MENU

エンジニアたちの作戦計画
第1戦 富士スピードウェイ

TCS NAKAJIMA RACING

1加藤 祐樹

ドライバー:山本 尚貴

今季の担当車両・ドライバーとコンビを組むのはいつからですか? ご自身の移籍、担当ドライバー変更などがあれば、それも書き添えてください。

山本尚貴選手と、今年からコンビを組ませて頂く事になりました

簡単に(でなくてもいいのですが)自己紹介をお願いします。またモータースポーツ・エンジニアとしての経験・経歴についても語っていただければと思います。

私は2014年初頭からNakajima Racingに在籍しており、当初はパフォーマンス(性能解析)・エンジニアとしてデータ分析や研究を軸に活動した後、2017年夏のSFもてぎ戦からトラック・エンジニアとしてのキャリアが始まりました。 周りには自分がファンとしてテレビや本で見ていた、伝説的なクルマを担当してシーズンを送ってきた大先輩がたくさんおり、その経験と強さに対抗するために分析を武器にしようと考え、取り組んでいます。 とはいえ、理屈では理解できないことが無数にあり、最大限の根拠がある仮説を立てて証明していくスタイル、と言うほうが正しいですね。

モータースポーツの仕事に就かれる前の経歴、他の職種からの転職など、お教えください。

大学で航空宇宙関連のCFD(数値流体解析:コンピューターで連続的に数式を解いて行って現象を検討する手法)を使用した研究の後、大学院では圧縮空気で走る自動車の研究をしていました。その傍ら、大学では自動車部、大学院では学生フォーミュラ・チームを創設し、やりたい放題やらせてもらいました。 中学生くらいからモータースポーツ業界で働きたいと思っていましたが、同時に一般車開発にも大きな興味があり、将来、自分に武器ができてレースエンジニアとして通用する時期が来てからレース業界に飛び込みたいとも考え、卒業後、まずは自動車メーカーへ就職しました。 メーカー在籍中は非常に充実した時間を過ごしましたが、数年後に中嶋企画からのオファーを頂く機会があり、早すぎるかどうか大変悩んだ後、転職を決断しました。 自動車メーカーにいるときも現在も、何かひとつでも自分の武器を持って、磨く、というのがチャンスを拡げることにつながるのだろう、と常々思っています。

開幕前2度のテストでは、今シーズンに向けてどんな狙いでプログラムを消化しましたか?「このくらいなら書いてもいいかな」というところで、大きな流れだけでも良いので教えてください。「全部、内緒」でもかまいませんけれど…

今までで我々が得意なところ、苦手なところとその理由を解釈しながら、2回のテストの進め方を尚貴さんと議論しつつ用意していましたが、いざ鈴鹿テストが始まってみると、狙いどおりにクルマが動いてくれない状況が、経験したことがない水準で起きてしまい、正直なところ、用意していた仕上げのプロセスに対してだいぶ手前の部分をやっている感じでした。 時折、狙いどおりの動きが出たタイミングのパフォーマンスを見ると決して悪くはないのですが、この問題をなんとしても開幕戦では消し去れるよう、チーム全員で全力で取り組んでいます。 本当に取り組みたい、細部の検証と改善のプロセスはその先です。

開幕前のテストを通して、ドライバーのマシンとのコミュニケーション、手足のように操る一体感は深まった様子でしたか? そのポイントはどのあたりでしょうか?

Q4で回答したように、その段階には来ていません。ただし尚貴さんには、私がこれまで経験した事がないほど、とても精緻にフィードバックを返してもらっていて、私自身のクルマへの理解とセットアップを次の段階に進めるきっかけになると確信しています。

SF19のセットアップを仕立て、仕上げる中でご自身として「ここが肝心」と考えているポイントはどのあたりでしょうか? もちろん複数あると思いますが、重視する度合いで言えば、どんな順番、あるいは流れになるでしょうか?

まずはSF19の、SF14からの変化(前輪のタイヤ幅が広がり、ホイールベースが後輪側で少し短縮され、ダウンフォースが強まった)を観察すると想像できるかもしれませんが、フロントのエアロ設定、メカニカル・グリップの”落しどころ”を決めて、フロントの(タイヤ・グリップの)限界を必要なレベルまでに高めることが肝心かなと思っています。単純にSF14より「フロント・リミテッド」の度合いが増したように感じます。
注)メカニカル・グリップ:自動車競技を突き詰めると「タイヤと路面の摩擦力を最大に引き出す」ことに行き着く。その中で、空力的ダウンフォースは慣性質量を増やすことなくタイヤへの荷重→摩擦力を増やす。それに対してサスペンション機構によってタイヤを可能な限り良い状態で路面と触れ合わせ、摩擦力を引き出すこと全般を「メカニカル・グリップ」と言っている。
注)フロント・リミテッド:タイヤの限界に踏み込む車両運動、ドライビングの中で、前後どちらのタイヤの摩擦状態がクルマの運動能力の限界を決めるか、また摩耗が進む中でどちらが先にグリップダウンを示すか。フロント側がその支配的要素である場合、「フロント・リミテッド」という表現をする。

今年の目標を教えてください。

ディフェンディングチャンピオンである尚貴さんが目指す目標を、一緒に達成することです。 また、ここ最近チームとして競争力を上げてきた実感はあるものの、今一歩、壁を乗り越えられていないので、強力なチームメイトとともに、確実に上位で戦い続ける力を確固たるものにすることも、今年の目標です。

最後に新しいシーズンに向けてSFを愛するファンの皆様に一言。

ここ数年のSFは、非常にハイレベルで横一線の戦いになっていると思います。2019年から2020年もそうでしたし、去年から今年はさらにそれがシビアになるかもしれません。そうなってくると最後は、人間、それも全てのスタッフのドラマが雌雄を決する度合いも増して来るように思います。 そのような情報に触れながら観戦していただければ、とても楽しんでもらえるのではないでしょうか。一人でも多くの方々に楽しんでいただければうれしいです。

GO TO TOP

SUPER FORMULA NEXT50 PARTNERS

SUPER FORMULA NEXT50 PARTNERS

SUPER FORMULA NEXT50 PATNERS

SUPER FORMULA NEXT50 PARTNERS

  • デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
  • 株式会社ホンダレーシング
  • TOYOTA GAZOO Racing
  • ASPIRE
  • 株式会社スリーボンド
  • 横浜ゴム株式会社
  • ダラーラ・アウトモビリ S.p.A
  

 

  • 株式会社 F&C ホールディングス
  • カヤバ株式会社
  • グランツーリスモ
  • Viron Japan 株式会社
  • 株式会社M-TEC
  • ハイスピード エトワール
  • 国立大学法人東京大学
  • 富士通株式会社
  • 株式会社インターネットイニシアティブ
  • さくらインターネット株式会社
  • トーテックアメニティ株式会社
  • 東京電力エナジーパートナー株式会社
  • 日本自然エネルギー株式会社
  • 株式会社JTB
  • KCJ GROUP 株式会社
  • RED
  • 人気酒造株式会社
  • 株式会社マイクロン
  • 株式会社ジェイ・スポーツ
  • 株式会社AbemaTV

地域連携パートナーシップ

地域連携パートナーシップ

地域連携パートナーシップ

地域連携パートナーシップ

  • 鈴鹿市
  • 日田市
  • 村田町
  • 小山町
  • 御殿場市
  • 裾野市