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エンジニアたちの作戦計画
第1戦 富士スピードウェイ

Kuo VANTELIN TEAM TOM’S

36大立 健太

ドライバー:中嶋 一貴

今季の担当車両・ドライバーとコンビを組むのはいつからですか? ご自身の移籍、担当ドライバー変更などがあれば、それも書き添えてください。

昨年からレースエンジニアとして中嶋一貴選手を担当しており、今季も36号車を担当します。 レースエンジニアとして、また中嶋選手担当として2年目のシーズンとなります。

簡単に(でなくてもいいのですが)自己紹介をお願いします。またモータースポーツ・エンジニアとしての経験・経歴についても語っていただければと思います。

SFでは2017年から2019年まで東條エンジニアの下でデータ・エンジニアをしておりました。2020年より36号車中嶋選手のレースエンジニアを担当しています。
注)東條エンジニア:東條力氏。今日の日本レース界を代表するベテラン・エンジニアの一人。SFでは昨年からTOM’Sの2車を俯瞰する立場でエンジニアリングとレースを指揮している。

モータースポーツの仕事に就かれる前の経歴、他の職種からの転職など、お教えください。

東海大学 工学部 動力機械工学科を卒業後、2017年にトムスへ新卒で入社しました。 2016年にトムスへ直接履歴書を持ちこみ、F3のレースへインターンシップ生として帯同させてもらい、山田監督の下で勉強させていただきました。 小さい頃よりレースが好きで、富士スピードウェイに通っていました。トムスへは東條エンジニアに憧れて入社しています。
注)山田監督:山田純氏。TOM’Sで多くのカテゴリーを担当、指揮するエンジニアだが、とりわけF3→SFLに関して、その知識と経験は群を抜くものであり、どこに行っても刻々に最速の車両をセットアップし、ステップアップしてきたドライバーを育て、チャンピオンを輩出している。

開幕前2度のテストでは、今シーズンに向けてどんな狙いでプログラムを消化しましたか?「このくらいなら書いてもいいかな」というところで、大きな流れだけでも良いので教えてください。「全部、内緒」でもかまいませんけれど…

鈴鹿テストは中嶋選手が不在で、G.アレジ選手がドライブしました。初めてのSF19ということもあり、完熟走行を軸に、エアロとサスペンション関連のアイテム評価を行いました。富士テストは中嶋選手がドライブしました。 昨年終盤の富士レースとルーキーテスト(鈴鹿)の結果が良くなかったので、セットアップを大きく振ってみています。主にリア・グリップの”薄さ”が気になると評価されていたので、サスペンションとエアロの設定を見直しています。 2日目に行ったテスト内容がうまく機能した印象です。最速タイムはトップから0.3秒落ちですが、方向性を決めることができたので、収穫は大きかったと思います。

開幕前のテストを通して、ドライバーのマシンとのコミュニケーション、手足のように操る一体感は深まった様子でしたか? そのポイントはどのあたりでしょうか?

セットアップを煮詰め切れていないため、まだまだ車両側で合わせこむ必要があります。 開幕へ向けてデータ分析→セットアップの見直しをしたいと考えています。

SF19のセットアップを仕立て、仕上げる中でご自身として「ここが肝心」と考えているポイントはどのあたりでしょうか? もちろん複数あると思いますが、重視する度合いで言えば、どんな順番、あるいは流れになるでしょうか?

SF19はダウンフォースが強い車両ですので、エアロと車高の設定は重要視しています。レースウィークは、エアロ/車高のデータが狙いどおりに現れているかを確認し、その後はひとつのことに固執しすぎず、状況に応じてセットアップしていきます。 ダンパー関連のセットアップは味付け程度と考えているため、基本的には7ポストリグで合わせこんで、サーキットではあまり触りません。 またテストでは、普段試せない足まわりのジオメトリー(幾何学的設定)やデフ(の差動制限)などのアイテム評価を軸にメニューを組みます。
注)今日の順競技車両は、車体底面と路面の隙間を流れる空気の圧力変化によって大きなダウンフォースを得る。その一手段として底面全体を後ろ上がりにして後端のディフューザー(跳ね上げ面)から気流が拡散流出する効果を強める。この後ろ上がりの姿勢を「レーキ(rake)」と言う。こうした空力効果を調整するのが「車高」、正確に言えば底面の地上高(前後)である。
注)7ポストリグ:タイヤをそれぞれ加振台に載せて振動させ、サスペンションの振動特性、タイヤの接地荷重がどう変動するかなどを計測する試験装置。前後にダウンフォースに相当する荷重を加えつつロール方向の動きを模擬するため、4輪の加振台に加えてさらに3本の荷重装置を持つ。合計7点から力と振動を加えるので「7ポストリグ」と言う。

今年の目標を教えてください。

まずは予選と決勝それぞれでパフォーマンスの高いクルマを仕上げることを目標にしています。個人的には、エンジニアとしての初優勝、初PP獲得も目標としたいです。

最後に新しいシーズンに向けてSFを愛するファンの皆様に一言。

今季も、36号車・中嶋選手と37号車・宮田選手、TEAM TOM’Sへの応援を、よろしくお願いいたします。

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