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「レース中は、なるべくタイトルのことは考えないように集中していた」
2019年10月27日
2019年 ドライバーズチャンピオン
No.37 ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)
「レース中は、なるべくタイトルことは考えないように集中していた」
「アリガトウゴザイマス。今、何を言えばいいのでしょう。言葉では言い表せません。チェッカー後、インラップでもうずっと泣いていたんですが、僕は”最後に泣いたのって、いつだろう?”って思うほど、泣かないんです。無線でもわけがわからないことを叫んでいました。今も思い出すと、号泣していたんですよね。
レース中は、なるべくタイトルことは考えないように集中していました。チームとの無線で、どのくらいの速さで走る必要があるの?などと戦略の話をしながら走っていました。というのも、前にいたクルマのペースが速くなくて1周半くらい後ろで走ることになってしまったんです。一方で、野尻サンを追いかけているときの彼ペースはすばらしく、プッシュせずにギャップをキープする、という感じでした。
(予選が終わった時点で、タイトルを獲るには、なにかスペシャルなことをする必要がある、と言っていたが?)今シーズンを通してとにかく戦いに集中し、一生懸命仕事をすることにしました。特に、クルマのセットアップに自身で取り組み、エンジニアにも自身のアイデアやプランをミーティングで伝えるようにしてきました。その中で話し合いを重ね、クルマの改善にも取り組みました。SUPER GTではもう数年トムスと一緒に仕事をしていますが、フォーミュラレースではまた異なるわけで、チーム移籍一年目にも関わらず、中でもエンジニアが僕のことを信頼してくれたことにとても感謝しています。そういうこともあり、次第にいい状態となり、結果も出せて、強いレースができるようになりました。前日の予選でも、ポールポジションを獲ったことに匹敵するようなアタックができて本当にうれしかったです。というのも、(タイトル争いをする山本)ナオキの隣につけることができたのは、ある程度予定どおりでしたからね。一方で今日のレースでは(ポールの)アレックス(パロウ)の存在が気がかりでした。彼は朝の走行でも速かったですしね。ソフトタイヤでのスタートを選んだことに関しては、別に問題ありませんでした。スタートも良かったですしね。ただ、今回のレースでは、開幕戦とは異なり、ソフトとミディアムでの大きな違いがなかったように感じました。なので戦略の違いもあまりなかったのではないでしょうか。実際、最初のソフトで(1分)43秒5のタイム、そしてあとから着けたミディアムで(1分)42秒7のタイムが出ていましたからね」
2019年 チームチャンピオン
村岡潔代表(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
「素晴らしいレースを一年間戦って、チームタイトルを獲れた」
「素晴らしいレースを一年間戦って、チームタイトルを獲れたのですからこれ以上のことはないですね。また、ファンの皆さんの応援が一番ですし、またチームへの協賛企業がずっと一社で変わらず一緒にやれていることも大きいです。また、うちのチームは自動車メーカーのチームではなく、プライベート、インディペンデントのチームです。なおかつある一定の時期からは、ホンダの若い育成ドライバーを預かって育てていくということをやってきて、2度目のチームタイトルを獲れたので、すごくチームとしての意義を感じているし、やりがいも感じています。一方で、結果として最終戦のレースで(山本)尚貴がタイトルを獲れなかったということはチームの責任でもあるし。ただ、シーズンの戦いはやり切ったと思っています。今回のレースでは、うちのクルマは速くなかった。だからドライバーズタイトルが獲れなかった。ですが、チームタイトルは獲れたということです。(山本、キャシディ、パロウでの三つ巴のタイトル争いとなったが)いずれにせよ、誰かと最後まで(タイトルを巡る)争いになるとは思いましたが、今回は週末を通してクルマに速さがなかったことがつらかったですね。金曜日からそうでした。それが残念だし、ドライバーには申し訳なかったです。
私が独立して会社を作って、ちょうど30年なんです。以降、チームチャンピオン獲得を目指してきましたが、その間、1ポイントを獲るのに何年かかったんだというほど歩みも遅かったんです。時間もかかったし、手間も懸けてまず人を集め、ドライバーも来ないチームからの出発だったので、達成感はありますね。いい区切りになりました」