないなって思うことがあるのは、コロナで最後2年ぐらいのスーパーフォーミュラが中途半端な形になってしまったこと。チームにはすごく迷惑をかけました。実は「やっぱりもう1回腰を落ち着けてちゃんとやりたいです」っていう話もしていたんですけど、そういうことがあった流れの中で、最終的にこういう決断になったことに関して、申し訳ない気持ちは正直あります。

TEAM TOM’Sのスタッフと

Q.F3の頃は御殿場に住んで、毎日トムスのガレージに行っていましたよね。その中でトムスの仕事ぶりを見たり、年上の人たちから礼儀を学んだりもしたと思いますけど、その頃の経験は、人として成長する土台になりましたか?

A.そうですね。特に僕がF3の時のチームは、昭和の体育会系みたいな感じがまだ色濃く残っていたので(笑)、すごくそこで鍛えられた部分はあると思いますし、人間として大事な所、ベース的な大事なところは教えてもらったのかなと思います。もちろん昭和の体育会系って言いましたけど、厳しい所だけではなくて、逆にすごく人間味のある所もたくさんある人たちだったので、本当にそこは感謝していますし、色んな意味で自分のベースになる部分をトムスのF3の時に作ってもらったのかなって思いますね。

Q.トムスのやり方をずっと見てきたからこそ、これからの仕事に役に立ちそうな部分はありますか?

A.そうですね。そこは、規模がやっぱり違うので、全く同じように行かないことは重々承知していますけど。ただ、さっきのドライバーズファーストの話に戻ってしまいますけど、そう行った所、どっちかというとエンジニアファーストなのが土壌としてはあるのがヨーロッパ。まあ、ヨーロッパだけじゃないかも知れないですけど、そういう空気感があるのは間違いないと思うので、もう少しお互い歩み寄れるような環境づくりっていうのをしていけたらいいなとは思っています。トムスのあの空気は、やっぱり長年、みんな一緒にやっているからこそ出るものでもあると思いますし、あれを全く同じようにというわけには行かないと思いますけど。ただ、トムスで経験してきたことっていうのは、向こうにインプットできる所もあるんじゃないかと思いますね。

Q.ドライバー時代と比べて、TGR-Eのチームとの関係性はどう変わるんでしょうね?

A. そこら辺は、行ってみないと正直分からないですけどね。現場にも色々な受け止め方をする人がいると思うので。すごくウェルカムに思ってくれる人もいれば、そうじゃない人もいると思います。でも、お互い色々話をしていく中で、どういう方法がいいか見つけていくっていうのが、基本的なやり方だろうし、それでしか物事は進んで行かないかなと思っています。

Q.会社員的なお仕事は初めてですけど、今のお気持ちは?

A.いや、もう新入社員、社会人デビューと同じなので(笑)。正直、右も左も分からないです。ただ、本当にさっきも話した通り、結構人と話していることで、色々なことがクリアになっていく部分ってたくさんあると思っています。正直行ってみないと分からない所が事実ですけど、行ってみて、話をしていく中で、色々なことがもっともっとクリアになっていくんだと思います。

Q.先ほど2023年以降を見据えているとのことでしたけど、これは長いスパンで考えているお仕事なんですか?

A.正直、1〜2年しかやらないことではないと思っています。ただ、どこまでどういう風にやるかというのは、まず自分が行ってみてちゃんとフィットするかどうかっていう所にもよるでしょうし、1〜2年で終わっているようでは、多分ダメだと思っているので、そこは自分でも長くしっかりコミットするつもりでいます。どこまでやるかって、具体的に明確に描いているわけではないですけど、まずは現状の課題を良くしていくこと。そこから将来的にはもっと大きな仕事にはなってくると思うので、それ次第かなと思いますね。

来月にはドイツに本拠地を移して仕事に取りかかるという一貴氏。鈴鹿で関係者やファンの方々から送られた大きな拍手とエールが、少しでも新たな世界に踏み出す一貴氏の力になれば幸いだ。

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