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エンジニアたちの作戦計画
第7戦 鈴鹿サーキット

UOMO SUNOCO TEAM LEMANS

3スティーブ・クラーク

ドライバー:トム・ディルマン

1.2018年ここまでの6戦(実質5戦)を振り返って

ここまで6戦の車両セットアップを振り返って自己採点すると、100点満点で何点ぐらいでしょうか?

100点

前問の自己採点となった理由、状況などを教えてください。

私は英国のノッティンガム出身ですが、その地元のヒーロー、サッカーチームの監督だったブライアン・クラフの言葉を借りて、ちょっと変えてお答えするならば、「私はこのシリーズのベスト・エンジニアではないかもしれないけれど、でも最高の一人であることはたしか!」
*ブライアン・クラフ:イギリスのサッカー界では知られた監督。プレーヤーとしてはイングランド代表経験もあるが、膝の靱帯損傷で10シーズンで引退。その後、監督として多くの実績と、イギリス人らしい警句、名フレーズを残している。とくにノッティンガム・フォレストでは1975年から18シーズンにわたってチームを率い、当初2部リーグだったところからトップリーグ昇格に導き、4度のリーグ・チャンピオン獲得。その間に42連勝など、多くの記録を残した。

ここまでの6戦について、各戦の戦い方の組み立て、戦略の適合などについて自己採点は100点満点で何点を付けますか? またその理由は?

【第1戦鈴鹿】
【第2戦オートポリス】
【第3戦SUGO】 Prep(準備)100点、Strategy(戦略)100点、 Execution(実施)100点。
フリー走行1回目の走行違反でペナルティを受け走行が十分にできなかったけれど、ずっとクルマは速く、Q1のペースも良かったのですが、電気系の問題が発生して止まってしまい、予選18番手に終わったので、信頼性10点。後方のグリッドとなってしまったので、私はセットアップに関して大胆にサイコロを転がし、土曜朝のフリー走行でクルマはさらに良くなりました。レースでは戦略もパーフェクト、18番手から4位までジャンプアップしました。
【第4戦富士】 Prep(準備)100点、 Strategy(戦略)100点、 Execution(実施)99.5点。
トムは富士を走ったことがなく、予選に至るセッションは全てウェット。我々は予選に向けてセットアップを大きく変えましたが、その結果はポジティブ。予選のタイヤ1セット目では17番手(ビリじゃありません)でしたが、これは安全に走ったため。ところが2セット目を使おうというところで雨がまた降り出し、順位を上げるチャンスがなくなってしまいました。レースでは戦略がうまく機能し、我々は10位まで上がることができました。
【第5戦もてぎ】 Prep(準備)100点、 Strategy(戦略)100点、 Execution(実施)0.5点。
モテギはガイジンにとって攻略が易しいトラックで、(Q1の)ミディアムタイヤで楽々Q2に進出できました。Q2でトムは初めてのソフトタイヤでちょっとだけ守りに入ってしまい、Q3に行けるだけのペースがあったにもかかわらず11番手で予選を終えました。レースでは、背後にいたクルマがピットインしたのに反応して戦略を変えた(ピットインさせた)のですが、それはうまく行かず、トムはレースが終わるまでずっとトラフィックの中でスタック(立ち往生)することになってしまいました。もともとの戦略で走っていれば、4~5位には入れたはずです。
【第6戦岡山】Prep(準備)50点、Strategy(戦略)100点、Execution(実施)70点、 Reliability(信頼性)50点。
この週末はずっとウェット・コンディションでしたが、我々のセットアップはとても良く、土曜日朝のフリー走行でトムは最速でした。予選はクラッシュがあり、19番手からのスタートになりましたが、このクラッシュはドライバーだけの失敗ではなく、チームとエンジニアの連携ミスによって想定どおりのハンドリングになっていなかったことがありました。レースはまたウェット・コンディションで、スタートの遅延、赤旗中断、セーフティカーが続きました。でもクルマは速く、トムはレースが短縮されて、いつであっても難しい状況になる中で、何台ものクルマをパスしました、赤旗中断からずっと無線が壊れ、私からの情報はレース中ずっとゼロだったにもかかわらず、です。結局、トムはカズヤを含めて3ワイド(ほぼ並走状態)になる中で15号車(福住)と接触してしまいました。やはりこのレースで速く、何台も抜いてきていた15号車に対してトムはリスキーな追い越しを仕掛け、でもそれがうまく行かなかった、ということですね。 ここで私は、あの難しいコンディションの中で距離を短くしつつ、でもレースを実施する方策を見出したオーガナイザーの皆様に賛辞を贈りたいと思います。レースを実現できたことは素晴らしいものだと考えています。同様にまた、オートポリス大会でレースを実施できなかったのを非常に残念に思っています。私の個人的な見解ではありますが、日曜日の天気予想がすごく悪い状況では、レース・オーガナイザーは例えば土曜日に決勝を行うとか、もっとフレキシブルにスケジュールを動かしてもいいと思います。同じ状況が去年の鈴鹿最終戦でもありましたが、決勝レースをキャンセルすることは、ファンの皆さんにとっても、そして7000マイル(1万1000km)も飛行機に乗ってやってきた年寄りのおじさん(私のことです)にとっても、ものすごく失望することですから。

           

ここまでの6戦を振り返って、担当ドライバーの走りっぷり、パフォーマンスはいかがでしたか? とくに印象に残っている状況はありますか?

トムは2戦目から参加した新人で、テストも含めてこのクルマを走らせたこともなく、サーキットも全て初めてでした。それに対して彼はとても早く対応し、クルマのの開発やセットアップにも加わりました。今シーズンの彼の成績は、天候や車両の信頼性の問題に足を引っ張られた部分が多く、彼の速さを正しく反映したものとはいえません。2018シーズンの経験をバネにして2019シーズンにはチャンピオン争いに加わる選手だ、と私は予想しています。

2.最終戦鈴鹿大会に向けて

最終戦で達成したいと考えている目標を教えてください。

勝利。

前問を実現すべく、今考えている車両セットアップの方向性、例えばどのセクションでどんな特性や速さを狙うと考えているか、あるいは全体としてどんな特性を狙うか、などについて教えてください。

鈴鹿のベストラップタイム(コースレコード)。

距離250kmのレースとなりますが、どんな戦略で戦うことを想定していますか? 「鍵」を握るのはどんなポイントだと考えていますか?

最終周回(を走り切ったところに結果がある)です。

他のドライバー、車両の走りや戦略について、注目していること、気になっていることなどは何かありますか?

ありません。まわりのことは関係なし、です。

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