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FP2はKONDO RACINGがワン・ツー 2021年第6戦もてぎ大会
2021年10月17日
大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)の劇的な初PP獲得から一夜明けた10月17日(日)の栃木県ツインリンクもてぎ。西高東低の気圧配置となり、北から迫ってきた前線によって朝から冷たい鈍色の雨が降るコンディションの中、午前10時50分からは決勝の行方を占う30分間のフリー走行が行われた。開始直後からコースアウトする車両が次々と現れ、セッション中2度、赤旗が提示されるなど、ドライバーにとっては難しい走行となったが、その中で最後の最後にトップタイムを奪ったのは今回が復帰戦となるサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)。序盤にベストタイムをマークした山下健太(KONDO RACING)が2番手につけ、KONDO RACINGが1-2でセッションを締めくくっている。3番手には、昨日の予選Q1でクラッシュし、最後尾スタートとなる小林可夢偉(KCMG)。以下、大嶋和也(NTT Communications ROOKIE)、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)と続いた。ポイントリーダーの野尻智紀(TEAM MUGEN)は序盤コースオフするシーンも見られたが、最後は6番手できっちりタイムを刻んでいる。
前夜から降り始めた雨は、朝を迎えると本降りに。スーパーフォーミュラ・ライツ、TCRJと、サポートレースもウェットコンディションの中で行われたが、スーパーフォーミュラのフリー走行が近づくと、雨脚はさらに強まった。また、気温は15℃、路面温度は17℃とかなり冷たいコンディション。そんな中、午前10時50分にセッションが開始されると、中嶋一貴(Kuo VANTELN TEAM TOM’S)、宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)、福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)、平川亮(carenex TEAM IMPUL)、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)、大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)といった順で、全車が次々コースに入っていった。その直後、まず雨に足元をすくわれたのは坪井。坪井はピットアウト直後の2コーナー立ち上がりでマシンがスライド。ハーフスピン状態のままイン側のガードレールに接触し、フロントウィングを失った。坪井はそのままピットに向かい、マシン修復を行なっている。
その他のドライバーの多くは、アウトラップを終えると一旦ピットイン。宮田、一貴、平川、山下、大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)、国本雄資(KCMG)らはスタート練習を行なっている。一方、序盤から計測ラップに入ったのが福住、牧野、山本、フェネストラズ、松下信治(B-Max Racing Team)ら。この中で、まず牧野が1分57秒775、山本が1分57秒403、松下が1分55秒771とトップタイムが書き換えられていった。山本は、次の周もプッシュを続けたが、V 字でコースオフ。そのまま一旦ピットに戻った。その間に、タイムを上げてきたのは、宮田。さらに、山下が一気に1分53秒660をマークし、トップに浮上する。山下は次の周もプッシュを続け、1分50秒911までタイムアップ。この時点ではダントツのタイムとなった。一方、山下がタイムを刻んでいるのと同じ周には、一旦ピットに戻ってスタート練習し、そこから連続周回に入った野尻が5コーナーの進入でブレーキロック。コースオフするシーンも見られた。さらに、その直後には、宮田がS字でコースオフ。グラベルストップしてしまう。そのため、セッションは開始から11分というところで赤旗によって中断された。
宮田のマシン回収が終わり、セッションが再開されたのは、午前11時05分。ピットロード出口がオープンされると、牧野、坪井を先頭に各車が次々コースイン。関口、山本、タチアナ・カルデロン(ThreeBond DragoCORSE)、山下、松下、福住ら、スタート練習をしてからコースに入るドライバーも多かった。そこから各車は1分53秒〜54秒台のタイムをマークしていたが、雨脚がさらに強くなり始める。そのため、S字の真ん中には川が出現。その川に乗ってカルデロンがハーフスピンし、そのままアウト側にコースオフ。続いて通りかかった関口も、いきなりリヤが流れてスピン、コースアウトした。そのため、2度目の赤旗が提示され、セッションは再び中断される。
この2台のマシン回収が終わり、セッションが再開されたのは午前11時16分。残り時間はわずか4分となったが、ここから自己ベストを書き換えるドライバーも多かった。そして、チェッカーと同時にトップタイムをマークしたのが、フェネストラズ。フェネストラズは山下のタイムを約コンマ4秒縮めて1分50秒549を叩き出した。また可夢偉も一気にタイムを上げて1分51秒241、3番手に浮上してくる。大嶋も同様にここでタイムを上げて4番手に滑り込んだ。
今日PPからスタートする大津は、昨日履いていないウェットタイヤでの感触を確かめていたのか、タイムは1分56秒210で17番手。山本はチェッカー周の最終コーナーでもスピンを喫し、12番手。フリー走行ではフロントロウの2台が下位に終わる結果となったが、決勝レースではどんな展開が待っているのか。午後になると天候は回復する方向との予報も出されているが、全く予想できないドラマが待っていそうだ。