Headline News
ヨコハマタイヤ 決勝レース総評 第4戦 ツインリンクもてぎ
2017年8月21日
今シーズン初となる2スペックタイヤ投入による戦いとなった第4戦もてぎ。決勝は、気温28度、路面温度30度の薄曇りの中でスタートが切られた。上位陣はトップ3台がソフトタイヤを、そして4〜6番手の3台がミディアムタイヤを選択。また、ピットインを2回する車両もあるなど、各チーム、ドライバーによって戦略が分かれた。レース後、ヨコハマタイヤの渡辺晋氏に今回のレース展開について訊いた。
渡辺 晋氏 「暑い天気なら、もっと極端にラップタイムが落ちたはず」
ソフトタイヤの性能としては期せずして、いいパフォーマンスが出たのではないかと思いました。また、気温28度、路面温度30度というコンディションも影響したと思います。ソフトタイヤのタイムが落ちていくことが前提ではありましたが、まさか30ラップくらいまでミディアムタイヤと変わらないラップタイムで走るとは思ってなかったですね。15ラップ、よくもって20ラップくらいでミディアムのほうが速くなるシチュエーションになると思っていました。夏の暑い天気なら、もっと極端にラップタイムが落ちたでしょうね。結果的には、“お客さん第一”で喜んでいただけたかなとは思います。
スタート時にソフトタイヤが9台、ミディアムが10台になりましたが、上位陣のタイヤ選択はある意味戦略どおりだと思います。ほかはチームの考え方、置かれたポジション、そしてソフトタイヤの捉え方でしょうね。レースでは、10号車の塚越選手が2スティントの戦略を見せましたが、逆に、タイヤが持たずに2度ピットインするんじゃないかという、ちょっとネガティブな思いが正直ありました。今回のような積極的な使い方は考えてなかったですね。ソフトタイヤでの初レースを終えたドライバーやチームからは「思ったよりタレなかったね」というコメントをもらっています。ちなみに、事前テストでのデータを各チームには事前に渡していたこともあり、チーム側は結構ひどくタレると思っていたようです。ただ一方で、もてぎではそこまでいかないだろう(タレない)と感じていたようですが、その「そこまで」のレベルがチームによって違ったんだとも思います。ドライバーからの総評も色々あるかと思いますが、我々としてはまだもてぎで一度やっただけなので、次のオートポリスでの状況を見て判断する必要があると思っています。
オートポリスは暑い天気になっても、タイムは出ると思っています。ただ、タイムが落ちるのは相当早い。もてぎよりも3倍くらい早いタイミングじゃないでしょうか。そして、心配しているのは摩耗です。攻撃性の高いコースなので、タイヤが削れてしまうんです。もてぎのようにゴムが溶けてくれてタイヤをカバーすれば摩耗しないで持つのですが、オートポリスはただ擦れてゴムかすが付かず、タイヤ表面が削り取られてしまうんです。チームへのインフォーメーションとして「摩耗してきたら最後はベルトカバー材が出てきてタイヤがバーストしてしまう可能性もあるので、グリップが急に落ちた時点でピットインしてください」とお願いはしています。一方で、お客さんにはもてぎとはまた違った展開を楽しんでいただけたらいいなと思っています。