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No.3 ニック・キャシディ(KONDO RACING)が自身初のPPを獲得!! 全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦 予選
2017年9月23日
9月23日(土)、小雨の朝を迎えた宮城県スポーツランドSUGO。朝のフリー走行が始まるとこの雨は止み、フルウェットだった路面も次第に乾いて行く。その後は、曇りの天候となり、午後には路面コンディションも完全なドライコンディションとなった。そんな中、午後1時15分からはノックアウト予選が行われ、Q3でレコードタイムをマークしたNo.3 ニック・キャシディ(KONDO RACING)が自身初のPPを獲得した。ルーキーがPPを奪ったのは、第4戦ツインリンクもてぎでのNo.4 山下健太(KONDO RACING)以来、今季2回目。KONDO RACINGとしても、今季2回目のPP獲得となった。これに続いたのは、やはりレコードタイムをマークしたNo.19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)。3番手にはもてぎ、オートポリスと2連勝し、現在ランキング2位につけているNo.15 ピエール・ガスリー、4番手にはQ3のアタックでミスしてしまったというNo.36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)と続いている。
気温21℃、路面温度22℃というコンディションの下、19台から14台に絞り込まれる20分間のQ1が始まったのは午後1時15分。スポーツランドSUGOは、コース全長が短く、タイムアタック中にトラフィックに引っ掛かる可能性が高いということで、各ドライバーはセッションが始まる3分前からピットロードに行列を作っていた。そして、ピット出口がオープンされると、No.1 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)を先頭に、No.2 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)、ロッテラー、No.37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)、関口、No.20 ヤン・マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、No.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.41 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.64 中嶋大祐(TCS NAKAJIMA RACING)、No.65 ナレイン・カーティケヤン(TCS NAKAJIMA RACING)、No.16 山本尚貴(TEAM MUGEN)、ガスリー、No.10 塚越広大(REAL RACING)、キャシディ、No.7 フェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS)、No.8 大嶋和也(SUNOCO TEAM LEMANS)、No.50 小暮卓史(B-Max Racing team)、山下、No.18 小林可夢偉(KCMG)という順番でコースイン。何人かはユーズドタイヤを装着していたが、その他のドライバーは朝のフリー走行でスクラブしただけのタイヤを最初から装着し、Q1の最初からタイムアタックへと向かった。ここでまず国本が1分06秒879を刻んだが、間もなくロッテラーが1分06秒360をマークしてトップに立つ。さらに、石浦が1分06秒625、カーティケヤンが1分06秒527、一貴が1分06秒473と06秒台半ばのタイムを次々にマークして行った。それを一気に上回ってきたのは、関口。関口は1分06秒144と、早くも05秒台をうかがうタイムを出してきた。さらに、キャシディが1分06秒316、可夢偉が1分06秒188、マーデンボローが1分06秒0606をマーク。1セット目のアタックを終えると、マーデンボローがトップに立った。これに続いたのは、関口、可夢偉、キャシディ、ロッテラー、一貴、カーティケヤン。一方、1セット目のアタックを終えた段階で、ガスリーは18番手、ローゼンクヴィストは19番手と、SUGO初体験組は少し出遅れた形となった。
最初のアタックを終えたドライバーたちは、一旦全車がピットイン。2セット目のタイヤを装着して、次のアタックに向かうタイミングをピットで計っていた。そして、セッションの残り時間が7分となったところで、国本、カーティケヤン、ロッテラーらを先頭に各車がもう一度コースへと入って行く。そのピットアウトのタイミングが交錯したのは、マーデンボローと関口。もう少しで接触するのではないかというほど交錯した2台のうち、マーデンボローはそのままコースイン。関口は出鼻を挫かれるような形となったため、一呼吸おいてからコースに入って行った。そして、各ドライバーがタイヤを温め、タイムアタックに入ったのは、セッションの残り時間が約2分半となったあたりから。最初にアタックした国本が1分05秒961と05秒に入って来ると、カーティケヤンが1分05秒907、ロッテラーが1分05秒712と次々にトップタイムを書き換える。これに続いてアタックしていたドライバーたちは一貴が1分05秒795、もう1周アタックを続行した国本が1分05秒721、可夢偉が1分05秒751と自己ベストは更新したが、ロッテラーのタイムには及ばなかった。しかし、チェッカーフラッグが出されたところで、トップタイムを書き換えたのは、マーデンボロー。マーデンボローは1分05秒685と、ロッテラーのタイムを100分の3秒ほど上回ってくる。さらに、これを上回ってきたのは昨年のSUGOを制している関口。関口は1分05秒530を叩き出し、最終的にQ1のトップを奪った。これに続いたのは、マーデンボロー、ロッテラー、国本、可夢偉、一貴、石浦、キャシディら。1セット目のタイヤで思うようにタイムを伸ばせなかったローゼンクヴィストは11番手、ガスリーは12番手でQ1を突破している。これに対して、まさかのQ1敗退となったのは、前戦・オートポリスでPPを獲得している野尻。さらに、山本、山下、大嶋、小暮もここで敗退となった。
10分間のインターバルを経て、14台から8台に絞り込まれる7分間のQ2が始まったのは、午後1時45分。気温は22℃、路面温度は25℃と若干温かなコンディションとなる。このセッション前も、ピットロードには、国本、石浦、ロッテラー、一貴、関口、マーデンボロー、ガスリー、カーティケヤン、塚越らが行列を作ってピットロード出口がオープンになるのを待った。そして、開始と同時に各車がコースイン。この中で、ロッテラーはアウトラップで石浦をオーバーテイク。国本にも迫る場面が見られた。さらに、塚越の後には、ローゼンクヴィスト、伊沢、キャシディ、可夢偉、大祐という順でコースイン。各ドライバーは自分のスペースを作りながら、タイヤを温めて行く。そして、セッションの残り時間が3分となったあたりから、タイムアタックへと入って行った。ここでも最初にアタックに入ったのは国本。国本は1分05秒641とQ1の自己ベストをコンマ1秒ほど更新。だが、2番目にアタックしたロッテラーが、これを一気に縮めて、1分05秒122をマーク。続いてアタックに入っていた石浦は1分05秒506、一貴は1分05秒402、伊沢は1分06秒146、可夢偉は1分05秒451と、ロッテラーのタイムには及ばない。さらに、ガスリーが1分05秒550、関口が1分05秒384、マーデンボローが1分05秒603、ローゼンクヴィストが1分05秒889、キャシディが1分05秒551。この結果、ロッテラーのトップは変わらず。2番手に関口、3番手に一貴。以下、可夢偉、石浦、ガスリー、キャシディ、マーデンボローという8人がQ3進出を決めた。一方、2周続けてのアタックを敢行したものの、自己ベストを更新できなかった国本は9番手に留まり、ここでノックアウト。以下、大祐、アタック中にトラフィックにぶつかってしまったローゼンクヴィスト、カーティケヤン、伊沢、ガス欠症状が出てしまったためにアタックできずに終わった塚越までが、Q2で敗退となっている。
さらに10分間のインターバルを経て、いよいよPPを決定するQ3が始まったのは、午後2時02分。コンディション的には気温が23℃、路面温度が25℃という中、セッションが始まるとロッテラーが真っ先にコースイン。これに関口、マーデンボロー、ガスリー、キャシディが続いた。それよりも1分ほど後、少し待ってからコースに入ったのが、石浦、可夢偉、一貴。いずれも2周あるいは3周タイヤを温め、残り2分半といった所からアタックに向かった。ここで真っ先にアタックに入ったのはロッテラーだったが、ロッテラーは1コーナーで痛恨のミス。一旦ペースを落として、次の周にアタックする方針に変更した。次にフルアタックを行ったのはガスリー。ガスリーはここで1分05秒080と、2015年にロッテラーがマークしたレコードタイム、1分05秒005に迫る素晴らしいアタックを披露してトップに立った。続いてアタックした一貴は1分05秒313と、思ったようにタイムを伸ばせず。アタックを1周遅らせたロッテラーは、1分05秒089と、ガスリーに1000分の9秒及ばなかった。このまま行くと、ガスリーの初PP獲得か? という雰囲気が漂い始める。しかし、それを打ち破ったのがキャシディ。Q2からQ3へのセットアップ変更が上手くはまったというキャシディは、1分04秒910を叩き出し、SUGOの新しいコースレコードを樹立する。これに続いてアタックしていた可夢偉は1分05秒090とロッテラーに1000分の1秒及ばず、石浦は1分05秒357とタイムを伸ばせなかった。そして、チェッカーと同時にキャシディ同様、04秒台に飛び込んできたのが関口。2周続けてのアタックを行った関口のタイムは1周目こそ1分05秒154だったが、2周目は1分04秒988。それでも、キャシディには100分の7秒余り遅れを取ることになった。その結果、ルーキーのキャシディが自身初のPPを獲得、2番手に関口、3番手にガスリー。ガスリーもここまでの自己最高グリッドを獲得している。以下、4番手にロッテラー、5番手に可夢偉、6番手にマーデンボロー。一貴は7番手、石浦は8番手に留まることとなった。 ピット作業の義務付けがない明日のレースでは、スタートが最も重要となるが、誰がホールショットを奪うのか。セカンドロウまでのドライバーは、上手くすれば誰でも1コーナーでトップに立てる可能性があるだけに、各ドライバーの動きに注目だ。また、ピットインの義務付けはないものの、無給油では走り切れないと見られるだけに、各チームがどんな戦略を取るかも見所のひとつ。SUGOでは例年、ハプニングも起こるため、最初から最後まで目が離せない展開となりそうだ。