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全日本スーパーフォーミュラ選手権・公開テスト アンドレ・ロッテラーが初日最速発進!

2017年3月5日

3月5日(日)、三重県鈴鹿サーキットでは、毎年恒例の「モータースポーツファン感謝デー」が開催された。このイベントの一つとして、午後からは全日本スーパーフォーミュラ選手権のデモンストレーションレース、「スーパーフォーミュラ オープニングラップ」が行われ、今季参加する19名のドライバーたちが幾度もトップが入れ代わる白熱したバトルを展開した。トップチェッカーを受けたのは、カーNo.1をつけたディフェンディング・チャンピオンの国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)。No.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)やNo.16 山本尚貴(TEAM MUGEN)、No.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)らも元気な走りを見せた。

この「SFオープニングラップ」に先立ち、午前9時からは55分間に渡って公開テストが行われた。この公開テストと6日(月)&7日(火)の合同テストを合わせて、各ドライバーが使用できるタイヤは、スリックのニュータイヤ7セット、レインのニュータイヤ4セット。そのため、公開テストが始まると、各ドライバーは2017年用スペックのニュータイヤで走り出すこととなった。今回のテストには、前述のように、今季シリーズに参戦する11チーム、19名のドライバーが全員集結。その中には、今回がSF14初走行となるNo.7 フェリックス・ローゼンクヴィスト(SONOCO TEAM LEMANS)やNo.15 ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)の顔も。またルーキーのNo.3 ニック・キャシディ(KONDO RACING)、No.4 山下健太(KONDO RACING)、No.20 ヤン・マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、シリーズ復帰を果たしたNo.8 大嶋和也(SUNOCO TEAM LEMANS)など、フレッシュな顔ぶれが揃った。また、チーム移籍をしたNo.18 小林可夢偉(KCMG)やNo.41伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.50 小暮卓史(B-Max Racing team)らにも注目が集まった。
その中で、セッションが開始される3分前からピットロードに並んだのは、No.10 塚越広大(REAL RACING)、キャシディ、ガスリー、山下、関口、マーデンボロー。ピット出口がオープンになると、各ドライバーともに、まずはクルマの状況をチェックしてピットに戻ると、その後本格的な走行に入った。また、セッションが始まって間もなく、これらのドライバーに続いて大嶋、ローゼンクヴィスト、No.64 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)、No.65 ナレイン・カーティケヤン(NAKAJIMA RACING)、野尻、山本、伊沢らもコースイン。やはりチェックを終えると、本格走行に向かう。その中で、まず1分38秒812という好タイムを刻んだのは、キャシディだった。そこから数分後、スプーンコーナー1つ目のブレーキングでバランスを崩し、スピンアウトしたのはローゼンクヴィスト。ローゼンクヴィストのクルマは、スプーン1つ目と2つ目の間のエスケープゾーンにストップし、エンジンも止まってしまった。そのため、セッションは開始から17分というところで赤旗によって中断される。マシン回収が終わり、セッションが再開されたのは、午前9時28分だった。
この赤旗以降、ようやくコースに出て、本格走行を始めたのがロッテラーと一貴、No.2 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)。ここでまず一貴が1分37秒898を叩き出してトップに立った。間もなくそれを上回ったのが、石浦。石浦は1分37秒754と、一貴のタイムをコンマ1秒余り削ってきた。それをさらに上回ったのがロッテラー。ロッテラーは、まず1分38秒235を刻むと、その翌周にはフルプッシュ。1分37秒713を叩き出した。その後、2セット目のニュータイヤを履いたドライバーがいなかかったため、ロッテラーがトップタイムで今年の初テストセッションを終えている。
だが、各チーム&ドライバーが本格的なテストに入るのは、明日6日(月)から。2日間・計8時間のセッションで、シーズンに向けて好調な仕上がりを見せるのは誰か。大変興味深いテストになることは間違いない。

■アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)
ようやく今日からテストが始まったばかりだし、僕も含めてみんなまだ完全に目覚めていないと思うんだよね(笑)。だから、セットアップを試したということよりも、まずはスピードに慣れることだった。僕らは経験がある分、スタートしたら合わせ込むのは簡単だ。今日の基本的な感触は良かったよ。だけど、このコンディションなら、本来はもっと速く走らせることができるはずなんだ。でも、長い冬休みの後だから、最初のタイヤでコースに出た時は、余りの速さにちょっとショックを受けた。とんでもなく速いからね(笑)。多くのドライバーが同じようにウォームアップを必要としていたんじゃないかな。去年の11月のテストで、17年スペックのタイヤの感触は一度試していて、予選一発のパフォーマンスが上がっているのは分かっていた。だけど、まだロングランした時にどうなるかっていうのは分からない。ただ、僕の理解では、タイヤの構造が変わっていて、コンパウンドはこれまでと同じだから、まだ硬いと思うんだ。そこが問題で、去年同様、他のクルマをオーバーテイクしようとしてスリップに入った時に、ダウンフォースが抜けて、スライドしてしまうんだよね。だから、もっとソフトなコンパウンドのタイヤが必要だよね。今日のデモレースでも、今のコンパウンドでは、前のクルマを追いかけて行くのが難しかったから。まぁ、何にせよ今日始まったテストで、いきなりトップタイムだったのは良かったね。トップっていうのは、いつでも気分のいいものだから(笑)。明日からは、もう少しタイヤのことを学んで、もっとスピードを出せるようにテストを進めて行きたいね。

■中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)
前回のテストは途中で終わってしまって走れなかったので、新しいスペックのタイヤでまともに走ったのが初めてだったんですけど、グリップが上がっているのはすごく感じますし、それに対してはいい印象を持っています。ただ、アンドレも言っていましたけど、だいぶ久しぶりでいきなり鈴鹿だったので、最初はなかなかスピード感に人間が付いて行きませんでした(笑)。ただ、11月のテストの時、僕は37秒台に入っていないので、今日すぐに37秒台に入ったことを考えれば、持ち込みの状態は悪くないっていうことが確認できたので良かったです。多少、走り始めてからバランスをいじったりはしましたけど、それはコンディションに合わせたぐらいで、まだテストメニューには入っていませんね。明日からは、足回り系というか、メカニカルグリップを稼ぐのに、何が一番いいのかということで、色々とメニューを用意しています。去年、アンドレは「乗れるかどうか分からない」って言っていましたけど、今年も乗れることになって、本人にも良かったでしょうし、チームにとっても安定した状態でできるので良かったですよね。僕も新しいチームメイトが来るよりは、ラクですし(笑)、アンドレが速くて自分が勉強になる部分もあるので、また一緒にできて良かったですね。

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