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高桐 唯詩 スーパー・クリップ 2020年第3戦SUGO 編

2020年10月28日

クリップNo.45 ニック・キャシディ

「ピュアなレース。狙いすました瞬間」

 

スーパーフォーミュラは単純比較できないが、
往年のF1、例えば1986年頃のウイリアムズHONDA時代より
圧倒的に速く洗練されている。
菅生のレースは、まるでイギリスのブランズハッチF1のような、
スリリングかつピュアで懐かしい匂いがする。
トムスのマシンはポールを狙える仕上がりだった。
ニックは4番手からスタートし3位、山本選手に抜かれ4位キープ。
前半は自分の影を消すかのように雌伏した。
レース半ばカマラ選手のクラッシュで一斉にピットへ。
セーフティーカー明けの28周、ニックは持ち前の野性で山本に襲い掛かり2位。
30周目、平川選手を抜いてトップに立った。
平川とはGTでチームメート。ニックは冷えた時のタイヤの使い方が抜群。
狙いすました瞬間、狩りをするピューマのようだ。
終盤マシンも軽くなりファステストで快走。
岡山のモヤモヤを菅生で果たした。
平川は「次に向けやるべき課題がある」と反省。
勇敢な戦士たちのレベルの高い真剣な戦いぶりを称えたい。

クリップNo.44 セルジオ・セッテ・カマラ

「超大物が菅生を震撼させた」

 

菅生は昔から大きなドラマを生んできた。
1991年ミハエル・シューマッハは初めてF3000に乗り、
豪快にマシンを振って予選4位、決勝2位。
そしてF1にスカウトされ行ってしまった。
あの衝撃以来のドラマ。
ブラジル人セルジオ・セッテ・カマラ、初お目見え、
いきなりのポールポジション。
身震いするほどのショック。多くのレース関係者が言葉を失った。
前日まで、悪コンディションの下、菅生攻略に手こずり、
実力をやや疑ったが、あの一発タイムはカマラ選手の凄さと度胸の証明。
車載映像で見るハンドリングは荒いものの、
さすがレッドブルとアルファタウリのリザーブ兼テストドライバーと皆を唸らせた。
期待が高まる中、決勝はスタートで2位。タイヤに慣れておらず、15周あたりからペースダウン。
19周目ニュータイヤ装着時にタイムロス。そして冷えたタイヤのままクラッシュ。
レースの大きな分岐点を作ってしまった。
ここはル・マン3連勝、ル・マンのポールシッター、F1経験者、未来ある若者が
溢れかえる物凄いカテゴリー。
その奥深さ、スリルこそスーパーと呼ばれる証し。
カマラの挑戦。これからも日本で見てみたい。

クリップNo.43 山本 尚貴

「試練は承知。努力こそ自分の道」

 

人一倍責任感が強い元チャンピオン。
自分が努力することでファンが喜びレースの未来が開けると信じ、
ひたすら走ってきた。
もてぎでは可夢偉と接触し13位という屈辱。
岡山はHONDA勢トップの6位。菅生は絶対優勝を目標に自分に鞭を入れてきた。
思えば2019年F1鈴鹿。フリープラクティスで世界に十分通用する走りを披露。
ナオキは日本を代表するクイックでクレバーなドライバーである。
試練は続く。菅生予選は10位。
スタートで一気に5位浮上。野尻選手をかわして4位。
キャシディ選手を抜いて3位。カマラ選手を抜いて2位。
得意の菅生で、胸のすくバトルだ。
後半、タイヤの低温化に悩み3位フィニッシュになったが、
HONDAのエースとしての責任は確実に果たした。
口をついて出るのは「課題が見つかったから次に向けて努力」
秋の菅生の実力テストはまあまあだったが、それでは嫌。
優勝の一文字に向け、更なる高みを目指す。
コロナ禍にレースが出来る幸せ。ナオキの心もピュアだ。

クリップNo.43 牧野 任祐

「世界をあきらめず、未来へ上昇」

 

F1を目標にしてきた日本のヤングタイガーたちは、
HONDAの2021年F1活動終了発表をどんな気持ちで聞いたのだろう。
高校生ドライバーとしてFIA F4を戦い、2017年18年はヨーロッパで、
F3とF2で揉まれ、F2モンツァでの優勝は、日本のファンを歓喜させた。
世界のメディアにも、牧野任祐のきりっとした切れ長の目で、
次代を見据える写真が載りファンの胸は躍った。
2019年スーパーフォーミュラ開幕戦ではいきなりポールポジション獲得。
何よりこの年、アレックス・パロウという大型新人がチームメイト。
大いに発奮し学んだ。
今年は新型コロナの影響でワンデー開催、予選から決勝まで一気に
パフォーマンスを上げていかなくてはならない。
岡山では接触からリタイヤと、悔しい結果になってしまったが、
菅生は7位入賞。少し光明が見えた。
今の今、F1は視界不良になっているが、周りには良き先輩、同年代の
ライバルたちがいて、チームは上り調子。
日々これ向上。磨いて磨いてもっともっと速くなれ。

 
 
 
 
 
 

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Super Clip スーパー・クリップ
レースウイークエンドの鮮烈なモーメントを
超一流フォトグラファーと詩人が捉える新コーナー。
今回は「秋の実力テストは悲喜こもごも」というテーマで、
焦点となった人物を取り上げた。

Photography by M.Kobayashi & Y.Onishi
Word by Tadashi Takagiri

執筆者紹介
Tadashi Takagiri
詩人&ジャーナリスト。1970年よりレース取材。フジテレビF1中継の
アバン・タイトル・ポエムすべてを執筆。F1総集編30年執筆。
伝説のラジオ番組「アドバンサウンドコックピット」構成者。

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