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「SUPER FORMULA NEXT50」カーボンニュートラル実現に向けたテストが開始

2022年4月7日

2022年の開幕大会を目前に控えた4月6日(水)〜7日(木)。静岡県富士スピードウェイでは、「SUPER FROMULA NEXT50」プロジェクトの柱の一つ「カーボンニュートラルの実現に向けた素材・タイヤ・燃料の実験」、「ドライバーの力が最大限引き出せるエアロダイナミクスの改善」を目的とした開発テストが行われた。
今週月曜日までは冬に逆戻りしたような冷え込みだった富士スピードウェイだが、火曜日からは春の陽気となり、サーキット周辺の桜も一気に開花。昨年10月のプロジェクト発表から約半年が経過した「NEXT50」プロジェクトの船出を祝福するかのような天候となる。そして、上着がいらないほどの温かさの中、「ホワイトタイガー SF19 CN」、「レッドタイガー SF19 CN」と名付けられた2台の開発車両は、関係者の期待を背負ってコースを疾走した。「NEXT50」では、マシンやタイヤといったハード面でカーボンニュートラル化を進めることが大きなテーマのひとつとなっているが、今回のテストでも再生可能素材を使用したタイヤのテストやカーボンニュートラルフューエルのテストが行われている。

さて、初日のセッションは、午前10時から午後0時までの2時間と、午後2時から4時までの2時間。白にトラ柄が施された「ホワイトタイガーSF19 CN」はホンダエンジン搭載車両で、塚越広大がコクピットに乗り込む。一方、赤にトラ柄が施された「レッドタイガーSF19 CN」はトヨタエンジン搭載車両で、石浦宏明がステアリングを握っている。テスト車両のメインテナンスと現場でのオペレーションの一部は、今シーズン各チームが持ち回ることになっており、初回となった今回は、Drago CORSEとKONDO RACINGが担当チーム。それぞれのピット内には、2チームのスタッフに加えて、それぞれHRCとTRDのエンジニアが複数名おり、開発のためのデータを収集している。またヨコハマタイヤのタイヤエンジニアも各車に複数名ずつ帯同。タイヤに関するデータや情報を収集していた。テストの進行については、テクニカル・ディレクターに就任した永井洋治氏が主導。JRPの上野禎久社長はじめ、アンバサダーに就任した土屋武士氏も、初のテスト走行を熱心に見守る。未来に向けての開発テストということで、関係者全員のワクワクとドキドキが伝わってくるような雰囲気だった。

気温15℃、路面温度17℃というコンディションのもと、最初のセッションが始まると2台はコースイン。まずはマシンの状態を確認する。その後は、開発テストメニューに則っての走行。コースに出て数周するとピットに戻って調整を行うということを繰り返す。このセッションでは、今後よりバトルシーンが増え、エンターテインメント性を増すために最適なダウンフォース量のデータを取るために、まずはリヤウィングの角度を3種類ほど試していた。そのため、単独で走るシーンばかりではなく、ストレートで2台が追走し、ポジションを入れ替えながら走るテストも行われている。使用されたのは、サイドウォールに赤い帯が入ったコントロールタイヤだ。このセッションでは塚越が38周、石浦が36周を消化。ベストタイムは塚越が1分23秒500、石浦が1分23秒176となっている。

そこから2時間のインターバルを経て、午後2時に2回目のセッションが始まったが、それを前に各車のピット裏に姿を現したのは、サイドウォールにエメラルドグリーンの帯が入った4セットのタイヤ。これは天然由来の素材を使用して開発された新しいタイヤだ。午後からは両車ともにこのグリーンタイヤを装着しての走行となる。初日は構造違いの4種類のタイヤをテスト。気温が19℃、路面温度が28℃まで上昇する中、セッションが始まると、序盤は各車、赤い帯のコントロールタイヤでマシンの状況を確認し、その後は、グリーンの帯が入ったタイヤでの走行を開始した。このグリーンの帯のタイヤに関しては、ニュータイヤを装着し、数周するとピットイン。赤い帯のコントロールタイヤで再びマシンの状態を確認したり、再びグリーンの帯のニュータイヤを着けてコースに入るという繰り返しを行なっている。また、セッション終盤には、午前中のセッションと同様、2台がメインストレートでポジションを入れ替えながら走行するシーンも。このテストもグリーンの帯のタイヤで行われた。午後のセッションでは、塚越が56周、石浦が60周を消化。ベストタイムは午前中よりも縮まり、塚越が1分22秒498、石浦が1分22秒614となっている。
 
明けて7日(木)も、前日に引き続き、開発テストの2日目が行われ、この日の富士は早朝こそ陽射しがあったものの、その後は曇りがちの空模様。セッションは午前9時35分から11時35分と、午後2時15分から3時15分の計3時間が行われている。初日は、これまでと同様、ガソリンでの走行だったが、2日目はカーボンニュートラルフューエルが搭載された。
1回目のセッション開始時の気温は14℃、路面温度は16℃と、初日とほぼ同じ。セッションが始まると間もなく、塚越、石浦は走行を開始した。この日も走り始めは赤い帯が入ったコントロールタイヤで、両ドライバーともにマシンの状態を確認。その後、グリーンの帯が入ったニュータイヤを初日と同様、4セットテストしている。2日目はコンパウンドのテスト。グリーンのタイヤで数周すると、一旦赤い帯のコントロールタイヤに戻し、再びグリーンの帯のニュータイヤを装着して走行という作業を繰り返した。ピットでマシンのセットアップ変更を行うことなく、タイヤだけを交換して走行を続けていたため、2時間のセッションで塚越は52周、石浦は51周を走破。ベストタイムは塚越が1分23秒282、石浦が1分22秒803となっている。


 
そこから2時間40分のインターバルを経て、今回の開発テスト最後のセッションは午後2時15分から行われた。セッション開始時の気温は15℃、路面温度は22℃。雲が空を覆っていたこともあり、初日と比べて路面温度はかなり低くなっている。そんな中、コースがオープンされると、2台は続いてピットアウト。途中、何度かピットに入るシーンも見られたが、序盤からグリーンの帯のタイヤで精力的にロングランを行っていく。また、セッション終盤には、初日と同様、2台が同時にコースに出て、ポジションを入れ替えながらの走行を行った。最後は2台が横並びでチェッカー。今回のテストを打ち上げた。この午後のセッションでは、わずか1時間の間に、塚越が33周、石浦が32周を消化。ロングランを行っていたこともあり、ベストタイムは塚越が1分24秒021、石浦が1分24秒410となっている。

2日間を通して、両車ともに大きなトラブルはなく、塚越は計179周、石浦も計179周を走り切っている。全てのセッションがドライだったこともあり、TRD、HRC、そして横浜ゴムにとっても、有用なデータが得られた2日間。まずは「NEXT50」を掲げたマシン開発の第一歩として、実りあるテストになったのは間違いない。

「レッドタイガー SF19 CN」開発ドライバー 石浦宏明

「今まで色々な開発テストに呼んでいただいていますが、性能をいかに高めるかということだけを目的にやってきていて、今回のように環境問題に対してどうやっていくかというテストは初めてでした。なので、どんなコメントをして、どんな結果が得られてみたいな所は、やってみるまで想像もつきませんでしたし、「どんな感じになるのかな?」と楽しみでもありました。でも、実際テストしてみたら、普段やっていることと、コメントとかは同じようにできたので、それ自体が凄いことではあるなと思いました。また、もともと自分がレースファンとして子供の頃から富士に来ていたんですけど、当時何に憧れたかというと、音とか迫力、匂い。そういう物に惹きつけられてレーシングドライバーになったんですけど、そういう世界を残していけるかどうかというのが、これにかかっていると思うと本当に大事なテストです。このテストだけでなく、他のモータースポーツも含めて、自動車社会かも知れませんが、本当に大きなもののスタート地点にあるのかなというので、個人的にはこういうことができて「面白いな、楽しいな」と思いますね。
(このテストに向けては)本当に準備とか大変だったんじゃないかなと思うんですけど、想像していたよりもスムースに色々なテストが進みました。正直、最初ということで、テストする項目に関してはもっと「色々なことが起きるんじゃないかな?」とか、上手く行かないことが沢山あって「どうやって明日までに解決しようか?」とか、そういうことを想像していたんですけど、初日の段階からクルマも普通に走りましたし、タイヤも順調にテストができました。本当は初日、ロングランまでやる予定じゃなかったものが、ロングまでできたりとか。2日目もやりましたけど。燃料を含めて、想像していたよりも本当にスッとスムースに走ることができました。自分もフォーミュラに乗るのが1年ぶりだったんですけど、そんなに違和感なく走れましたし、全てがスムースに進んだことにまずビックリしています。
今回テストしたタイヤに関しては、「これコントロールより少しいいですけど」というものもありましたし、想像と少し違いました。普通に、性能を上げるテストの時と同じようなコメントをどんどんして行って、「これは思ったよりタレるよね」とか、「これはウォームアップが早かったよね」とか、普段GTでタイヤテストをしている時にやっているようなことをしていましたね。ただ、フォーミュラでは普段タイヤテストというのがなくて、こうやって取っ替え引っ替えタイヤを比較するということに新鮮な感じはありました。燃料に関しては、昨日は普通のガソリンで走っていましたけど、今日の朝からパッとカーボンニュートラル燃料を入れて走らせてもらいましたが、それも事前に聞いていた話と、乗ったフィーリングは全然違って。適合とかもあるので、最初のアウティングでは性能も出ていなかったんですけど、その状態でももし「全員がこれだよ」って言われたら、「別にレースできますよ」みたいな感触でした。「今日はこれで上手く走れないから、テスト中止」みたいなことは全くなかったので、そこにもちょっと驚きがありました。課題はたくさん出たそうですけど、ドライバーが乗っている感覚でいうと、合わせ込んだら今までと同じようなドラビリ(ドライバビリティ)になりそうですし、多少もしパワーが落ちたとしても、充分トップフォーミュラとして成り立つパワーはあると思います。他のダウンフォース量とかタイヤと合わせて開発を進めていけば、最終的に面白いレースができるものになるんじゃないかなという感触は最初からありました。そこはいい意味で驚きでした」

「ホワイトタイガー SF19 CN」開発ドライバー 塚越広大

 
「僕自身、クルマを速くするための開発は、もちろんこれまで携わってきました。でも、このように、モータースポーツの世界が、この先、もっといい形で生きていくためにという目的に向けての開発携わるのは初めてです。これからこの世界を目指してくる子供達だったり、未来に向けての開発ということなので、これまで僕がドライバーとして培ってきた経験だったり、自分の生き様をちゃんとモータースポーツの世界に貢献させることができればと思っています。
今回は、最初のテストということで、メニューを無事にこなせるかということは心配でしたし、それぞれタイヤだったり燃料だったり、新しいことを試すにあたって、現行よりももっと性能が落ちてしまうイメージがあったんですけど、そんなこともなく、逆にそれぞれの項目に対してポジティブな感触がありました。非常に楽しく、開発の走行もさせていただきましたし、ドライバー側からも「もっともっと良くするにはどうしたらいいか」という課題を話すこともできています。この後のテストではさらに、目標よりも一歩先に進めたらいいなっていうぐらい、期待を持てましたし、スムースな第1回目のテストだったんじゃないかと思います。
今回乗った感想ですが、まずタイヤに関しては、従来のコントロールタイヤと比較しても、全然引けを取らない性能がありました。むしろコントロールタイヤよりも感触のいいタイヤもあり、僕としては、思っていたよりもパフォーマンスがあるなという印象でした。ロング(ラン)もしましたけど、それによって途中からすごくタイムが落ちるということもなく、すごく安定して走ることができました。今回は予想以上に良かった方に振れているのかなと思うので、これをきっかけにもっともっと進化できればいいんじゃないかなと思います。また燃料に関しては、最初に少しマッピングなど色々やってもらいましたが、従来のガソリンよりはまだ少し乗りにくさとパワーが少ない感じはあります。それでも、普通にレーシングスピードで走れますし、最高速もかなり近いところまで行っています。もっと苦戦するのかなと思っていたんですけど。乗っていて明らかに違うかって言われたら、フィーリングの違いは当然ありますけど、この先使っていってもいいんじゃないかなという感触はありました」

JRP代表取締役社長 上野禎久

「昨年の10月からNEXT50の発表の中で、「改めてモータースポーツに自動車技術の開発の場としての価値を持たせたい」ということで、トヨタさん、ホンダさん、横浜ゴムさんにご協力いただき、今回からテストを始めさせていただきました。今回、大きくはカーボンニュートラルの実現に向けた素材、タイヤ、燃料といったところの新たな取り組みと、ドライバーの実力を最大に引き出せるよう、エアロダイナミクスを改善していこうというところをテーマとして実施しました。おかげさまで、クルマの準備、タイヤの準備をしっかりしていただいて、予定していたプログラムは全てクリアできました。その中で、色々な課題も出て参りましたけれども、大変いいテストになりました。
昨日、初日の朝、サインガードの所からマシンの走り出しを見たんですけど、感動しました。マシン自体がカッコいいですし。久々に、「スーパーフォーミュラ、カッコいいな」ってファンのような感想を持ちました。そして、NEXT50の最初の発表から半年間という時間の中で、TRDさん、HRCさん、トヨタさん、ホンダさん、横浜ゴムさんも含めて、色々な方々に本当に大変な準備にご協力いただき、走り出した瞬間に感謝しかなかったです。ドライバーのお二人もしっかり走り込んでくれて、ものすごく有意義なインプレッションを下さったので、相当手応えのあるテストだったなと思っています」

「NEXT50」テクニカル・ディレクター 永井洋治

「私は現場に来たのが1年ぶりなんですが、まず感想として、本当にみんなプロフェッショナルだなと思いました。当然、ドライバーの方にも、現場では並走など結構無理なテストをお願いしました。一方、日程的にもタイトな中、チームには新車を組んでもらったり、メーカーさんには新しい燃料をテストしてもらったりしたんですが、その短い時間の中で、調整してやることをやって下さって、この業界の人たちって本当にプロフェッショナルです。今回、みんなが本当に「いいクルマを作るんだ」と、カーボンニュートラルに対して真摯にやってくれたんだなということをすごく感じました。だから、私としては1年ぶりにやってみて、最近にない満足感というか高揚感というか、達成感を得ることができ、すごくいいテストになりました。
今回のテストでは数あるカーボンニュートラルフューエルの中から、1種類をテストしましたが、今後も色々なものを試していく予定です。最終的には現在の燃料以上にオクタン価を上げられる所まで持って行ければと思っています。また、エアロバランスを3種類試しました。リヤウィングの角度を通常富士で使われている23度から、17度、13度と変えて行きました。それによってダウンフォース量が10%、15%と減っていくんですけど、ダウンフォースを減らした状態で追従走行をしてもらいました。その時に、接近できるのかどうなのか、またその時のドライビングフィールはどうのなのかということを評価してもらい、どういうコンセプト(の空力)がいいのかというスクリーニングをしました。今後もアンダーフロアやウィング含め、着々とテストして行きたいと思っています」
 

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