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「第1回公式合同テスト」の楽しみ方、注目ポイント

2017年3月3日

開幕に先立ちトヨタ、ホンダ各陣営の体制発表会が行われ、2017年のSUPER FORMULAに参戦するドライバーラインナップが明らかとなった。3月5日(日)の「鈴鹿モータースポーツファン感謝デー」では、今年エントリーされているドライバーが初めて全員揃い、セレモニーとオープニングラップが開催されるが、今回は、翌6日(月)7日(火)に開催される、「第1回公式合同テスト」で注目すべき今シーズンのポイントについて紹介する。

◆ニューカマーに注目

何といっても今年はルーキーが5名と、非常に変化の大きい年。しかもその顔ぶれが豪華なため、まずはルーキーの紹介から始めたい。 (紹介はゼッケン順)

・#3   ニック・キャシディ(KONDO RACING)

・#4   山下 健太(KONDO RACING)

・#7   フェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS)

 

・#15 ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)

・#20 ヤン・マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

ニック・キャシディ、山下健太、ヤン・マーデンボローは全日本F3選手権で活躍し、その実力はすでに折り紙付き。日本のフォーミュラヒエラルキーの階段を駆け上り、トップフォーミュラへとステップアップした彼らこそ、実は最も注目されるべきドライバー達だ。その存在を知らしめ輝き始めるのか、はたまた並み居る実力者達、そして世界からの若き挑戦者達に飲み込まれてしまうのか、日本のモータースポーツ界全体が注目していると言っても過言ではない。

しかし、ピエール・ガスリーとフェリックス・ローゼンクヴィストとうい世界標準のスーパー・ルーキーが、まずは彼らの前に立ちはだかる。ガスリーはF1直下のカテゴリーであるGP2において2016年のチャンピオンを獲得。昨年のストフェル・バンドーンの活躍も記憶に新しい中、2年連続でのGP2チャンピオンの参戦が実現した。ローゼンクヴィストは2015年のユーロF3選手権のチャンピオン。さらに14、15年のマカオグランプリを2連覇しており、今年はFIA Formula E選手権で早くもその頭角を現しつつある。

彼ら5人のなかで一体誰が一番速いのか?それともトップドライバー達を凌駕するタイムを叩き出し、一躍シリーズの主役となるのか?最大の注目となる。

 

◆迎え撃つ強者達は安定の大激戦区

昨シーズン終了時に「もしかしたらこれで最後かも・・」と一抹の寂しさを隠しきれない表情で会見に臨んだアンドレ・ロッテラー。世界チャンピオンの彼が今季もまたSUPER FORMULAに参戦することに、誰もが喝采を送った。実はあと4勝で、本山哲が持つ27勝という大記録に並ぶ。今季も当然のようにシリーズチャンピオン争いに絡んでくる実力と圧倒的な存在感を、遺憾なく発揮してほしい。

13年山本尚貴、12・14年中嶋一貴、15年石浦宏明、16年国本雄資と、5年連続で日本人ドライバーがタイトルを獲得していることも忘れてはならない。彼らの中から今季チャンピオンが生まれるのか、関口雄飛、小林可夢偉、野尻智紀らがどう絡んでくるのか、レギュラードライバー達にとってもシーズンを占う上で大事なテストであることは間違いない。

 

◆新型サイドポンツーン

注目すべきはドライバーだけではない。今シーズンから新しい形状のサイドポンツーンが使用されることとなった。今回の合同テストでは、各チーム、このアップデートの効果測定も一つのテスト項目となる。

外観はチムニーと呼ばれるサイドポンツーン上のパーツが少し大きく、配置が少し前寄りに変更となり、吸気口となるダクトの開口部が大きくなった。さらに内部では、ターボとインタークーラーの配置が最適化され、吸気温度が下がることによって馬力が向上している。今回のアップデートは、マシンがSF14となってから初めて、外形の変更を伴う大型アップデートとなっており、その効果がラップタイムにどれほど影響してくるのかが注目となる。

 

※写真は11月の鈴鹿のテストで撮影したもの。この段階ではまだ試作品だったため、実際使用するパーツ投入は今回の鈴鹿テストが初となる。

 

◆新スペックタイヤ

ヨコハマタイヤとなってから2年目となる今シーズンは、ドライタイヤ、ウェットタイヤ共にNewスペックとなるタイヤが投入されることとなった。ドライタイヤは昨年11月のテストでも少し走行していたが、供給数が少なく、その効果を見るには少しデータが足りなかった。今回改めて全チームに相当数の供給量が確保され、17年仕様のマシンと共にその実力が明らかになる。

 

最後に、今回のテストを注目するうえで、少し視点を変えた見方を紹介したい。ファン感謝デー明けの鈴鹿テストは近年恒例となっているが、シーズン中より気温が低く、路面、空気密度など条件が整いやすいこの時季は、実はタイムが出やすい。シーズン中の予選ラップよりも速いタイムが出ることも珍しくなく、非公式ながらコースレコードタイムが記録されることもしばしばある。ちなみに、現在の公式なコースレコードはアンドレ・ロッテラー選手が2014年に記録した1分36秒996であり、今回のテストではどれくらいのタイムが出るのかというポテンシャルの限界を見るのも面白いかもしれない。

テストを見るにあたって、上述した以上に様々な楽しみ方を、個人個人の視点で考えることも楽しいのではないだろうか。

今回のテストの様子はSUPER FORMULA公式Twitterで逐一お届けするほか、タイミングモニターをSUPER FORMULA公式Youtubeページで生中継する予定となっている。ページURLなどはSNSを通じてお知らせします。

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