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エンジニアたちの作戦計画
第1戦 鈴鹿サーキット

Tire Supplier

高口 紀貴

横浜ゴム株式会社

1.2019年シーズンに向けて

SF19では、その車両諸元設定当初から参画し、フロントタイヤの拡幅を提案されたそうですが、その狙い、理論的な背景などをご説明いただければと思います。

SF14導入当初からのコンセプトである“クイック&ライト”を更に推し進めるべく、SF19のタイヤ開発を行ってきました。具体的には、SF19がよりコーナリングマシンになるよう、回頭性向上を目的としたフロントタイヤのパフォーマンスアップを提案させていただきました。

回頭性:クルマ全体が向きを変えてゆく動き、その強弱や変化を総合してこう表現する。フロントタイヤの容量を増すと、舵を切り込む操作でフロントから起こる向き変え運動が強まるのはもちろん、旋回中に向きを変え続ける動きについても、前から「頭を入れる」動きが強まる。これとつり合う力をリアタイヤが出すことで旋回が維持される。後輪側の横力を下げるとクルマの姿勢は旋回内側に向くが、旋回能力は落ちる。

実際に走り始めたSF19と拡幅フロントタイヤ+従前リアタイヤの組み合わせは、どのような運動特性になっているか(狙いどおりか)、前後のグリップと摩耗のバランスなど、タイヤとの相性はどんな状態か、ここまで観察・分析されている状況を教えてください。

SF19はホイールベースも短縮されましたが、高速安定性が損なわれることなく高速コーナリングが増強された点は狙いどおりです。キャパシティが上がったフロントタイヤは、今まで以上に熱入れ(ウォームアップ)が難しくなり、とくにミディアムタイヤでは、ダウンフォースの設定や、アウトラップの走り方がSF14とは大きく変わりそうです。

*高速安定性:車両の向きが変わろうとした瞬間、リアタイヤの摩擦力(横方向)が重心点まわりに作用することでクルマを直進方向に戻す動きが生まれる。この重心点まわりの回転力(モーメント)の腕の長さはすなわちホイールベースと、その中のどこに重心点が位置するかで決まる。SF19はSF14に対して後輪側で50mm、ホイールベースを短くしている。*(タイヤの)キャパシティ:は摩擦力を発生するだけではなく、荷重や運動を受け止める能力、たわみ変形の受け止め方など、タイヤに求められる様々な機能・性能全体を「キャパシティ(容量)」と表現する。

今シーズン向けのドライタイヤ2種別の仕様変更の有無、変更有の場合はその内容(フロントのタイヤサイズ以外)と狙いについて教えてください。

           

仕様変更点としては、フロントタイヤのパフォーマンスアップによりリアタイヤの負担が増すことが予想されていたので、さらなる耐久性向上を狙った構造変更をしています。

付記:トレッド・コンパウンド(ゴム)はミディアム、ソフトともに昨年仕様から変わっていないが、ソフトタイヤはそのゲージ(厚み)を若干増したとのこと。つまり、全摩耗までの走行距離が伸びる方向。「一発」のグリップを発揮するピーク維持距離に大きな変化は出ない(はず)。

今シーズン向けのウェットタイヤの仕様変更とその狙いについて教えてください。(これもフロントのタイヤサイズ以外で)

ウェットタイヤに関しては、SF14時より排水性向上、低温時グリップ向上をめざした開発を行ってきました。SF19のリリースと同時にその新仕様を投入。トレッドパターンについてはキャンバー角やスリップ角が付いた状態での排水性と、ブロック剛性の両立を図りました。また、トレッド・コンパウンドについては低温時のグリップを向上させました。

*キャンバー角:車両を正面から見てタイヤが内外に傾いている、その角度が「キャンバー角」。一般的には車両外側に傾くのが「+(ポジティブ)」、内側に傾くのが「-(ネガティブ)」とされる。サーキット競技車両では、旋回時に接地面全体が路面に均一に当たるよう、初期角度を内傾(ネガティブ・キャンバー)に設定するのが定石。すると直進時には接地面の内側が強く当たり、外側が浮くので、路面との間に入り込む水が排出される動きも左右均等ではない。 *スリップ角:日本語では「横すべり角」。タイヤは接地面に横方向の滑りが生じることで、横方向の摩擦力(コーナリング・フォース)を発生する。つまり旋回中のタイヤは目で見た時に(中心面が)向いている方向と実際に進んでいる方向がずれている。このずれの角度が横すべり角。フォーミュラ車両でも2~5度、あるいはそれ以上の横すべり角が付いた状態で旋回してゆく。つまり接地面は路面に対してその角度を持って滑りつつ転がっているので、そこにある水を排出するためにはトレッド面に切る溝はこの斜めの滑りを考慮する必要がある。

2.開幕戦・鈴鹿サーキットに向けて

SF19の車両特性、そして拡幅されたフロントタイヤが生み出す「走り」のレベルアップを実感するためには、コースのどのあたりで、どんなところに着目して、見るのがお勧めでしょうか? 個人的に「ここで、こんな動きを観てみたい」というお話も歓迎です。

進化したコーナリング性能。鈴鹿サーキットでは、S字や逆バンクでしょうか。(ネガとしては、直線を駆け抜ける速さ、迫力がスポイルされているかも…)

今シーズンは“持ち越し”タイヤが1セット増え、新品のソフト、ミディアム各2セットと合わせて7セットでレースウィークのプログラムを組み立てることになると聞いていますが、合同テストからの“持ち越し”内容を含めて、標準的なタイヤの使い方としてはどんな流れになりそうでしょうか? 一応、全セッションがドライ路面だったら、と仮定して。

公式走行(土:フリー走行/予選、日:フリー走行/決勝レース)の中は昨年どおり、マーキングタイヤ6セットで戦うこととなります(持ち越し3セットと新規供給分4セットの計7セットの中から6セットを選出)。金曜日の練習走行については、持ち越し3セットのみの使用を認めています。基本的に、予選のために新規供給分のミディアム2セット/ソフト2セットを温存する点については、昨シーズンと同様かと思います。持ち越しタイヤセット数を増したことで、各チームの練習走行、フリー走行でのデータ取りの機会が増えると思いますので、よりソフトタイヤに合った車両セッティングを準備できるのではないでしょうか。

ここでも、路面がドライだったら、と仮定して、予選でコースレコードは更新させそうでしょうか?

「ぜひよろしくお願いします。」と、各ドライバーにお伝えください。

43周・250kmレースにおいて、ソフト、ミディアムそれぞれのタイヤのパフォーマンスとその変化、摩耗進行、履き替えのタイミングなどについて、ここまでのテストでの実績などから、どのように推測されますか? これもドライ路面だったら、と仮定して。

ミディアムタイヤのパフォーマンスについては、大きな変化はないと思います。ソフトタイヤについては、昨シーズンと比較して、より安定してパフォーマンスを発揮できると思っていますが、各チームの評価によって、使い方のバリエーションが分かれると思います。

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