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全日本スーパーフォーミュラ選手権  SFオープニングラップ

2018年3月11日

昨年12月に行われた合同テスト&ルーキーテストから約3ヶ月。全日本スーパーフォーミュラ選手権を走るSF14の咆哮が、本格的な春の訪れを感じさせる三重県鈴鹿サーキットに戻ってきた。3月10日(土)~11日(日)に行われた「2018 モータースポーツファン感謝デー」のイベントの中で、スーパーフォーミュラの走行が披露されたためだ。
午後から行われたデモレース「SFオープラングラップ」に先立ち、午前9時から50分間のフリー走行が行われた。ファン感謝デーのイベントに続き、12日(月)~13日(火)には今年初の合同テストが予定されているが、この3日間を通して、各車が使用できるニュータイヤはミディアム4セット、ソフト3セットの計7セット。「オープニングラップ」では、全員ソフトタイヤの使用が義務付けられている。そのため、朝のフリー走行最後には、ソフトタイヤを投入してアタックしたドライバーが多数。予選さながらの迫力あるアタックが見られることとなった。

朝から好天に恵まれた鈴鹿サーキット。午前8時半にメインゲートがオープンされると、待ちかねていた多くのファンが、グランドスタンドやパドックに続々と入場してきた。その観客の眼前、最初の走行を披露したのが、スーパーフォーミュラ。久々に国内トップフォーミュラのコクピットに戻ってきた選手たちや、ルーキーにとって、今季初めての本格的な走行ということで、セッションが始まると半分ほどのドライバーがまずミディアムタイヤでコースに出てマシンの状況を確認。ドライバーのウォームアップも兼ねての走行となる。ピット作業の練習を行うチームも多かった。

そんな中、セッション開始直後から、好タイムを刻んだのは、今季3年ぶりにシリーズ復帰を果たしたNo.20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)。ミディアムタイヤでの計測4周目には1分38秒071、5周目には1分37秒431とタイムを伸ばして行く。また、ルーキーのNo.15 福住仁嶺(TEAM MUGEN)も走り始めから順調にタイムアップして行った。No.17 塚越広大(REAL RACING)やNo.16 山本尚貴(TEAM MUGEN)、今季2年ぶりにシリーズ復帰を果たしたNo.37 ジェームス・ロシター(VANTELIN TEAM TOM’S)も早い段階から1分37秒台に突入。福住もここに割って入って来る。

一方、50分間のセッション半ばになるまで、コースに入らなかったのはNo.1 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)、No.2 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)、No.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)ら。だが、ようやくコースに入ると、石浦は早速1分37秒682というタイムをマーク。関口は1分37秒292と一気にトップタイムを書き換えた。
だが、間もなくこの関口のタイムを大きく上回ったのは、No.18 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)。他のドライバーに先駆けて、ソフトタイヤを投入した可夢偉は、各セクターで全体ベストタイムをマーク。1分36秒566を叩き出した。

その後、セッションの残り時間が約5分というあたりから各ドライバーがソフトタイヤを投入。タイムアタックシミュレーションへと向かう。アタック前のウォームアップラップから、自分のスペースを探すために、各ドライバーがコース上でのせめぎ合いを見せるなど、まるで予選さながらのシーンが繰り広げられた。そこから各車は、アタック。ここでタイムを伸ばしてきたのが、No.36 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)。可夢偉のタイムにはコンマ1秒余り及ばなかったが、1分36秒710をマークし、2番手でセッションを終えた。一貴がタイムを出す直前、1分37秒243という自己ベストタイムを刻んだのが、山本。山本はホンダ勢トップの3番手でセッションを締めくくった。以下、塚越、関口、No.64 ナレイン・カーティケヤン(TCS NAKAJIMA RACING)、平川、福住と続いている。

 


このフリー走行後、鈴鹿サーキットのコース上では様々なカテゴリーの走行やグリッドウォークなどが実施され、午後1時24分からはいよいよスーパーフォーミュラのデモレースが開催。国本が体調を崩し不参加となったため、18台のマシンによって、本番さながらの走行が行われた。このデモンストレーションでは、実際のレースと同様、フォーメーションラップを経て全車正規グリッドへ。シグナル・オールレッドからブラックアウトし、一斉にスタートが切られた。ここでホールショットを奪ったのが、PPの石浦。フロントロウスタートの福住は発進が遅れ、一時4番手あたりまでポジションを落としたが、2コーナー立ち上がりまでに前を走る可夢偉、No.6 松下信治(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)を捉え、ポジションを戻した。福住は、その勢いのまま、トップの石浦を追うと、2周目の1コーナーではオーバーテイクボタンを使用しながら、石浦を攻略。トップに立つ。その翌周には、石浦に迫った可夢偉がやはり石浦をパスして、2番手に。同じ周のシケインから可夢偉はオーバーテイクボタンを使い、1コーナーで前を行く福住を攻略した。また、その後方では松下が石浦をパス。松下は、5周目に入って福住の前に出ると、その翌周には1コーナー手前で可夢偉も攻略してみせた。一方、ここから挽回を見せたのは4番手まで下がっていた石浦。石浦は6周目に福住をかわすと、7周目の1コーナーで可夢偉をオーバーテイク。そこからトップを走る松下を追い、シケインでオーバーテイクに成功。トップチェッカーを受けた。これに続いたのは、松下、可夢偉、福住。以下、No.7 オリバー・ローランド(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)、一貴、ロシター、山本という順位でゴールを切った。
これはあくまでもデモレースだが、明日のテストからは各チーム、各ドライバーの目の色が変わり始める。本番では、さらなるテンションアップが確実ということで、4月の開幕戦が今から待たれるところだ。

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