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第6戦 予選 No.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が約1年半ぶりのPP獲得
2018年9月8日
前日のドライコンディションから一転、雨交じりの1日となった岡山県岡山国際サーキット。路面は終日ウェットコンディションとなった。だが、サポートレースの全日本F3選手権レース途中から雨は止み始める。続いて午後3時15分から始まったスーパーフォーミュラの予選中も、ほとんど空から雨粒が落ちてくることはなく、路面の水が少ない状況の中、目まぐるしいタイムアタック合戦が展開された。その中で、圧巻のアタックを見せて今季初のPPを獲得したのは、No.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)。関口にとっては、昨年の第2戦・岡山のレース1以来、約1年半ぶりのPPとなった。これに100分の2秒という僅差で続く2番手となったのは、No.18 小林可夢偉(carrozzeria KCMG)。前戦・もてぎでシリーズ復帰後初の表彰台を獲得したNo.20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は、Q3でユーズドタイヤを使用したこともあり、3番手。以下、No.5 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、ランキングトップのNo.3 ニック・キャシディ(KONDO RACING)、No.4 山下健太(KONDO RACING)、No.17 塚越広大(REAL RACING)、No.2 国本雄資(JMS P.MU/CERUMO・INGING)と続いている。キャシディとタイトル争いを繰り広げているNo.1 石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)とNo.16 山本尚貴(TEAM MUGEN)は、まさかのQ2敗退。明日のレースでは、追い上げ必至となっている。
WET宣言は出されていたものの、次第に雨脚が弱まり、雨粒がポツポツと落ちてくるだけといったコンディションになった午後3時過ぎの岡山国際サーキット。気温21度、路面温度26度というコンディションの下、19台から14台に絞り込まれるノックアウト予選のQ1が始まった。セッションの開始前から多くのドライバーがピットロードに行列を作り、石浦を先頭に、国本、山本、No.15 福住仁嶺(TEAM MUGEN)、No.37 ジェームス・ロシター(VANTELIN TEAM TOM’S)、No.36 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)、No.7 トム・ディルマン(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)、No.8 大嶋和也(UOMO SUNOCO TEAM LEMANS)、関口、平川、野尻、No.6 松下信治(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、塚越、No.64 ナレイン・カーティケヤン(TCS NAKAJIMA RACING)、No.50 千代勝正(B-Max Racing team)らが、セッションが開始されるとすぐにコースイン。そこから少し遅れて、No.65 伊沢拓也(TCS NAKAJIMA RACING)、キャシディ、山下がコースへ。さらに開始から1分半ほどが経ったところで、可夢偉が最後にコースへと入っていった。
しかし、各車が計測を1周あるいは2周計測したかしないかというところで、赤旗が提示される。これは、福住が2コーナー、ディルマンが通称Wヘアピンの2つ目、ホッブスコーナーでコースアウトしたため。この2台の回収と、ディルマンのコースアウト現場のタイヤバリア補修を終えて、セッションが再開されたのは、午後3時37分だった。ここでも、再開前から多くのドライバーがピットロードに列を作り、ピットロードがオープンされると同時に、次々にコースに入って行く。そして、レインタイヤで最初のアタックへ。トップバッターでアタックラップに入った石浦がまずは1分27秒734というタイムをマークする。これに続いた国本、山本、一貴は1分28秒台と思ったようにタイムを伸ばせず。一方、これに続いてアタックに入っていた平川が大きくタイムアップしてくる。平川はここで1分26秒895をマークして、トップに立った。その後、各ドライバーは一旦ピットイン。タイヤを履き替えて、2度目のアタックへ。チェッカー間際になると、続々と自己ベストタイムを更新していく。だが、誰も26秒台に入れることはできなかった。その結果、Q1は平川がトップ通過。1分27秒017で、これに続いたのは、キャシディ。さらに100分の4秒差で塚越、塚越と100分の4秒差で可夢偉が続く。さらに、野尻、石浦、山下、松下、ロシター、国本といった顔ぶれ。山本はギリギリの14番手でQ1を突破した。一方、Q1で敗退となってしまったのは、伊沢、一貴、千代。赤旗の原因となった福住とディルマンも、ここで姿を消すこととなった。
10分間のインターバルを経て、14台から8台に絞り込まれる7分間のQ2が始まったのは、午後4時4分。Q1以上に路面の水は少なくなり、タイムアップするコンディションの中、セッションが開始されると、石浦、国本、ロシター、可夢偉、塚越、松下、カーティケヤン、野尻がすぐにコースイン。そこから少し遅れて、山本、関口、山下、平川、キャシディもコースに入る。そして、開始から2分というところで、大嶋が最後にコースへと向かった。そして、各車アウトラップとウォームアップを1周終えるとアタックへ。ここでまずQ1の平川のタイムを大きく上回る圧巻のトップタイムを叩き出したのは可夢偉。可夢偉はウォームアップ1周でアタックに入ると、1分25秒548をマークした。続いてアタックに入ったドライバーは、最後までこのタイムを破ることができなかったが、結果、可夢偉に続いたのは、平川。平川は最初のアタックで1分26秒343をマークすると翌周には1分26秒138までタイムを伸ばした。さらに2周ウォームアップしてアタックに入った野尻が1分26秒220までタイムアップ。3番手にポジションを上げてくる。さらに関口、山本もチェッカー目前に自己ベストをマークしてきた。この時点で石浦は7番手、山本は8番手。だが、チェッカーが提示された後、山下がタイムアップ。山本のタイムを上回って、この時点での5番手に飛び込んでくる。これによって、山本はノックアウト。また、キャシディもここでタイムを上げて、4番手に浮上。それによって、石浦が8番手に後退していたが、その後、さらに国本もタイムを上げて、石浦を上回ってきた。そのため、石浦もここでノックアウトとなってしまう。結果、Q2トップは可夢偉、2番手は平川、3番手は野尻。以下、キャシディ、関口、山下、塚越、国本までがQ3へと駒を進めている。一方、ここで敗退となったのは、前述の石浦、山本に加え、大嶋、松下、ロシター、カーティケヤンとなっている。
さらに10分間のインターバルを経て、いよいよPPを決定づけるQ3が始まったのは、午後4時21分。路面はウェットというより、ダンプコンディションに近くなっており、さらなるタイムアップが期待されるコンディションの下、セッションが開始されると、国本と塚越はすぐにコースイン。そこから50秒ほど経ったところで、山下がコースに入る。さらに、開始から2分というところで、関口、平川、キャシディ。そこから少し間をあけて、野尻と可夢偉がコースに入った。路面の水が少ない分、タイヤがオーバーヒートするのを嫌って、各ドライバーはゆっくりとタイヤを温めて行く。その中で、割と早いペースでのウォームアップを行った塚越が、最初にアタックラップへ。このQ3では、オーバーテイクシステムが2回使えるということで、塚越は頭上のライトを点滅させながら、バックストレートを疾走。1分25秒439というタイムをマークする。この時点で、他の多くのドライバーはまだタイヤを温めていた。続いてアタックに入ったのは野尻。野尻は1分25秒095と塚越のタイムをコンマ4秒余り上回ってきた。だが、チェッカーまで残り40秒となったところで、これを大きく上回ってきたのが、可夢偉。可夢偉は、1分24秒466と、自らがQ2でマークしたトップタイムを1秒1上回ってくる。これでチェッカーは、可夢偉のものかと思われた。ところが、チェッカーと同時に、可夢偉のタイムを100分の2秒上回ってきたのが、関口。関口にとっては今季初のPP獲得となった。この2人に次いで、3番手となったのは平川。平川は、Q1でニュータイヤを2セット使用。Q3はユーズドタイヤでのアタックだったこともあり、1分25秒096に留まった。以下、野尻、キャシディ、山下、塚越。タイヤの温まりに苦しんだ国本は8番手に留まることとなった。
明日の決勝は、本格的な雨になるという予報も出されているが、一体どんな展開になるのか。タイトル争いでも重要な意味を持つ1戦となるだけに、天候も含め、その行方が気になるところだ。
予選1位
No.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
「アタックもそれなりにうまくまとめ、いい予選だった」
「Q1でトップと結構タイム差があって、12番手と(Q2進出まで)ギリギリだったので厳しいかなと思ったんですが、Q2に向けて修正して、少しクルマが良くなってタイムも良くなりました。それからQ3に向けてまたアジャストして、それがいい方向に行って尻上がりに調子も上がり、完璧でした。アタックもそれなりにうまくまとめることができたのでいい予選だったのかなと思います。
Q1ではオーバー(ステア)も出るし、アンダー(ステア)も出るし、全然グリップしなかったんです。セット変更でクルマは良くなりました。Q2は2周目と3周目に全開でアタックしました。でも3周目が少しセクター3でタイヤのタレを感じたので、Q3は2周目を全開ではなくそれなりに速く90%くらいで走りました。Q3では路面も水が少なかったんで、Q2のアタックよりも少し抑えて走れば帳尻が合うかなと思いました。なので2周目はそれなりに速いけどマージンを残して走って、3周目でオーバーテイクシステムを使おうと狙いを定めていました」
予選2位
No.18 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG)
「タイムとしては悪くなかった」
「Q1はすごく良いというわけではなかったですが、Q2はそこそこ。Q1で良くなかったところを直してあのタイムでした。Q3はとりあえずまとめることができれば、いいかなと思っていました。タイムとしては悪くなかったです。Q3ではオーバーテイクボタンをどこで押すんだったっけ? とパニクって…。考えていたら思わず反応して間違ってダブルヘアピンでボタンを押してしまいました。押し間違えなかったら? でも、”タラレバ”なので…。どっちにしても、(関口)雄飛がちょっとだけ(0.02秒差)速かったんで2番手に終わりました。明日は決勝でいいレースをしたいと思います。
(自身のアタックとしては)あんなもんだと思います。雄飛が(タイムを)上げてきただけでしょう!? Q2でもQ3でも僕とうしろとの差はコンマ6秒くらいあるので。アタック自体、Q2もQ3も良かったと思います」
予選3位
No.20 平川 亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)
「3番手で終わってちょっと悔しい予選になった」
「朝(フリー走行)はあまり調子が良くなかったのですが、予選に向けて変更した部分とかセットアップなどがうまくいって、Q1から調子が良くなりました。Q3はニュータイヤと中古タイヤに分かれたと思うんですが、中古タイヤでいったらグリップがなくて、なんとか1周まとめたんですが3番手で終わってちょっと悔しい予選になりました。Q3でユーズドタイヤを装着したのは、Q1でニュータイヤを2セット使ったから。タイヤがなかっただけです。なのでQ3では、早めにアタックすることにしました。
(シリーズポイントのことを考えたら)明日は大雨でもスタートしてもらいたい。(第2戦オートポリスに次いで、今シーズン)2回のキャンセルはお客さんも望んでいないと思うので、スタートだけでもしたいです」