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「空力の鬼才」エイドリアン・ニューウェイがSFへ登場
2018年12月6日
「空力の鬼才」「空力の魔術師」とも言われる、マシンデザインの巨匠エイドリアン・ニューウェイが、鈴鹿サーキットで行われたルーキーテストを2日間にわたって視察した。子息であるハリソン・ニューウェイがB-Max Racing teamとモト・パークのコラボレーションチームから、ルーキーテストに参加していることもあっての視察ではあるが、いざピットへ足を踏み入れた瞬間から、マシンを凝視し、メモを取り、何やらアドバイスをし、ヘッドセットをし、あるいは指示をする姿も見られるほどの仕事モードに。直接的にか、間接的にかは未だ推測ではあるが、チームへの関与がどの程度になるのか、今後の展開が大いに気になるところだ。
ニューウェイ氏に時間を頂き、簡単なコメントを頂戴した。
「SFのクルマはいいね。今現在、F1は1つのレベルとしてあるけれど、それよりも少し下に、SFとF2という相対するカテゴリーがある。ただ、クルマ自体ということで見た場合、SFの方がF2よりもいいクルマだ。まず何よりも、SFの方が重量がうんと軽い。それに、より大きなダウンフォースを発生させられると思うよ。それに、ヨコハマタイヤはより安定している。それらを合わせて、より良いパッケージになっていると思う。自信を持って言えるのは、SFとF2をサーキットで戦わせたら、SFの方が速いっていうことだね。それにラップタイムだけでなく、SFではドライバーがすぐに学習に入ることができる。より安定したタイヤとより大きなダウンフォースを経験することで、F1に向けての準備ができると思う。もし、SFでトップレベルで戦えるまでになったら、マニュファクチャラーにも認められて、プロのドライバーになることができるだろう。お金を払って乗ることはなくなる。でも、F2の場合は、それは不可能だ。F2に乗ろうと思ったら、誰でも多額の資金を持ち込むことが必要なんだ。
(クルマを見ながらメモを取っていた内容は)チームと仕事をしていく上で、パフォーマンスを上げられる可能性があるちょっとしたことだよ。このクルマはホモロゲートされているから、F1と比べたらできることは限られる。だけど、僕が長年モーターレーシングで培ってきた経験を、チームが仕事を進める上で少し役立てられればと思ってね。
昨夜は、確かにチームとともに夜の9時か10時頃までサーキットにいて、セットアップについての話もした。そして、今朝はセットアップの変更もしている。その結果、クルマが良くなっていたなら嬉しいね。B-Max Racing teamとドイツから来たモトパークの新しいコラボレーションが始まったばかりだし、最良の結果を引き出すために、両方のチームの専門家のノウハウをうまく活かしていかなければならない。ルーカス・アウアーも僕の息子のハリソンも、ここでは新人ドライバーだ。クルマの最大限を引き出すために、彼らはこのクルマをどうやって運転するかということやコースについて学ばなければならない。特に、日本のコースに対しての知識がないわけだから、コースを知ることが最も重要なことの1つだ。昨日からテストを見ていて、このシリーズはとてもコンペティティブだと思うし、何人もいいドライバーがいる。だからこそ、もしハリソンとルーカスが、ここで力を見せることができれば、彼らはドライバーとしてハイレベルだということになるよね。
僕自身、自分がやって来た全てのレベルのモーターレーシングを楽しんでいる。今の僕の職業はF1だけど、F4からSFまでいつも他のフォーミュラカーを見ることを楽しんでいるんだ。僕にとってそういうクルマを見るのは、興味深い。時々、違うカテゴリーのクルマを見て、なぜ彼らがそういう設計をしているかが理解できるし、ひょっとしたらF1についてもより理解を深めることができるんじゃないかと期待している。そうしたクルマには、違う勢いと刺激、違う知識が詰め込まれているし、そうしたものを取り入れることができるんだ。それと同じようなことは、アストン・マーチンのロードカーのプロジェクトにも言える。そのクルマのレース仕様を作る時にね。ハリソンがLMP2でレースをしているんだけど、それがとても役立つんだ。僕に、プロトタイプカーに関する知識を与えてくれて、アストン・マーチンのレースカーに活かすことができるから」