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「タイヤ2スペック制がもたらすのは、興奮か、混沌か」

2018年4月16日

2018年 全日本スーパーフォーミュラ選手権がいよいよ今週末、鈴鹿サーキットで開幕する。昨シーズンは、ピエール・ガスリー(現トロロッソ・ホンダF1チーム)と第3戦目以降計り知れない力を見せつけることになったフェリックス・ローゼンクヴィストがシリーズを席捲。対するは石浦宏明、関口雄飛、中嶋一貴やアンドレ・ロッテラーと言った百戦錬磨の強者たち。
石浦とガスリーが0.5ポイント差で迎えたチャンピオンシップの行方も、ままならない天候に翻弄され、土曜日のフリー走行、または予選が行われれば予選結果とセカンドベストタイムで1ポイント加算されるという運用に変更された最終戦。結果石浦が日本人ドライバー、シリーズの牽引者としての意地とプライドを見せチャンピオンを獲得しシリーズは幕を閉じた。

SF14が登場した2014年以来、海外から新進気鋭のドライバーや実力者達が参戦し、選手権を活気づけることとなったが、時代は移り今シーズンはHondaが手塩にかけて育ててきた若手ドライバー、福住仁嶺と松下信治が凱旋参戦。
「今最もF1に近い日本人ドライバー」である福住は、今シーズンFIA-F2選手権とスーパーフォーミュラのダブルエントリーで戦うことになった。また2014年に全日本F3選手権チャンピオンを獲得し、戦いの舞台を欧州に移して力を磨いてきた松下も、日本のトップフォーミュラでどこまで結果を残せるのか、今シーズンの注目ポイントになる。
昨シーズン、スーパーGTドライバーズタイトルを獲得し復帰を果たした平川亮や、新たな若手外国人ドライバーの参戦など、一新されたドライバーラインナップは新たな時代の到来を予感させる。
(活躍が期待される福住仁嶺と松下信治)

さらに、今シーズンのスーパーフォーミュラで最も注目されるポイントは、「全戦2スペックタイヤ制」によるレースだ。
2016年にタイヤ供給メーカーが横浜ゴムに変更されて以降、日本レースプロモーション(JRP)と横浜ゴムは、2スペックタイヤ制に向けての協議と開発を続けてきた。「グリップ力が有り、ライフの短いタイヤ」を製造することは、「より安全で、エコロジーに配慮した長持ちをするタイヤ」を製造することを使命とするタイヤメーカーの立場としては、大英断と言っても過言ではない。
フォーミュラカーレースの必然であり宿命とも言える「抜けないレース」「動きのない展開」を、恣意的ファクターに頼らず、タイヤマネージメントという新たな戦略性を加味することで、来場いただいているファンに、「より最高峰レースにふさわしい素晴らしいバトル、刺激的なレースをお見せしたい」、ただその一点のためだけに準備を続け、そして両者の強い思いがいよいよ今シーズン結実する。

今年に入って2回の公式テストを行った上で、開発を担った横浜ゴム株式会社の秋山一郎氏によると「路面温度により若干の違いはあるが、ミディアムタイヤに対し、ソフトタイヤは1から2秒速いと認識している。摩耗に関してミディアムタイヤは1レースを走りきれる高スペックを有しているのに対し、ソフトタイヤは条件によって10数ラップでデグラレーションが起こる」と評価。
一方、実際にタイヤを使用するチーム、ドライバーサイドからは先の開幕戦プレビューでも紹介したように、「ソフトタイヤは履いたなりに(グリップが上がるので)タイムは上がるが、マシンのバランスが合っているかどうか・・・」あるいは「ミディアムタイヤ装着時と、ソフトタイヤを装着した時のマシンバランスが変わる・・・」「午前(走行)と午後(走行)で路面に変化がある(路面に載るラバーの状態が昨年と違う傾向がある)・・・」といった、まだまだ手探り状態のコメントが多く聞かれ、テストを密着している記者の間からも困惑の声が聞こえている。とは言え、予選上位グリッドを狙うには、ソフトタイヤでタイムを稼ぐ事が必須であることは間違いないが、2つのスペックの装着が義務付けされている決勝レースでは、天候、路面温度、路面状態、あるいは自身のグリッドポジションなどの要因次第では、秋山氏の想定通り、ソフトタイヤは「1~2秒速く、10数周は行ける」勝利への「切り札」となるか、あるいは使いどころのない「足枷」となるか、チームにとっては蓄積したデータ、経験、状況判断、全てを総動員した総力戦となることは必至だ。
(ソフトタイヤは「切り札」にも「足枷」にもなると話す秋山氏)

(テスト最後のセッションでトップタイムをマークした石浦宏明と村田エンジニア)

(テストでは終始歯切れの悪いコメントだった中嶋一貴)

また開幕戦は300kmのレースとなる。選手権としては250kmレースを基本としているが、鈴鹿サーキットで開催される開幕戦と、最終戦で300kmが予定されている。これまでの経験から、SF14&NREのパッケージはフルタンクで210km前後は走れると想定されているが、「ソフトタイヤを履くタイミング」と「給油のタイミング」という2つの必要条件と、その他チーム各々がおかれた状況によって、その戦略は様々に順列組み合わせされる。この戦略の幅こそが、レースの展開を予想不可能にする最大のポイントとなる。
SFファンには、各チームが繰り出す戦略を堪能して頂き、目の離せないレースを最後までご覧いただきたい。

 

【おさえておきたいタイヤ運用ポイント】
・ 各大会で供給されるドライタイヤは、Newソフトタイヤ2セット。
  Newミディアムタイヤ2セットの合計4セット。
・ 前戦から「持ち越しドライタイヤ」2セット。
・ 持ち越しタイヤは、ミディアムタイヤでもソフトタイヤでもOK。
  新品もOK。ただし、開幕戦で使用できる持ち越しタイヤは、
  ユーズドタイヤのみ。
・ 1大会で使用できるドライタイヤ数は、上記6セット。
・ ウエットタイヤは4セット。
・ 金曜日の専有走行は「持ち越しタイヤ」のみ使用可能。
・ 予選Q1はミディアムタイヤ使用を義務付け。
・ 予選Q2、Q3のタイヤ選択は任意。
・ 決勝レースはミディアムタイヤ、ソフトタイヤを各1回以上使用。

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