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いよいよ最終決戦 2018年第7戦プレビュー
2018年10月16日
4月に開幕した今シーズンの全日本スーパーフォーミュラ選手権。残念ながら第2戦オートポリスの決勝は豪雨のためにやむなく中止となったが、それ以外のラウンドでは、毎回目が離せない展開のレースが続き、チャンピオンシップ争いも白熱している。その最終決戦となるのが、今週末の鈴鹿。一体、今年は誰が栄冠をつかみ取るのか。決勝日は言うまでもなく、金曜日の専有走行からサーキット全体がピリピリとした緊張感に包まれることは間違いない。
ここまでの6ラウンドを終えて、現在シリーズをリードしているのは、参戦2年目のニック・キャシディ。キャシディは、全日本F3チャンピオンとなった後、KONDO RACINGからデビューを飾り、今季は富士で初優勝。KONDOにとっても10年ぶりという勝利をもぎ取った。他のレースでも安定して好成績を残し、29ポイントを獲得。現在2番手につける石浦宏明に4ポイントの差をつけている。ただし、後半戦に入ってからは石浦も調子を上げてきており、もてぎでポール・トゥ・ウィンと、ディフェンディング・チャンピオンらしい実力を発揮。もちろん連続タイトルを狙っている。一方、ホンダエンジンユーザーとして、シーズン序盤に鈴鹿と菅生で実質2連勝。滑り出し絶好調だった山本尚貴は、現在ランキング3位。キャシディとは5ポイント、石浦とは1ポイント差だ。夏場に入ってから、なかなか大量得点できなかったのがその要因。だが、山本は例年、鈴鹿を得意としており、充分に逆転できるだけの力がある。上位3人の差は、いずれも自力タイトルの可能性があり、今回の最終戦では、火花散る戦いを見せてくれるはずだ。
揃って17ポイントを獲得し、この3人に続いているのが、ITOCHU ENEX TEAM IMPULの関口雄飛と平川亮。自力タイトルは厳しい状況だが、この2人もシーズンを通してサーキットを沸かせてきた。その締めくくりとして、今回の最終戦ではどんな走りを見せるか期待される。今年の開幕戦では、いずれも鈴鹿での速さを見せているだけに、彼らがどうタイトル争いに絡んでくるかも見どころだ。
さて、そんな最終戦は昨年までとフォーマットが変わったというのが、一番大きなポイント。2ヒート制で争われ、両レースともにポール・トゥ・ウィンを決めれば、最大18ポイントを荒稼ぎできた昨年までとは違い、今年は通常の1レース。優勝者にのみ3ポイントのボーナスポイントが与えられるということで、PPも含めて獲得できる最大ポイントが14ポイントになった。季節も秋の終わりに差し掛かり、気温・路面温度が低下。ダウンフォースが出やすいコンディションということで、ノックアウト予選ではソフトタイヤを使うQ2、Q3に注目。特に、コースレコードが更新されるかどうかが気になるところだ。もちろんタイトル争いをしている選手にとっては、PPの1ポイントも重要な意味を持つ。また決勝は1ヒートということで、ドライコンディションとなった場合には、ミディアムとソフト、両スペックのタイヤ使用が義務付け。他のレースと同様ではあるが、ピットに入るタイミングやピット作業も含め、チームの総合力が試されることになる。最終戦を前に、ドライバーズタイトル争いだけではなく、チームタイトル争いも超僅差での争いとなっているだけに、各陣営の仕事ぶりからは目が離せない。さらに、タイトル争いをしているドライバーだけでなく、誰もがいい形で1年間を締めくくりたいと願うのが最終戦。そのため、意外な伏兵がトップ争いを演じる可能性も高い。そうした不確定要素も含め、チェッカーが振られるまで、誰が笑うか分からない1戦。現行車両SF14にとっても最後のレースということで、観客の皆さんにはその勇姿を目に焼き付けて帰っていただきたい。