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「自分自身と戦い続けたレースだった。個人的には今まででベストなレースができたと思う」第10戦記者会見

2022年10月30日

決勝1位
No. 1 野尻智紀(TEAM MUGEN)
「自分自身と戦い続けたレースだった。個人的には今まででベストなレースができたと思う」

「ずっとポール(ポジション)から勝てないというようなレースが続いていまして、個人的にはどうしても勝ちたいなという思いがどんどん強くなったときもあったんですが、今はチャンピオンを見据えて走るときだと自分に言い聞かせていたところがシーズンずっと続いていました。今回はもう何もないんで、かなりリスクを取って最初から最後までつねにプッシュし続けました。昨日(第9戦の)レースが終わってから、(最終戦は)”自分へ挑戦するレース”にしたいと僕自身思っていたんですが、どれだけ自分がプッシュできるかというところで、自分自身と戦い続けたレースだったかなと思います。個人的には、今まででベストなレースができたんじゃないかなと思います。

(昨日と今日のレースではガッツポーズも違っていたようだが)昨日の第9戦に関しては、”目指してきたものは何か”って言われたら、真っ先に”チャンピオン”と答えると思うんで、それが達成できたっていう……もうこれ以上ない(ガッツポーズ)というものでした。今日に関しては、”自分がしたいレースをした”というところで、もう何も残ってない……まぁ昨日も(レースを終えて)何も残ってなかったんですけど、”ようやく終わった”っていう安堵みたいな気持ちもあったかなと思います。

(スタート直後のセーフティカー明けにOTSを使ったのは)単純に僕がレース展開を作りたかったからです。今日はちょっとクルマの方もアンダーステア気味に仕上げたんで、フロントタイヤがどれだけ持つか分からなかったので、なるべく(ピットインのタイミングを)引っ張りたいなっていう意図もあって、引っ張れるだけのギャップを自分から作りたかった。そういうところでスタートダッシュをして、なるべく(後続を)離そうといったところがありました。また、(2度目のセーフティカー明けではシケインあたりまで間隔を空けずに追走していたが)以前も似たような感じで一回やったんですけど、今回、僕はニュータイヤ明け(のリスタート)だったんで、なるべく(タイヤに)熱を入れたかったので……。通常、(リスタート前に)セーフティカーはスプーンカーブあたりでライトが消えるので、セーフティカーと間隔を開けるっていうのがセオリーというか皆さんそうされるんですが、それをやると(後続に動きを)読まれやすいですよね。なので読まれにくいようなことをやろうかなっていうのをいろんなレースを見ていて思うところなんで、その辺を実践したという感じです。

(クルマをアンダーステア気味に仕上げた理由は)昨日のレースが終わってからチームと遅くまで話し合いをしている中で、”こういった空力の使い方をした方がいいんじゃないか”っていうところを僕が提案したから。せっかくだから僕が思ってることをやりたいっていう意思をちょっと通して、そういった方向性のセットアップで臨みました。それは個人的にアンダーステアが好きだからっていうところもあります。グリッドでは微細な変更だけでした。

(起床後、気分がなかなか上がらなかったと言っていたが)どういう理由かがわかったら僕もあまり苦労しなかったかなと思うんですが、ほんとなんでか分かんないですけど体の力がいつもより抜けちゃってるような感じで。”燃え尽きた”みたいな雰囲気なのか分からないですけど、自分でも何なんだろうっていう感じで今までそういったことはなかったんで……。去年もタイトルを決めて、まだレースが残ってたわけですけどそういったことはならなかったし、それだけこの”二連覇”というものが相当自分を苦しめていたのかなっていう裏返しでもあるのかなと思いました。ただ、今日予選を走って決勝もやってみて、やっぱりみんなと一緒にレースを戦うというところに自分を放り込むと、自然と気持ちも入りますし、問題なくレースに臨めたかなと思います」

決勝2位
No. 6 大津弘樹(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
「2番手で前半走れたのは、レース展開を見据えるとすごくいい展開だった」

「一番チャンスがあるのはスタートかなと思っていましたので、そこに集中して臨みました。スタート自体かなり良くて、一台抜くこともできて……野尻(智紀)選手を抜くまでは速くはなかったんですけど、2番手という位置で前半走れたのは、レース展開を見据えるとすごくいい展開だったと思います。ピットに入るタイミングもちょっと早かったんですが、早かったことでSC(セーフティカー)が入ったときに、”もしかしたらトップに立てるチャンスがあるかな”と思ったんですが、それは叶わず……。ただ2番手の位置でしっかりと走り切って、今年初表彰台になるんですが、ダンデライアン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)に移籍させてもらって、いいクルマとみんなに思われているなかで、僕がなかなかドライビングでアジャストできなかったりうまくセッションを進められずに苦戦していて、最後の最後でようやくまとめることができて、自分の速さを引き出せました。チームの皆さんも僕が速く走れるように一生懸命やってくれたので感謝したいです。また、応援していただいた皆さんにも感謝の気持ちでいっぱいです。また来年さらに速く、強くなれるように精一杯頑張りたいと思います」

決勝3位
No.37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
「クルマの課題点であったり改善点を確認できたレースだった」

「今日のレースはスタートは改善されましたが、うしろのホンダ勢が速くて抜かれてしまって。SC(セーフティカー)明けには笹原(右京)選手がトラブったのか、そこで3番手に上がって、そのあと(2回目の)セーフティカーが出るまではクリーンエアになってからペースを上げることができてプッシュできたんですが、ストラテジーどおり進めようとしたところでセーフティカーが入ってしまって……。ちょっと個人的には不運だったのかなという印象です。その後はもうみんなピットに入っていたんで、タイヤのマイレージもみんなほぼ一緒だし、レースとしても追い抜くこともできず、自分の中でクルマの課題点であったり改善点を確認できたレースだったかなと思ってます。とはいえ、二日間通してトヨタエンジンユーザーではトップで(レースを)終えましたし、チームもしっかりピットストップもいいタイムでタイヤ交換もできたと思うんで、本当にみんなが(力を)出し切った結果と思います。ポジティブな要素もあるので、しっかりこれを次に繋げてこれからも速いクルマ、強いクルマを作って僕自身も成長していきたいなと思います。一年間、応援ありがとうございました」

優勝チーム監督:TEAM MUGEN
田中洋克監督
「すべてのことから解き放たれ、ほんとにいいパフォーマンスを出してくれた」

「本当にうれしいです。シーズン最後戦で優勝できればベストかなと思っていましたけれど、本当に優勝できてうれしく思っています。ありがとうございます。(レースでは笹原右京と野尻智紀が立て続けにピットインすることになったが)笹原のフロントウィングが壊れたのはもうイレギュラーだったし、野尻(のピットイン)もセーフティカーが入りましたので、あれはしょうがないかなと。チームのみんなもあ慌てずに冷静に(ピット作業を)やってくれたので、態勢に大きな変化はありませんでした。良かったなと思ってます。

今日の野尻のパフォーマンスは100点以上ですよね。たぶんこれが野尻本来の力というか、持ってる力は出せたんじゃないかなと思います。昨日まではチャンピオンを獲るというプレッシャーがすごいかかっていて、(第9戦は)2位という結果ではありましたけども、若干ちょっと守り……冷静というかそういう力も働いたかなと思うと、今日はすべてのことから解き放たれたので、ほんとにいいパフォーマンスを出してくれたと思います。昨日は予選前から顔が全然……(笑)。今日は笑顔がずっと出ていましたので、あえてなにかここで”頑張れよ”というよりも、最後だから思い切って行ってくれということで。そのとおり戦ってくれました。

(レース直前の8分間走行では)野尻はいつも(クルマに関して)100点満点を出すようなことはないんですが、若干リヤ周りに気になるところがありましたので、グリッド上で修正しました。それがいい方向に働いて、今日のパフォーマンスに繋がったんだと思います。

(チームタイトルを初めて獲得することになったが)今シーズンは2台体制を有効に使うというか、2台体制はチームを強くするのに必要なことなので、チームとしてはその体制を有効に使うということに重点を置いてやってきた結果が、チームタイトル獲得に繋がったと思います。野尻1台という体制のときもあったんですけど、チームとしては2台でクルマを作っていくっていうのは、野尻のタイトルを獲るためにも……獲るためにというと変ですが、ひとりでは限界があります。(かつてチームでは)長く山本尚貴選手1台でやってきましたが、やっていて非常に辛かったんです。いい時はいいですけども、やっぱりハマってしまうと出られなくなってしまう……それがやはり弱点でもありますので、やっぱり2台でやりたい。チームとしてもその意思がすごい強かったので、2台体制で参戦できて良かったなと思ってます」

BRM Winners AwordとしてViron Japan株式会社 代表取締役CEO滝川聡様より特製クロノグラフが贈呈された

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