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開幕前最後のテストもトムスがワン・ツー。ガスリーが総合3番手 第2回公式合同テスト・2日目レポート
2017年4月1日
初日のセッション終了後から、季節外れの雪が降り始めた静岡県富士スピードウェイ。この雪は、その後雨に変わったものの、4月1日(土)の朝を迎えた富士のエスケープゾーンやコースサイドの芝生は白く覆われた状態となった。そのため、午前10時の段階で、テスト2日目の午前中セッションはキャンセルが決定。天候の回復が期待されたため、午後のセッションが延長され、1時半から4時半の3時間に渡って走行が行われた。2日目も参加したのは11チーム19台のマシン。ドライバーとして変更があったのは、VANTELIN TEAM TOM’Sの37号車のみ。初日はジェームス・ロシターがステアリングを握ったが、2日目は平川亮が乗りこんだ。そして、最後の予選シミュレーションでは、その平川が総合トップタイムをマークして、テストを打ち上げている。
雨は止んだものの、曇りのまま晴れ間がなかなか見えなかった富士スピードウェイ。路面にはウェットパッチがまだ多く残っている状況の中、午後1時半にコースはオープンされた。この時点で気温は7℃、路面温度は10℃と、真冬のような寒さだったが、セッションが始まると、半分ほどのクルマがまずはウェットタイヤでコースイン。路面やクルマの状態を確認してピットに戻る。開始から5分という段階では、No.10 塚越広大(REAL RACING)が早くもスリックタイヤに交換してコースへと戻って行った。ところが、計測開始から間もなく、塚越はヘアピン入り口でストップ。エンジンのセンサー系に問題が発生したため、クルマを止めた。これにより、赤旗が提示され、セッションは中断される。塚越のマシン回収が終わり、セッションが再開されたのは、午後1時45分。だが、この時点でもまだウェットパッチが残っており、レインタイヤでもスリックタイヤでも走りづらい状況だったため、多くのドライバーたちはピットで待機することになった。
その後、セッション開始から35分ほどというところで、No.20 ヤン・マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が1分24秒933までタイムアップ。No.8 大嶋和也(SUNOCO TEAM LEMANS)も1分24秒593、No.18 中山雄一(KCMG)も1分24秒359とタイムを挙げてくる。そして、開始から約50分というところで、No.50 小暮卓史(B-Max Racing team)が真っ先に1分23秒台に突入。路面が完全なウェットと言っていい状態のタイムだったため、これを機に、P.MU/CERUMO・INGINGやVANTELIN TEAM TOM’S、TEAM MUGENなども本格的な走行を開始した。その中で、まず22秒台に入ってきたのは、No.2 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)。石浦は、セッション開始から1時間10分というところで、1分22秒591を刻んでくる。その直後、No.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が、コカ・コーラコーナーでスピンオフし、ストップ。セッション2度目の赤旗が提示された。
野尻のマシン回収が終わり、セッションが再開されたのは、午後2時58分。その数分後には、No.36 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(VANTELIN TEAM TOM’S)が石浦に続き、1分22秒台に突入。No.37 平川亮(VANTELIN TEAM TOM’S)も、それに続き22秒台に入れてくる。No.15 ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN)も順調にタイムアップし、1分23秒196を刻み、この時点での4番手まで浮上してくる。
その頃、セッション3度目の赤旗が提示される。これは、センサートラブルの修復を終えて、コースに戻った塚越が100Rでストップしたため。この時は、電気系に不具合が発生し、塚越は自分でマシンを止めた。そのマシン回収を終えて、セッションが再開されたのは、午後3時20分。この頃から、富士の上空には厚い雲が流れ込み、コースのあちらこちらでパラパラと雨が降るようなコンディションとなった。この雨の影響もあったためか、午後3時40分頃にはNo.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がプリウスコーナーでスピン、ストップ。セッション4度目の赤旗が提示される。そのマシン回収が終わり、再開されたのは午後3時49分。この再開から10分ほど経ち、セッションの残り時間が30分を切ったあたりから、各チームはテストの仕上げとして、ニュータイヤを投入し始めた。
ここでまずトップタイムを書き換えたのは、オリベイラ。オリベイラはそれまでトップだった石浦のタイムを100分の3秒上回る1分22秒561をマークする。これに続いて、セッション残り16分という時点でトップタイムを書き換えたのが、平川。平川は1分22秒285までタイムアップ。だが、その2分後には、石浦が1分22秒180で再びトップに立つ。ここで各ドライバーは、一旦ピットイン。残り時間が10分を切ってから、最後のタイムアタックシミュレーションを行った。
そして、セッションの残り時間が3分となったところで、いよいよオリベイラが1分21秒台に突入。1分21秒808を叩き出す。しかし、これに続いてアタックに入った平川は、さらにタイムアップ。1分21秒628をマークした。他のドライバーもアタックに入っていたが、この平川のタイムには届かず。チェッカーと同時に、ガスリーが1分21秒956と、21秒台に飛び込んできたが、平川&オリベイラには届かなかった。
その結果、総合トップタイムを奪ったのは、平川。これにオリベイラが続き、VANTELIN TEAM TOM’Sが1-2でテストを終了。ガスリーが3番手。以下、マーデンボロー、初日のクラッシュから復調してきたNo.16 山本尚貴(TEAM MUGEN)、石浦、中山、No.41 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.65 ナレイン・カーティケヤン(TCS NAKAJIMA RACING)、塚越と続いている。
今回の富士で開幕前のテストセッションはすべて終了。ここまでのテストではVANTELIN TEAM TOM’Sが好調を維持しているが、4月22日(土)~23日(日)に鈴鹿サーキットで行われる開幕戦では、誰が最後に笑うのか。例年以上の接近戦となっているため、予選から目が離せない展開となりそうだ。