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佐藤琢磨選手のインディ500優勝に寄せて
2017年5月30日
佐藤琢磨さん、チームのみなさん、そして彼らを長年にわたり支えてこられた関係者のみなさん、優勝おめでとうございます!
私が佐藤さんに初めて会ったのは、十数年前のこと、フジテレビスポーツ局でF1中継に関わっていた頃のことでした。F1ドライバーというある意味エリートでもあり、最高峰のレースに選抜された人でありながら、驕るところが少しもなく、F1制覇を夢見て静かに、そして真摯に努力している姿に深い感銘を受けました。聞けば、高校時代は自転車競技に打ち込んでいたとのこと。子どものころからカートに乗り、ドライバーへの英才教育を受けて育つようなレールの上を走ってきたわけではない彼には、オリンピックに出場する選手のようなスポーツアスリートの香りがしたのをよく覚えています。
昨日宮里藍さんの引退会見が行われていました。時節柄、彼はここまで「どのようにモチベーションを維持してきたのだろう?」などということに思いをはせてしまいます。宮里藍さんがピークを迎えていることを自ら知りながらメジャー制覇という結果がついてこないことに苦しむ日々・・・きっと佐藤琢磨さんにもいつ抜けるともしれないトンネルの中で試行錯誤を繰り返してこられた日々があったに相違ありません。しかし、これは想像ですが、きっと彼はそんなことはまったく意識せずに、私が初めて出会ったころと寸分たがわず、黙々と懸命に努力を続けてきたに違いありません。文字通り、「雨滴岩をも穿つ」プロセスがそこにはあったのではないでしょうか?彼が次はどんな夢を追いかけはじめるのか、私には分かりませんが、SFマシンを駆って日本のサーキットを疾走する姿を見たいと考えてしまいます。
改めて佐藤琢磨さんと関係者のみなさんに心よりのお祝いを申し上げますとともに、モータースポーツファンのみなさまとこの喜びを分かち合いたいと思っています。おめでとうございます!
日本レースプロモーション
代表取締役社長 倉下 明