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2021年 シリーズチャンピオン会見
2021年10月31日
ドライバーズチャンピオン
No.16 野尻智紀(TEAM MUGEN)
「一歩一歩、自分なりのペースで自分なりの道を進んでくることができた」
「(第6戦)もてぎ戦でチャンピオンを決めることができて、この鈴鹿大会ではチャンピオンに恥じないようなレースをしたいと思っていましたが、予選から少しつまづくようなこともありました。今シーズンの中で言うと一番苦労した予選になってしまいました。ただ、レースは別物なので、なんとしても挽回したいという思いが強くありましたが、先の(トップ3)会見でもお話ししたとおり接触もあり、たくさんの方にご迷惑をおかけしまいました。反省点が多い最終戦になってしまいました。しかし、(勝負に対する)気持ちなどはお見せできたかと。数年前の僕であれば(厳しい攻防戦の末に)引いてしまっただろうし、並びかけるところまですら行ってなかったかもしれません。成長の後押しとして、応援してくださる方々だったりご協力いただけるたくさんの方々がいなければ、絶対できなかったのは間違いない事実です。自分でも不思議なくらいたくさんの方々が協力してくださり、応援してくださっているのでうれしく思います。これまでも、なんとしても結果につなげたいという思いがありましたが、なかなか自分の技術はじめすべての力が及んでいなかったので、結果に表れませんでした。自分自身の不甲斐なさやそういう気持ちに押しつぶされるときもありましたが、それでも諦めずに前を向けたのは、やはりたくさんの方々の応援やご協力があったからです。一歩一歩、自分なりのペースで自分なりの道を進んでくることができたことに、改めてお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。僕自身、今週のレースを見るとまだまだ伸ばさないといけないところもありますし、今日も勝てたかもしれないレースを落としてしまったという認識もあります。自分自身さらにここからレベルアップを図っていきたいと思いますし、それがこのスーパーフォーミュラのおもしろさにつながると信じ、たくさんの選手たちと切磋琢磨してこのスーパーフォーミュラを観てくださる方々におもしろいと思ってもらえるようなレースを見せられるように、一人のドライバーとしてこれからも精進し続けたいと思います。
今回のレースに関しては、ずっと気持ちがドキドキしていました。恥ずかしいレースはできないなという思いは当然ながらあったのですが、選手ってどこかギリギリのところに置かれると本来のピークパフォーマンスが出たりするという側面もあったりするのかなというのもあって、『なんかいつもと違うな』ということに自分が気になりすぎていて不安になりました。ただレースが始まったらいつものモードに入れたので、良かったと思います。貴重な経験として今後につなげていけるレースだったと思います。(参戦8年目にして手にしたタイトルとなるが)スーパーフォーミュラに上がってからは8年ですが、4輪にステップアップしてから一度もチャンピオンを獲れていないので、もう十何年という年月になります。その間、ずっと長いトンネルにいたような感じがしますし、それを考えると不安でしかなかったという時期もありました。ただ昨年のシリーズを考えると、タイトルこそ獲れませんでしたが最終戦をあのまま走っていれば(タイトルを獲れた)可能性も充分あると思ってました。言い方としては(昨シーズンチャンピオンの)山本(尚貴)選手に失礼かもしれませんが、『昨年のチャンピオンは自分だ』と強く自分自身に言い聞かせ、そういう強い思いを持ってシーズンをずっと戦い続けることができました。昨年の途中からトンネルみたいなものは感じなくなっていたし、このままチームのみんなはじめ、たくさんの方々に支えてもらいながらやれたら、必ず(タイトルを)手にすることができると思っていたし、それが現実になって非常にうれしく思います。
(今日、レース後に表彰台でドライバーズチャンピオンのトロフィーを掲げたが)鈴鹿サーキットでは今年の第2戦で優勝することができたので、一番高いところからの景色は同じでしたが、やはりチャンピオンとしてあそこから見る景色は何十倍も何百倍も違う素晴らしいものでした。何度(タイトルを)獲ってもこの景色を見たいと思えるような景色だったと思います。もっともっと自分を貫いていきたいなと思うし、そうすることでまたこの景色が見られると思います」
チームチャンピオン
carenex TEAM IMPUL
星野一義監督
「来年も本物のレースの素晴らしさをファンの人に観ていただけるようにがんばる」
「スタート前に雨が降ったりして、いろんな状況の中、作戦があってないようなもので……。”よーいドン”してからは、プロフェッショナルなチームとしてどういう方向に行こうが対応できるように、と準備をしていました。スタート直後に雨がパラパラ来ましたが、僕は『もう少し雨が来い!』と。レースが荒れてほしいと。(予選順位が)最前列のほうではなかったので、多分ベテラン(ドライバーとして)の技量を活かして上位に上がれるのではないかと(思っていた)。ドライだとなかなか(前に)出られないですからね。そういう中で、うまくスタート(オープニングラップ)で平川(亮)が6番手まで来てくれて。それに徐々に雨がパラパラ降っているから飛び出すクルマもいる中、うちのドライバーはしっかりとコントロールしてくれて……。(状況的には)ドライバー頼みでもありました。(これまで)ピットでミスがあると、その度に『なにをやってるんだ!』……ドライバーがコンマ1秒遅いとスタッフも愚痴が出るわけだから、(スタッフ側も)”プロのピットインーアウト(の作業)”を目指そうと。それを見事にやってくれました。最終戦だから、ドライバーには『がんばれよ』と言いたかったんだよね。だから、プレッシャーを印象づけないくらいに『がんばれ』って。(その中でタイトル獲得を果たした)ドライバーとチーム(スタッフは)すばらしいと思います。ほんと僕自身も感謝しているし、レースの内容からも、スタンド(の観客)のファンの人達も、ものすごい感動があったように思います。
今日のふたり(平川/関口雄飛)は2位と4位だけどすごく中身のあるレースだった。チームインパルのすべてのスタッフ、ドライバーにお世辞抜きで感謝しています。ふたりにはもっと速いマシンを準備してあげたいと思っています。悪条件のときにキャリアの力を出せるのが本物(のプロドライバー)だと思うんですが、(ふたりには)そういうところを褒めてあげたいですね。レースウィークでは、ほとんど僕は口で言わないけれど、ふたりは僕の厳しい様子をずっと見ている中、皆さんに喜ばれるような結果を出してくれたので今日は感動しました。まぁ、自分を甘やかしたらチャンピオンなんて獲れるわけがないので、”愛のムチ”で厳しいことは言うし、手なんか抜いてたら『ふざけんじゃない!』ってガチンとやりますが、ふたりともいいドライバーだと思います。
(これからも)ある意味、この”レースバカ”を続けようと思っています。でもどこまで続くか……肉体的なもの、経済的なもの、いろいろなことがありますが、まだまだこのシリーズの中で暴れたいと思います。関係者の方にはいろいろ努力してくれて感謝していますし、ファンの方々にも感謝しています。僕もこれでスポンサーのところに、『チャンピオンという肩書が見えぬか!』という形で(訪問できるし)……。来年も思いっきりレース……SFのホントの、本物のレースの素晴らしさをファンの人に観ていただけるようにがんばります。ありがとうございました」
「B.R.MチャンピオンAWARD」としてViron Japan株式会社代表取締役CEO 滝川聡様よりB.R.M特製チャンピオン時計が贈られた。