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鈴鹿でトヨタ勢の逆襲なるか 2021年第2戦鈴鹿大会プレビュー
2021年4月19日
今季の全日本スーパーフォーミュラ選手権は、4月3日(土)〜4日(日)、チームや関係者が徹底した新型コロナウィルス感染防止対策を行う中で開幕した。開幕の舞台となったのは、富士スピードウェイ。この開幕戦をポール・トゥ・ウィンで物にしたのは、マシンサイドに”医療従事者の皆様、ありがとうございます!”と感謝の言葉が大きく綴られている野尻智紀(TEAM MUGEN)。大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)、福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が野尻に続き、ホンダエンジンユーザー勢が、トヨタのホームコースで表彰台を独占している。
それから3週間、今季のシリーズ第2戦は4月24日(土)〜25日(日)、今度はホンダのホームコースである三重県鈴鹿サーキットに舞台を移して行われる。このレースでは、誰が勝利の美酒を味わうのだろう。トヨタ勢の逆襲なるかも含めて、気になるところだ。
その第2戦では、開幕戦に続き、複数のレギュラードライバーが欠席。当該チームは代役を立てて戦う。開幕戦に出場した中嶋一貴(Kuo VANTELN TEAM TOM’S)と小林可夢偉(KCMG)はWEC・世界耐久選手権の開幕前合同テストのために渡欧。可夢偉の代役は開幕戦と同じ小高一斗、一貴の代役は何と! 今季からSFLに参戦を開始し、開幕大会で早くも2度の3位表彰台を獲得したジュリアーノ・アレジが務めることになった。牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は今大会も復帰が叶わず、開幕に続き笹原右京が代役を務めることになった。また、サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)の入国が未だに叶わず、開幕に続き中山雄一がステアリングを握る。一方、開幕戦は11チーム、18台だったエントリーだが、第2戦からはB-Max Racing Teamが復帰を果たす。B-Maxはもともと2台体制の予定で、米国のイブ・バルタス&松下信治というラインナップだが、バルタスは今の所日本入国ができていない。そのため、第2戦は松下のみがステアリングを握ることになりそうだが、実力や経験から言っても、松下は最初から上位争いに加わってくることが期待される。
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ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)(写真:©SFLA)
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松下 信治(B-Max Racing Team)
鈴鹿サーキットでは、3月上旬、すでに合同テストが2日間にわたって行われている。ニュータイヤでのアタック時にオーバーテイクシステムを使えるタイミングがあったこと、またちょうどアタックのタイミングで雨が落ちてきたことなど、本番を占うには不確実な部分もあるが、このテストで総合トップタイムをマークしたのは平川亮(carenex TEAM IMPUL)。大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)、笹原右京(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)、福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)、大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)、ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELN TEAM TOM’S)、宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)がこれに続いており、トヨタ勢とホンダ勢が入り乱れる形となっている。本番でも、まずは予選で激しいPP争いが展開されるのは間違いないだろう。
注目の予選は、今回もノックアウト方式。開幕戦を終えてのランキングによってQ1は、2グループに分けて行われる。各グループ10台あるいは9台ということで、Q1はトラフィックが発生しづらい。だが、14台で行われるQ2は、コースインするタイミングや間合いの取り方が難しくなる。ここを通過できるかできないかは、まさに紙一重の争いと言っていい。Q3は8台がそれぞれ思い切りのいいアタックを見せてくれることだろう。
2020年第5戦のスタートシーン
一方、メインストレートが下り坂の鈴鹿ということで、決勝はまずスタートに注目。誰が1コーナーにトップで入って行くのか。またタイヤが冷えた1周目は各所でバトルが勃発するはず。そちらにも注目だ。またオーバーテイクシステムを合計200秒使用できるということで、1コーナーやシケインでは数々のオーバーテイクシーンを目にすることができるだろう。もちろん、ドライの場合はタイヤ交換が義務付けられており、ピットインのタイミングを含めた各チームの作戦も見どころの一つとなる。
開幕戦こそ野尻が完璧な週末で他選手を圧倒したが、2位以下には大湯、福住、宮田、阪口といった20代前半世代のスピードスター達が虎視眈々とその座を狙っている。一方オフシーズンから好調の平川や、開幕戦決勝はディフェンディング・チャンピオンらしい追い上げを見せ6位フィニッシュした山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)らも、得意の鈴鹿で一矢を報いたいところだ。
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宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
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阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)
山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)
富士での開幕戦は決勝レース直前から上空は怪しげな雲に厚く覆われ、チームは雨も想定しなくてはならないという慌ただし状況となった。週末の天候次第では開幕同様天気に翻弄される可能性もある。週末はドライでいけるか、それともウェットになるのか。それも含めて、各チームは鈴鹿に向けての万全の準備を整えているところだ。