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2日目最速は野尻智紀 第2回公式合同テスト
2018年3月29日
o.全日本スーパーフォーミュラ選手権 第2回公式合同テスト 2日目
3月29日(木)、前日以上に温かなコンディションとなった静岡県富士スピードウェイで、全日本スーパーフォーミュラ選手権 第2回合同テストの2日目のセッションが行われた。初日と同様、セッションは午前9時半から11時半、午後2時から4時の計4時間が行われ、No.5 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が午前中のうちに2日間のトータル・トップタイムを叩き出した。2日目、これに続いたのはやはり午前中に自己ベストタイムをマークしたNo.1 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)。以下、同様に、午前中のベストタイムで、No.3 ニック・キャシディ(KONDO RACING)、No.50 千代勝正(B-Max Racing team)、No.20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)と続いている。
季節外れの温かさに、周辺ではソメイヨシノの蕾が赤くなり始めた富士。第2回公式合同テストの2日目は、午前中のセッションが開始される午前9時半の段階で、気温は18℃、路面温度は21℃まで上昇した。この日のセッションには、前日同様19台が参加したが、15号車には阪口晴南が乗り込んでいる。また、初日と同様、午前中のセッションだけは、各ドライバーともに2回オーバーテイクボタンを使用できるという取り決めになっていた。
さて、セッションが始まると間もなく、No.37 ジェームス・ロシター(KONDO RACING)、No.7 ピエトロ・フィッティパルディ(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)、No.18 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)、キャシディ、石浦、No.17 塚越広大(REAL RACING)、千代、No.8 大嶋和也(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)、平川、No.2 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)、No.4 山下健太(KONDO RACING)、No.16 山本尚貴(TEAM MUGEN)といった順でほとんどのドライバーがコースイン。数人は、ソフトのユーズドタイヤで走行を開始したが、多くのドライバーたちはミディアムのユーズドタイヤで走り始めた。
しかし、開始からわずか4分、セッションは赤旗で中断される。これは13コーナー付近で、No.15 阪口晴南(TEAM MUGEN)がスピン、ストップしたため。このマシンが、オフィシャルの押しがけでエンジン再始動し、ピットに戻ると、午前9時39分にセッションは再開された。ここから各ドライバーは、本格的な走行に入り、クルマのセットアップを試したり、煮詰める作業を進めて行く。この中で、まず1分23秒台に入ってきたのは、国本。続いて野尻やNo.64 ナレイン・カーティケヤン(TCS NAKAJIMA RACING)、千代、No.6 松下信治(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、大嶋も23秒台に入って来る。さらに、セッション開始から約50分というところで、石浦が真っ先に22秒台に突入。山下、平川も、22秒台に入って来る。
その後、セッションの残り時間が約35分となったところで、千代がソフトのニュータイヤを投入。他に先駆けてタイムアタックに入った。千代は、ここで1分21秒996をマークし、この時点でのトップに立った。セッションの残り時間が約15分となったところで、この千代のタイムを上回ったのはキャシディ。キャシディもここでソフトのニュータイヤを投入し、1分21秒940してきた。この頃から、他のドライバーもニュータイヤを投入し始め、タイムアタック・シミュレーションが始まる。その中で、ソフトのニュータイヤを履いた石浦が1分21秒630までタイムアップ。その後、なかなかこのタイムを上回るドライバーはおらず、石浦がトップのままセッションを終えるかと思われた。だが、残り時間が2分となったところで、石浦のタイムをわずかに100分の8秒上回ってきたのが、野尻。野尻は、1分21秒621を叩き出す。このタイムは、初日にNo.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がマークしたトップタイムを上回っており、この時点で野尻のタイムが総合トップとなっている。
2時間半のインターバルを経て、2回目のセッションが始まったのは、午後2時。この時点で、気温は22℃、路面温度は32℃まで上昇。そこからセッションが進むにつれて、さらに気温は25℃、路面温度は33℃まで上がって行き、まさに汗ばむようなコンディションの下での走行となる。このセッションの序盤は、セットアップを試すドライバーもまだ多く、その中で、ソフトのユーズドタイヤを装着していた国本が1分22秒744をマーク。No.65 伊沢拓也(TCS NAKAJIMA RACING)も同じくソフトのユーズドで1分22秒975をマークする。その他のドライバーは、1分23秒台から24秒台のタイムに留まっていた。また、セッション序盤から大嶋はソフトのユーズド、No.36 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)はソフトのユーズドでロングランテスト。中盤に入ると他にも多くのドライバーがロングテストを敢行している。一方、セッションが後半に差し掛かったところで、ソフトのニュータイヤを投入してアタックを行ったのが、可夢偉。ここで可夢偉は1分22秒905をマークするが、気温/路面温度が最も高い時間帯だったこともあり、21秒台には入らなかった。
その後、そろそろテスト最後の仕上げとして、各ドライバーがニュータイヤを投入するかと思われるタイミングでセッションは赤旗によって中断される。これは野尻がミッショントラブルのため、ダンロップコーナー立ち上がりでストップしてしまったため。このマシンの回収が終わると、セッションは午後4時に再開。この時点で10分間の延長が決まった。再開されると、関口、大嶋、平川、ロシター、塚越、伊沢、可夢偉、キャシディ、松下、フィッティパルディ、石浦、一貴と多くのドライバーが続々とコースへ。だが、意外にも、ニュータイヤを装着したドライバーは少なく、阪口、山本、関口、ロシター、千代がミディアムのニュータイヤ、一貴がソフトのニュータイヤという状況でアタックへと向かった。だが、ミディアム組は、それほどタイムアップできず。
一方、セッションの残り時間が約5分となったところで、午後のセッショントップタイムを書き換えたのは、ソフトのユーズドタイヤを履いていた石浦。石浦は、まず1分22秒733をマークすると、翌周には1分22秒495までタイムアップし、チームメイトの国本を抑えて、計時モニターの1番上に躍り出る。この2人に続いたのが一貴で、タイムは1分22秒846。2日間のテストを通じて、“らしくない”順位に沈んでいた一貴が、最後のセッションはようやく3番手に浮上した。以下、可夢偉が4番手、平川が5番手、伊沢が6番手と続いている。
2日間の総合順位では、野尻がトップ、石浦が2番手。以下、関口、キャシディ、千代、平川、国本、カーティケヤン、伊沢、フィッティパルディ、ロシター、山本となったが、参戦2年目のキャシディ、ルーキーの千代やフィッティパルディが活きの良さを見せたと言っていいだろう。3週間後には、いよいよ三重県・鈴鹿サーキットで開幕の時を迎えるが、そこでも若いドライバーたちが力を見せるのか。あるいは、石浦をはじめとするベテラン勢が若手の前に立ちはだかるのか。公式日程に先立って行われる金曜日のフリー走行から、目が離せない展開となりそうだ。