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鈴鹿合同テスト 初日総合トップは笹原 右京
2021年3月11日
昨年12月末に行われた合同テスト/ルーキーテストから2ヶ月余り。2021年のシーズン開幕に先立ち、全日本スーパーフォーミュラ選手権第1回合同テストが、3月11日〜12日にかけて、三重県鈴鹿サーキットを舞台に行われた。初日となる11日は、東日本大震災発生から10年という節目の日。震災発生時には、今日と全く同じように、鈴鹿でスーパーフォーミュラ(当時はフォーミュラ・ニッポン)の合同テスト初日が行われていた。当時、鈴鹿も震度3の長い揺れでセッションは中断。その後の情報収集で、関係者は東北地方を巨大地震が襲ったことを知り、翌日のセッションはすぐさまキャンセルされた。中には、津波に襲われた関係者もおり、業界全体が心を痛めたことも、まるで昨日のことのように思い起こされる。それから10年。午後のセッション開始前、午後2時46分からは1分間の黙祷が捧げられた。
さて、この初日のセッションは、春めいた好天のもとで行われた。参加したのは、11チーム18台のマシン。新たなカラーリングを施されたマシンも多く、サーキットは華やかな雰囲気に包まれた。ドライバーについては、レギュラー陣の小林可夢偉(KCMG)、中嶋一貴(Kuo VANTELN TEAM TOM’S)がWECのテスト参加による渡欧後の自己隔離期間に当たるため欠席。可夢偉の代わりには小高一斗、一貴の代わりにはジュリアーノ・アレジというフレッシュな顔ぶれがステアリングを握った。同じく日本への入国が叶わず、このテストを欠席することになったのがサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)。フェネストラズの代役としては、中山雄一が乗り込んでいる。また、今季チームを移籍したものの、体調不良が続く牧野任祐(DANDELION RACING)も欠席。代わって、笹原右京がステアリングを握った。さらに、今回のテストには、今季嬉しいフル参戦が決まった大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)や宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、阪口晴南(INGING MOTORSPORT)らが参加し、ルーキーらしい元気な走りを見せている。今回のテストでは、各ドライバーともに6セットのスリックのニュータイヤを使用できることになっているが、どんなタイムが刻まれるのか。その点も注目された。
最初のセッションが始まったのは、午前9時から。この時点では、まだひんやりとした朝の空気に包まれており、気温は10℃、路面温度は11℃。そこからどんどん暖かくなり、セッション終了時には気温が15℃近く、路面温度も20℃以上まで上昇した。
セッションが開始されると、3分の2ほどのドライバーがマシンチェックのためにコースイン。その後、本格的な走行に入る。その中で、セッション序盤から好タイムを刻んだのは、平川亮(TEAM IMPUL)やチームメイトの関口雄飛(TEAM IMPUL)、笹原右京(DANDELION RACING)ら。また、セッション開始から約30分というところで、福住仁嶺(DANDELION RACING)が1分37秒438と、この時点でのトップタイムを刻んだ。
その数分後、午前9時36分には、今回のテスト最初の赤旗が提示される。これは、エンジン周りのトラブルに見舞われた野尻智紀(MUGEN)がデグナーコーナーで、原因不明ながら左フロントタイヤのナットが脱落したアレジがスプーンコーナーで、それぞれストップしたため。この2台の回収が終わると、セッションは午前9時53分に再開。10分間の延長も決まり、チェッカー予定は午前11時10分となった。
その後、各チーム、各ドライバーはテストメニューを消化していき、セッションの最後にはフルプッシュするドライバーも。その中で、残り5分を切ったところでトップタイムを書き換えたのは、笹原。笹原は1分36秒805と、赤旗後に福住が書き換えていた自己ベストタイム1分36秒925を上回ってきた。その直後、チェッカーまで間も無くというところで、セッションは2回目の赤旗によって中断される。これはアタックに入った平川が、S字でバランスを崩しスピン、コースアウトしたため。結局この赤旗でセッションは終了となった。結果、午前中のトップは笹原、2番手に福住。この2台だけが1分36秒台に入ってきている。以下、平川、関口、ルーキートップの阪口、大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)、大嶋和也(ROOKIE Racing)、宮田と続いている。
約4時間のインターバルを経て、2回目のセッションが始まったのは、午後3時。前述のように、このセッションに先立って、1分間の黙祷が行われ、ドライバーやチームスタッフはピットロードに整列して犠牲者に祈りを捧げている。そして、気温18℃、路面温度25℃というコンディションのもとセッションが始まると、まもなく全車がコースイン。午後のテストメニューを開始した。2日目は天候が崩れるという予報が出されていたため、ロングランを行なったチームも多かった。
その中で、セッション序盤から好タイムを刻んだのは、午前中をトップタイムで終えている笹原。また、開始から10分余りというところでは、エンジンの積み替えを終えた野尻が、その時点でのトップタイムとなる1分38秒624をマークしてくる。その後、セッション開始から30分というところで、1分38秒491までタイムを伸ばし、トップに浮上したのは大湯。だが、数分後には、平川が1分38秒021と大湯のタイムを書き換えてきた。さらに、セッション開始から50分というところでは、宮田も大湯のタイムを上回り、その時点での2番に浮上してくる。同じ頃、大津も1分38秒664という自己ベストをマーク。この時点での5番手に浮上してくる。さらに、セッションが折り返したところでは、山下健太(KONDO RACING)が1分38秒194をマークして、その時点での2番手に浮上。数分後には、関口が1分38票152で山下のタイムをわずかに上回ってくるなど、各ドライバーとも、テストメニューをこなしていく中で、次第にタイムを上げていく状況だった。
そして、セッションが終盤に入ると、関口が1分37秒338、阪口が1分37秒730と37秒台に入ってくる。残り時間が10分を切ったあたりからは、ニュータイヤでのアタックを行うドライバーも多く、次々に上位のタイムと順位が入れ替わっていった。
タイムアタックを行なったドライバーの中で、チェッカー後に自己ベストを叩き出してトップに立ったのは、関口。関口は1分36秒822をマークしている。これに続いたのは、午前中も2番手だった福住。さらに、3番手の平川までが36秒台に突入。これに大湯、阪口、宮田、笹原と続いた。
明日もセッションは午前9時からの2時間と、午後2時からの2時間を予定。昼頃からは降雨の予報となっているが、どんなテストとなるのか。明日の結果にも注目だ。
初日総合1位 笹原右京(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)