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2019年 全日本スーパーフォーミュラ選手権 第2回公式合同テスト2日目レポート
2019年3月27日
3月27日(水)、静岡県富士スピードウェイでは、前日に引き続き、全日本スーパーフォーミュラ選手権の第2回公式合同テストが行われた。初日と違い、朝から温かな陽射しに恵まれ、日中は上着のいらないような陽気となった富士。その天候の下、午前9時から11時、午後2時から4時、前日と同じく計4時間の走行が行われ、各チーム、各ドライバーは、開幕前最後の煮詰めを行った。その結果、2日目の総合トップタイムをマークしたのは、No.3 山下健太(KONDO RACING)。2番手には、午後の最後にソフトのニュータイヤでのアタックを敢行し、このセッションのトップタイムを奪ったNo.20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)。3番手には、同じく午後のセッション後半にソフトのニュータイヤでのアタックを行なったNo.18 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)と続いている。
夜間は冷え込んだものの、早朝から日差しに恵まれ、温かなコンディションとなった富士。気温12℃、路面温度15℃というコンディションのもと、午前9時にセッションは始まった。セッションが始まると、No.4 国本雄資(KONDO RACING)以外は、すぐにコースイン。各ドライバーともに、昨日から続くテストメニューをこなしていく。そんな中、開始から15分というところで、セッションは赤旗によって中断される。これは、No.7 アーテム・マルケロフ(TEAM LEMANS)が13コーナーの出口でスピン、ストップしたため。マシン回収が終わると、午前9時21分にセッションは再開され、各ドライバーは本格的な走行に入った。気温が高かった影響もあるのか、各車タイムは1分23秒台。ソフトのユーズドタイヤで走り始めたNo.36 中嶋一貴(VANTELN TEAM TOM’S)やセッション初めにミディアムのニュータイヤを投入したNo.38 石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)、一貴と同様、ソフトのユーズドタイヤで走り始めた可夢偉やNo.50 ルーカス・アウアー(B-Max Racing with motopark)らが23秒前半のタイムを刻んだ。その後、セッション折り返しを前に、ソフトのユーズドタイヤに履き替えて、1分22秒970と真っ先に22秒台に入れてきたのは石浦だった。だが、石浦がトップタイムを書き換えた直後、セッションは再び赤旗によって中断される。これは100RでNo.64 アレックス・パロウ(TCS NAKAJIMA RACING)がコースアウトしたため。パロウは、この時、ソフトのニュータイヤを装着してピットアウトしたばかり。まだタイヤが温まっておらず、オーバーシュートする形となった。しかし、クルマはノーダメージ。回収が終わると、午前10時丁度にセッションは再開された。この再開後、トップタイムを書き換えたのは、No.3 山下健太(KONDO RACING)。石浦も自己ベストを更新してくる。さらに、ミディアムのニュータイヤを投入した一貴とNo.37 ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)も1分22秒台に入れてくる。セッションの残り時間が30分となったあたりでは、No.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、国本も22秒台までタイムを伸ばした。その後、午前10時40分頃には、3度目の赤旗によって、セッションが中断される。これはNo.20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が100Rでクラッシュしたため。走り方やセットアップを色々試していたという平川だが、この時はコカ・コーラコーナーでバランスを崩して縁石で跳ねた結果、止まり切れずにスピン。タイヤバリアに接触する形となった平川のクルマはフロントウィングにダメージを負った。平川のマシン回収が終わり、セッションが再開されたのは午前10時49分。この段階で5分の延長が決定し、チェッカーは午前11時05分に提示されることとなった。この再開直後にソフトのニュータイヤで大きくタイムを伸ばしてきたのは、No.1 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)とNo.5 福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。山本は1分22秒768でその時点での2番手、福住は1分22秒243をマークして、この時点でのトップに立った。その直後、4度目の赤旗が提示。これはスロットルの問題から、No.15 ダニエル・ティクトゥム(TEAM MUGEN)が13コーナーの立ち上がりにストップしたため。ティクトゥムのマシン回収が終わると、セッションは午前10時59分に再開。残り6分ということで、石浦やNo.39 坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)、一貴、キャシディ、可夢偉らを始め、半分ほどのドライバーがソフトのニュータイヤでコースイン。初日と同様、午前中だけはオーバーテイクシステムが使えるということで、タイムアタックのシミュレーションに向かった。ここでチェッカーとほぼ同時に次々にトップタイムが書き換えられる。まず一貴が1分22秒225をマークすると、続いてキャシディが1分22秒146を叩き出す。だが、最終的にトップに立ったのは、ソフトのユーズドタイヤでアタックを敢行した山下。山下は唯一1分21秒台に突入。1分21秒798までタイムを伸ばし、鈴鹿からの好調ぶりを維持している。2番手にはキャシディ、3番手には一貴。以下、福住、坪井、石浦、No.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)と続いた。
約3時間のインターバルを経て、最後のセッションが始まったのは午後2時。この時点で気温は16℃、路面温度は26℃まで上昇。だが、最終コーナーから1コーナーにかけて強めの風が吹き始め、日陰では肌寒く感じるようなコンディションとなる。そんな中、コースがオープンされると、各ドライバーがコースイン。足回りや空力のバランスとりなど、セットアップメニューをこなしていくが、セッション開始から19分というところで赤旗が提示される。これはNo.51 ハリソン・ニューウェイ(B-Max Racing with motopark)が最終コーナーの手前でストップしてしまったため。このマシンの回収が終わると、セッションは午後2時23分に再開した。しかし、その17分後、午後2時47分にはマルケロフが13コーナーの先でコースオフ、2度目の赤旗が提示される。さらに、午後2時53分にセッションが再開されると、その4分後には3度目の赤旗が提示。これはパロウが1コーナーのブレーキング時に問題を抱え、スピン、コースアウトしたためだった。その後、午後3時11分にセッションが再開されてからは、各車順調に周回を重ねている。度々赤旗でストップしたセッションではあったが、山下や平川を始めレースを考えてのロングランを行うドライバーも多かった。さらに、ルーキードライバーたちは、ピットロード出口でのスタート練習やピットストップの練習なども精力的に実施。3週間後の実戦に備えて、準備を進めていった。そして、セッションの残り時間が30分を切ったあたりで、その時点でのトップタイムを書き換えたのが、No.15 ダニエル・ティクトゥム(TEAM MUGEN)。他よりも少し早いタイミングでソフトのニュータイヤを投入したティクトゥムは、ここで1分22秒708をマークする。それに続いてソフトのニュータイヤを履いたのが、可夢偉。可夢偉は1分22秒012までタイムアップし、この時点でのトップに立った。また、坪井や石浦もソフトのユーズドタイヤで1分22秒台前半のタイムを刻んできた。そして、セッション終了間際にソフトのニュータイヤでアタックを行なったのが、平川。平川はこのアタックをまとめると、チェッカーの少し前に1分21秒991と午後のセッションでは唯一21秒台のタイムを叩き出し、セッショントップでテストを締めくくった。この最後のセッションで2番手につけたのは可夢偉、3番手につけたのは山下。以下、坪井、一貴、No.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)と続いている。
次回、SF19が走るのは、4月19〜21日の鈴鹿サーキット。SF19での開幕戦を制するのは誰なのか、予選からレースの行方が注目される。