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高桐 唯詩 スーパー・クリップ 2020年第5戦/第6戦 鈴鹿 編
2020年12月17日
クリップNo.53 大湯 都史樹
「名選手も最初はみんな初心者だった」
今の時代、自分の目標に向かって悲痛なほどの熱量を持ち
立ち向かう若者はいないのではないかと思ったらここにいた。
遠く北海道でひたむきにカートを走らせ、何度も挫折しながら、
一人鈴鹿に居を移し、F1を夢見た。平成の浪花節のようだ。
SRS-Fでは笹原右京や、角田裕毅を上回っての首席卒業だという。
そして昨年のオーディションで2020年のスーパーフォーミュラ入りが決まった。
大湯は速かった。ホンダ勢のトップタイムをマークもした。
チームは超一流。アレックス・パロウの後釜という重い立場。
しかし序盤はドタバタしたレースが続き、結果が残せない。
鈴鹿の第5戦はチームメイトと接触。リタイヤに追い込む大失敗。
そうして迎えた第6戦。2番手から発進し、涙の初優勝を飾った。
「若い時の失敗は構わないんだ」本田宗一郎もよくそう言った。
今、大監督と呼ばれている人たちも若い時はたくさん失敗していたよ。
最初からすべて完成したレーシングドライバーなどいない。
ここからだ。優勝おめでとう!
立ち向かう若者はいないのではないかと思ったらここにいた。
遠く北海道でひたむきにカートを走らせ、何度も挫折しながら、
一人鈴鹿に居を移し、F1を夢見た。平成の浪花節のようだ。
SRS-Fでは笹原右京や、角田裕毅を上回っての首席卒業だという。
そして昨年のオーディションで2020年のスーパーフォーミュラ入りが決まった。
大湯は速かった。ホンダ勢のトップタイムをマークもした。
チームは超一流。アレックス・パロウの後釜という重い立場。
しかし序盤はドタバタしたレースが続き、結果が残せない。
鈴鹿の第5戦はチームメイトと接触。リタイヤに追い込む大失敗。
そうして迎えた第6戦。2番手から発進し、涙の初優勝を飾った。
「若い時の失敗は構わないんだ」本田宗一郎もよくそう言った。
今、大監督と呼ばれている人たちも若い時はたくさん失敗していたよ。
最初からすべて完成したレーシングドライバーなどいない。
ここからだ。優勝おめでとう!
クリップNo.52 関口 雄飛
「天才であり芸術家。その才能を大切に」
天才的な速さ。常識ではとらえられない芸術性を持つ人。
関口雄飛の2020年は表彰台が遠く、埋もれてしまったのか?と、
心配する友人たちも多数いた。
心配ご無用。雄飛はコロナ禍でも自分磨きを怠らず、自分を信じ、
平常心を保ち続けた。
スーパーGTではシリーズ4位の好成績。スーパーフォーミュラは、
苦戦が続き、鈴鹿第5戦でも電気系トラブルで走れない状態。
しかし翌日の第6戦では最高のスタートを切り堂々のレースで3位表彰台。
雄飛の速さをもっと見たい。本人の思いも、さらに高いところにある。
群雄割拠、厳しい戦いの中、クルマに対するアプローチなど、
難しい局面もあったのか、やや足踏みした。
筆者は思う。才能あるドライバーであり、海外でも今すぐ
闘うことができる力を持っている。
その才能を100%発揮できる日が必ず来ると信じ、エールを送りたい。
関口雄飛の2020年は表彰台が遠く、埋もれてしまったのか?と、
心配する友人たちも多数いた。
心配ご無用。雄飛はコロナ禍でも自分磨きを怠らず、自分を信じ、
平常心を保ち続けた。
スーパーGTではシリーズ4位の好成績。スーパーフォーミュラは、
苦戦が続き、鈴鹿第5戦でも電気系トラブルで走れない状態。
しかし翌日の第6戦では最高のスタートを切り堂々のレースで3位表彰台。
雄飛の速さをもっと見たい。本人の思いも、さらに高いところにある。
群雄割拠、厳しい戦いの中、クルマに対するアプローチなど、
難しい局面もあったのか、やや足踏みした。
筆者は思う。才能あるドライバーであり、海外でも今すぐ
闘うことができる力を持っている。
その才能を100%発揮できる日が必ず来ると信じ、エールを送りたい。
クリップNo.51 大嶋 和也
「理想のチームを目指し、基礎固めの時」
大嶋和也は大ベテランであり、レース界の立派なアイコンの一つだ。
2010年菅生は無給油作戦で優勝。鮮やかな印象が残っている。
ドライビングは丁寧。非常にコンスタント。
片岡龍也監督も現役のスーパーGTドライバーにして、スーパー耐久と
スーパーフォーミュラを率いる責任者である。
ルーキーレーシングでは、片岡監督が技術陣を掌握し体制を整える役。
大嶋和也選手がチームを引っ張り、目いっぱい闘いながら、
将来のチーム構築に励んでいる。筆者はそう睨んだ。
鈴鹿の第6戦はしっかり走り切り目標だったポイントを獲得。
小さい一歩だけれど二人のベテランは、
「これからにつながる結果だね」と笑顔を見せた。
少しずつでも良い。表彰台を目指し、どこにもないユニークで
理想的なチームを作り、新たなムーブメントを起こす。
そんな夢がこの二人から読み取れる。
2010年菅生は無給油作戦で優勝。鮮やかな印象が残っている。
ドライビングは丁寧。非常にコンスタント。
片岡龍也監督も現役のスーパーGTドライバーにして、スーパー耐久と
スーパーフォーミュラを率いる責任者である。
ルーキーレーシングでは、片岡監督が技術陣を掌握し体制を整える役。
大嶋和也選手がチームを引っ張り、目いっぱい闘いながら、
将来のチーム構築に励んでいる。筆者はそう睨んだ。
鈴鹿の第6戦はしっかり走り切り目標だったポイントを獲得。
小さい一歩だけれど二人のベテランは、
「これからにつながる結果だね」と笑顔を見せた。
少しずつでも良い。表彰台を目指し、どこにもないユニークで
理想的なチームを作り、新たなムーブメントを起こす。
そんな夢がこの二人から読み取れる。
クリップNo.50 国本 雄資
「ジグソーパズルの完成は近い」
若手の活躍が目立つと、ベテランの質の高い走りを
見落としがちになる。
国本雄資は2016年のスーパーフォーミュラチャンピオンであり、
正確なドライビングは健在で、最近さらに磨きがかかっていることを
忘れてはならない。
なによりカロッツェリアチームKCMGは、小林可夢偉の1台体制から
2台に成長。
国本が参加したことで、セッティングの方向性、戦略の幅が増え、
ジグソーパズルの大切なパーツがはまる様に、
チーム作りが一気に進んだのではないか?
本人は岡山7位、菅生5位、AP4位と右肩上がり。
鈴鹿第5戦は3位表彰台。小林可夢偉も4位。
チームとして上々の成績を挙げた。
無理なく、無駄なく、コツコツと進む国本。
天才可夢偉が信頼を寄せ、松田次生監督が頼りにする。
役割は大きく、素晴らしい仕事をしている。
見落としがちになる。
国本雄資は2016年のスーパーフォーミュラチャンピオンであり、
正確なドライビングは健在で、最近さらに磨きがかかっていることを
忘れてはならない。
なによりカロッツェリアチームKCMGは、小林可夢偉の1台体制から
2台に成長。
国本が参加したことで、セッティングの方向性、戦略の幅が増え、
ジグソーパズルの大切なパーツがはまる様に、
チーム作りが一気に進んだのではないか?
本人は岡山7位、菅生5位、AP4位と右肩上がり。
鈴鹿第5戦は3位表彰台。小林可夢偉も4位。
チームとして上々の成績を挙げた。
無理なく、無駄なく、コツコツと進む国本。
天才可夢偉が信頼を寄せ、松田次生監督が頼りにする。
役割は大きく、素晴らしい仕事をしている。
クリップNo.1~4はこちら
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クリップNo.26~29はこちら
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クリップNo.34~37はこちら
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クリップNo.42~45はこちら
クリップNo.46~49はこちら
クリップNo.50~53はこちら
クリップNo.54~57はこちら
Super Clip スーパー・クリップ
レースウイークエンドの鮮烈なモーメントを
超一流フォトグラファーと詩人が捉える新コーナー。
今回は「若者の台頭とベテランの役割」というテーマで。
Photography by M.Kobayashi & Y.Onishi
Word by Tadashi Takagiri
執筆者紹介
Tadashi Takagiri
詩人&ジャーナリスト。1970年よりレース取材。フジテレビF1中継の
アバン・タイトル・ポエムすべてを執筆。F1総集編30年執筆。
伝説のラジオ番組「アドバンサウンドコックピット」構成者。