クリップNo.33 タチアナ・カルデロン
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「一点の曇りなし。日本に舞い降りた太陽少女」
コロンビアの首都ボゴタは高地にある。
父はカーディーラー経営。自然派でファンキー。二輪も四輪も大好きなモータースポーツファン。
姉のパウラがカートを始め、タチアナも乗ったら、見事にはまった。
幼少時から乗馬、テニス、ホッケーなど何でもこなし、牧場でクルマのハンドルを握った。
聡明で働きものの母は一家の中心。姉妹の良き友だちでもある。
タチアナの目標はF1ドライバーであり、これまでの道のり~FIAヨーロッパF3やF2は通過点でしかない。
そのため一日3時間のトレーニング~スイミング、ラン、筋トレを欠かさない。
今回、全く初めての来日であり、初めてのSFマシン、初めてのヨコハマタイヤ、初めての富士。
すべて初体験だったが破綻せず見事にやってのけた。
才能はある。
女性だからどうこう言わせない。
屈託のない太陽のような明るさ。スポーツ・パーソンとしての自覚。
8年前からマドリードに住み、体に良い食事を摂り、トレーニングに励む。
TOKYOも大好きになった。
頑張れタチアナ!日本と世界を明るくしてくれ!
クリップNo.32 セルジオ・セッテ・カマラ![](/sf2/wp-content/uploads/2020/03/YO5_6784.jpg)
「まじめでストイック。野性味と、緻密な世界戦略」
サンパウロから300キロ離れた新都市ペオリゾンテ生まれ。
父は弁護士だがボランティアで地元サッカーチームの社長もする。
セルジオ、子供の頃はサッカー。でもカートに乗ったら取りつかれた。
16歳でブラジルフォーミュラ3に参戦、年末にヨーロッパを目指し、
2015年モトパークとの仕事が始まった。
2016年にはレッドブル・ジュニアチーム加入。まさにとんとん拍子だが、
企画書やリポートはまずスポンサーに見せ、自分の進路を考えながら成長してきた。
今もF1レッドブルとアルファタウリのリザーブ&ディペロプメント・ドライバーだが、
レースがしたいからスーパーフォーミュラを選んだ。
富士のテストの後、日本に居残って黙々とトレーニング。
神奈川の小さなホテルからブラジルと情報のやり取り。
セルジオのような、人間力の高いアスリートが、いつか頂点に立つ。
だからモーターレーシングの世界は面白いのだ。
クリップNo.31 サッシャ・フェネストラズ
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「磨けば光るダイヤの原石。ニッポンで将来に賭ける」
フランスで生まれ、アルゼンチンはブエノスアイレスから700キロ離れた
歴史の街コルドバで育った。
そんな20歳の青年が日本で戦う。そのグローバル感を想像してほしい。
3歳でカートを始め、夢をかなえるべく15歳でフランスF4にデビューしジュニアクラスチャンピオン。
ついでフォーミュラルノーでモナコ優勝。2017年同クラスでチャンピオン獲得。
ルノーのF1アカデミーに入り将来は開けたかに見えた。
しかし彼が選んだのはアルゼンチンから見たら地球の裏側ニッポンのF3。
ここで2019年チャンピオンとなり、なんとGTでもレギュラーシートを獲得。
私たちの国ニッポンのモータースポーツも凄い。そこに賭けたサッシャ。
スーパーフォーミュラのテストでは目を輝かせ、どん欲にあらゆることを吸収。
サッシャのチャレンジには世界中のスカウトやファンが注目しており、
親友ランド・ノリスのようにあっという間にF1の扉を開くかもしれない。
磨けば光るダイヤモンドの原石。20歳のあすなろ。失敗があっても大丈夫だ。
大きな未来に向かって突っ走っていく。
クリップNo.30 ユーリ・ビップス
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「成長の速さが現代の常識。雨のユーリ花咲くか?」
エストニアは人口172万人の小国。
フィンランドに近くIT教育が進んだ国。
ユーリ・ヴィップスは2011年にカートレースを始め、
2016年にはイタリアF4とADAC F4に参戦しイタリアチャンピオン。
2017年F3デビュー。2018年モトパークに所属、4勝をマークした。
それがきっかけでレッドブルのジュニア・ドライバーとなり、2019年マカオで大活躍。
決勝こそ2位だったが、それまですべてのセッションでTOP。
その年最終戦鈴鹿で、SFにスポット参戦したが、
2020年TEAM MUGENからフルシーズン闘うことになった。
ここ数年、ピエール・ガスリーがそうであったように、
レッドブル傘下の若手登竜門となったSFだが、
世界のヤングタイガーたちの戦いを目のあたりにできるのは楽しみだ。
6年前、北欧のカートレースで、雨の中優勝した122番の少年が、
あっという間にニッポンのトップカテゴリーで戦う。
この出世のスピード感を、日本人も学ばなければいけない。
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Super Clip スーパー・クリップ
レースウイークエンドの鮮烈なモーメントを
超一流フォトグラファーと詩人が捉える新コーナー。
「今回は新型コロナウイルスの一刻も早い終息を願い、ファンの皆様と新しい時代を築きたい」
というテーマで、フレッシュな外国人ドライバーを特集。
Photography by M.Kobayashi & Y.Onishi
Word by Tadashi Takagiri
執筆者紹介
Tadashi Takagiri
詩人&ジャーナリスト。1970年よりレース取材。フジテレビF1中継の
アバン・タイトル・ポエムすべてを執筆。F1総集編30年執筆。
伝説のラジオ番組「アドバンサウンドコックピット」構成者。