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「第1回公式合同テスト」マンデー・ミーティング
2017年3月7日
公式合同テストのセッション1が終了し、セッション2とのインターバルで、フェリックス・ローゼンクヴィスト選手(SUNOCO TEAM LEMANS)、ピエール・ガスリー選手(TEAM MUGEN)、ヤン・マーデンボロー選手(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)と、注目の3選手を囲む「マンデー・ミーティング」が行われ、本番モードでの初走行を終えた3選手に感想を聞いた。
Q:初セッションを終えた今の感想をお聞かせ下さい。
フェリックス・ローゼンクヴィスト
「昨日少し走りましたが、ウォームアップ程度でした。今日は朝から思い切り走りました。とにかくものすごく速いクルマだと思います。ほんとに興味深い興奮するクルマです。Gフォース、ダウンフォース共に非常に大きく今まで乗ったどんなレーシングマシンよりも速く、また鈴鹿サーキットという子供の頃からF1で観ていて、走ることを夢見ていたサーキットを走ることが出来、とても満足しています」
ピエール・ガスリー
「フェリックスが言ったように、とても素晴らしいクルマだと思います。グリップ、ダウンフォースともに凄いです。この素晴らしい、歴史のあるサーキットをこの速いクルマで走ることができることに大変興奮しています。今日の走行から本格的な勉強となります。タイヤについて、クルマについて、鈴鹿のトラックについて、一つ一つ覚えていく必要があると思います。時間をかけて、テストを行い、開幕戦に準備していきたいと思います」
ヤン・マーデンボロー
「今朝は少しやりすぎましたね。僕のミスです。ただ慣れてきたと思っていますし満足しています。午後の走行もあるのでどんどん良くしていきたいと思います。チームメイトが非常に速かったので僕自身もすごく楽しみです」
Q:日本の印象は?
ピエール・ガスリー
「日本に初めてきましたが、本当にびっくりしています。これほど多くのファンの方々のサポートをもらえるとは思っていませんでした。こういうことはフランスにはいまは無いんです。自分のキャリアの中でも初めてのことで、あまり慣れていないので昨日は少し混乱しましたが、ファンの方々との接し方も勉強しようと思っています。ですが今日からは仕事に集中していきたいと思っています」
フェリックス・ローゼンクヴィスト
「昨日まだ走っていない段階で、写真をたくさん撮ってくれたりサインをお願いされたり、驚きましたが、モータースポーツのアンバサダーとしてこのような状況は決して悪いことではないし、逆にファンがいないと寂しいと感じます。僕の海外でのレースの写真を持っていてくれたり、とても嬉しく思います」
ヤン・マーデンボロー
「ファンがたくさんいることにはとてもいい状況ですね。写真を一緒に撮ったり、ピットウォークに来てくれたりとても楽しみにしています。ドライバーとしては、皆さんに楽しんでいただけるようなパフォーマンスを発揮したいですし喜んでいただけるレースをしたいです」
Q:今シーズンに向けて
ピエール・ガスリー
「みんなベストを尽くしたいと考えています。このシリーズは経験豊富なドライバーが多く、僕達ルーキーは一生懸命頑張らないと結果が出ないと思っています。ですが、トップ5、2位や3位を狙うのではなくチャンピオンシップを獲得したいという思いでここに来ていますので、そのために努力をしてベストを尽くしたいと思います。まだ始まったばかりでレースもやっていないですができるだけ早くいろんなものを習得してレースに臨み、結果につなげたい、それがターゲットです。日本のことについてはロイック・デュバルに会ったり電話などでためになるアドバイスを貰っています。日本の生活やこのカテゴリーについてもです。もちろんストフェル・バンドーンからもクルマについての情報などとてもためになる情報も貰いました。レースのことも生活のこともとてもポジティブな話を聞いていますので、心配事は何一つありません。ニックネームはピエールでOKですが、レッドブルのスタッフからは「ガス」と呼ばれていますのでどちらでも良いです」
フェリックス・ローザンクヴィスト
「僕をフォローしてくれているファンの方々はマカオGPで何度か優勝したことを知っていると思いますが、そのようなパフォーマンスが出来ればと考えています。ステファン・ヨハンソンやマーカス・エリクソン、ビヨン・ビルドハイムなど日本で活躍したドライバーから日本についていろいろとアドバイスを貰っています。ニックネームですか?そうですね「フェリックス」「フェリックスさん」と呼んでもらえれば嬉しいです。」
「マンデー・ミーティング」では恒例の両メーカープロジェクトリーダーも登場。今季のエンジンアップデートについて聞いた。
HRDプロジェクトリーダー佐伯昌浩
「昨年の結果として、チャンピオンはトヨタエンジンユーザーの方に持って行かれましたけど、エンジン単体でみると、ほぼイコールの戦いだったかなと捉えています。去年の後半に入る時に、永井さんが『ホンダが馬をたくさん連れてきた』という話をされていましたけど、多分それと同じか、それ以上、トヨタさんも馬を連れてきていたという風に、我々は捉えています。
今年のエンジンに関しては、発表会で言いましたけど、HR-417Eという形に型式の方を変えております。見た目はほとんど変わりません。でも、去年までの正常進化で、各部位が厳しくなってきて、今後の正常進化を考えると、補強をせざるを得ないという部分も多数出てきました。なので、そこまで先を考えての変更を施しています。今どうこうというわけではなく、この先やりたいことをどんどん入れられるという形式に変えているという状況ですね」
TRDプロジェクトリーダー永井洋治
「ウチもホンダさんと同じで、前半は正常進化、後半に向けて今ネタを仕込んでいます。では、その正常進化が何か。このエンジンは性能を出そうとすると、燃焼圧を上げて行かないといけない。それを我々は『P-max』と呼んでいますけど、まずはそれに耐えなければならないので、レシプロ系などを強化しています。そういう意味では、今走っているエンジンも、昨年型よりパワーは出ているという状況ですね。
あと、これはホンダさんも一緒なんですけど、今年はターボが変わりました。これはパワーを出すために取り込む空気量が、当初の予定よりもどんどん増えてきて、限界に達してきてしまったから。特に、富士とかオートポリスとか、空気圧の低いところでは、ターボがもっと仕事をしなければならないですし、オーバーテイクシステムのことを考えてターボを大きなものにしました。また、それに伴ってサイドポンツーン上にあるチムニーも、これまで制限されていたのを大きくしました。これを使うことによって、オーバーテイクボタンを押した時に、ドライバーも結構違いを感じるんじゃないかと思いますし、富士のオーバーテイクはもっと増えるんじゃないかと思います。
もうひとつ、これもホンダさんと同じですが、燃料リストリクターのカーブをGT500と同じカムプロファイルにしました。鈴鹿だと2速に落としたヘアピンからの立ち上がりなどでトルクがぐっと増えているので、それもタイムアップに効くでしょうね」
佐伯
「元々GTのカムプロファイルに対して、フォーミュラは約500回転ほど高回転型にしようということで、リフト量の低いカムで燃料流量を規制していたんですが、今年からGTと共通にしようということで、下側のトルクも太くなっています。ターボは大きくなりましたが、低速の燃料流量が増えたということです」